ウォーム・ボディーズは、2013年公開のアメリカ合衆国の映画。食べるつもりで襲った人間の女子に一目ぼれしてしまったゾンビ男子Rの恋を描く異色のゾンビラブコメディ。日本国内ではマイナーな作品になりますが、「ゾンビ映画」歴代北米興行収入ランキングトップ25(2016年12月1日)で、第4位の興行成績6638万ドル稼いだ作品です。
ウォーム・ボディーズ 映画批評・評価・考察
ウォーム・ボディーズ(原題:Warm Bodies)
脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計86点
ゾンビ映画の新境地を開拓した作品、見て感動しました。ゾンビ映画で心が温まったのはこの作品が初めてです。ジョージ・A・ロメロ監督も『ランド・オブ・ザ・デッド』でゾンビの感情らしきものを描いているので、ロメロ監督はどう思ったか気になるところです。作品の筋は、ゾンビ+ロミオとジュリエットって感じでしょうか。「人間を人間たらしめているものは愛である」というテーマを凝り固まった表現ではなく、ゾンビを通して表現しているところも新しい。ゾンビになった青年の視点から恋を描いていて、ヒロインの彼氏の脳みそを食べたことで記憶を追体験し、恋に落ちるとか斬新でした。
ウォーム・ボディーズ あらすじ
近未来。秩序は崩壊し、ゾンビは人間を喰らい、人間は捕食者であるゾンビを敵対視していた。ゾンビのR(ニコラス・ホルト)が仲間たちといつものように人間を食べに出かけたところ、食べ物であるはずの人間の女の子・ジュリー(テリーサ・パーマー)に恋をしてしまう。Rはジュリーを守りながら自分の居住区へ連れて行く。ジュリーは食べられまいと必死に抵抗していたが、Rが不器用ながらも自分に寄せる好意や彼の純粋さに触れ、次第に警戒心を解き心を開いていく。Rもまたジュリーと交流するうちに、生ける屍である自分の中であたたかな気持ちが広がっていくのを感じる。しかし二人の恋はゾンビと人間の関係を覆すものであり、最終型ゾンビの“ガイコツ集団”やジュリーの父親(ジョン・マルコヴィッチ)にとっては到底許せないものだった……。
ウォーム・ボディーズ スタッフ
監督:ジョナサン・レヴィン
脚本:ジョナサン・レヴィン
原作:アイザック・マリオン『ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語』
製作:デヴィッド・ホバーマン,ブルーナ・パパンドレア,トッド・リーバーマン
製作総指揮:ローリー・ウェブ,コリ・シェパード・スターン,ニコラス・スターン
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
編集:ナンシー・リチャードソン
音楽:マルコ・ベルトラミ,バック・サンダース
配給:サミット・エンターテインメント
ウォーム・ボディーズ キャスト
R:ニコラス・ホルト
主人公。ゾンビの青年。気づいた時にはゾンビになっており、人だったころの記憶や、自分の名前もイニシャルが「R」という以外は思い出せないが、人としての理性は他のゾンビよりも色濃く残っている。廃空港で住み着くゾンビの一人で、ターミナルビルの傍に停まっている一機の廃航空機を根城にしており、その中は、Rが集めた物で生活感がある。徘徊した後は音楽を聞いたりしている。
ジュリー・グリジオ:テリーサ・パーマー
ヒロイン。グリジオ大佐の娘。ゾンビとガイコツの完全駆逐をうたう父親とそりが合わず、自分なりに毎日を過ごしている。ペリーとはかつては相思相愛の恋人だったが、ある出来事が理由でその関係は冷え切っている。ある日、ペリー達と薬を探しに廃街に出ていたところをゾンビたちに襲われるが、ジュリーに一目惚れしたRに救われる。最初はRを他のゾンビと一緒に怯えていたが、会話ができる事や、他とは違うRに惹かれるようになる。
グリジオ大佐:ジョン・マルコヴィッチ
ジュリーの父親。
M:ロブ・コードリー
廃空港に住み着くゾンビの一人。Rとは親友の中年男性。最初は唸るだけで会話はできなかった。人間であるジュリーに対し、Rに「食え」と促すも、離れたくない、それでもジュリーの傍にいたいというRの気持ちに感化される形で次第に変わり始める。そしてそれは、他のゾンビにもうつっていき・・・
ペリー・ケルヴィン:デイヴ・フランコ
ノラ:アナリー・ティプトン
ケビン:コーリー・ハードリクト
ペリーの父:ヴィンセント・ルクレール