ウォール街は、1987年公開のアメリカ合衆国の映画。ニューヨーク・ウォール街を舞台に一獲千金を狙う男たちの世界を描く。製作はエドワード・R・プレスマン、監督は「プラトーン」のオリヴァー・ストーン、脚本はストーンとスタンリー・ワイザー、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はスチュワート・コープランドが担当。出演はチャーリー・シーン、マイケル・ダグラス、マーティー・シーン、ダリル・ハンナほか。
ウォール街 映画批評・評価・考察
ウォール街(原題:Wall Street)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計90点
第60回アカデミー賞(R)主演男優賞受賞!
ウォール街に渦巻く野望と陰謀。オリバー・ストーン監督がスリリングに描き出す傑作エンターテイメント。
ストーン監督の「プラトーン」と並ぶ初期代表作。スピード感あふれる演出で経済戦争最前線を描き出しました。企業経営より、その株の取り引きのほうが巨万の富を得られるという狂乱のマネーゲームにいち早く目を付けたストーン監督のジャーナリスティックなセンスが鋭い。アカデミー賞を受賞したマイケル・ダグラス演じる大物投資家ゲッコーのキャラクターが強烈で、冷酷・傲慢の嫌みな男ながら、その言動には哲学があり、魅力にあふれる。2010年には23年ぶりの続編となる「ウォール・ストリート」が作られました。
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ウォール街 あらすじ(ネタバレ)
若き証券セールスマン、バド・フォックス(チャーリー・シーン)は、貧乏人から巨万の富を築いた成功者ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)をいつか追い抜こうという野望に燃えていた。ゲッコーと5分間の面会時間をとるのに数カ月もかかった。バドはブルースター航空に技師として働く労働者階級の父(マーティン・シーン)から会社の経営状況に関する情報を入手し、それをゲッコーに流した。彼はバドをすっかり気に入り、バドの証券会社を通して取り引きするようになった。バドはゲッコーのやり口を徹底的に研究し、実績をあげていき期待に応えた。バドが流したインサイダー情報を利用した取引は違法行為だが、莫大な報酬を手に入れたバドは成功の甘い香りに酔っていた。ゲッコーの家で行なわれたパーティーで、バドはインテリア・デザイナーのダリアン(ダリル・ハンナ)と知り合い恋におちた。実はゲッコーが彼女のパトロンだったが、彼は2人を結びつけ同棲させた。バドは豪華なマンションに2人の愛の巣を築いた。ゲッコーはブルースター航空を乗っ取るべく組合員を懐柔しようとしたが、バドの父は拒否、父子で激しく喧嘩した。ゲッコーの狙いは、バドをかいらい社長として送り込み、会社を解体し、合併会社に買いとらせようというもので、会社を再建するつもりなど毛頭なかった。バドはやっと自分がゲッコーに利用されていることに気がついた時、父が心臓発作で倒れた。労働の喜びとともに誠実に生きた父を見たバドは、自分のあさましさに気づき、ブルースター航空会社を組合つきでゲッコーのライヴァル、ワイルドマン(テレンス・スタンプ)に買い取ってもらう交渉をした。バドの裏切りを知らないゲッコーとワイルドマンの激しい攻防戦の末、ワイルドマンの勝利となり、ブルースター航空は生き残ることになった。ゲッコーの恐ろしさを知っているダリアンはバドのもとを去った。証券取引委員会はブルースター航空の株取引を調査、インサイダー取引の罪でバドを逮捕した。仮出所したバドを呼びだしたゲッコーは彼を殴りつけた。だが、その時に怒りにまかせて話した言葉をバドはテープに録音していた。それはゲッコーがインサイダー取引で逮捕されるに充分な証拠だった。元気になった父とバドは会った。バドは罪をつぐなうため検事局の階段を昇っていった。
ウォール街 スタッフ
監督:オリバー・ストーン
脚本:スタンリー・ワイザー,オリバー・ストーン
製作:エドワード・R・プレスマン
音楽:スチュワート・コープランド
主題歌:フランク・シナトラ『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:クレア・シンプソン
配給:20世紀フォックス
ウォール街 キャスト
ゴードン・ゲッコー:マイケル・ダグラス
GEKKO & CO.(ゲッコー商会)の経営者であり第一級の美術品収集家である。誕生日は5月6日、推定年齢は40歳代と思われる。貧しい生活から抜け出すために人一倍の野心を持って仕事に励み、不動産投資をきっかけに大金を掴み成り上がったが、最後はインサイダー取引で逮捕される。キューバ産の葉巻きたばこを好む。実在の投資家アイヴァン・ボウスキーがモデルとされる。本作と次作で吐いた「Greed is good.(強欲は善だ)」「Money never sleeps.(金は眠らんぞ)」「君の質問には3語で十分、Buy my book(ウチは買いだ)」は名台詞として知られる(特に「強欲は―」は「アメリカ映画の名セリフベスト100」で第57位に入った)。
バド・フォックス:チャーリー・シーン
ジャクソン・スタイナム社に勤める証券マン。ニューヨーク州立大学卒。年収は税込みで約5万ドルで、ニューヨークの高い税率(年収の4割)、家賃(年1万5千ドル)、自動車ローンなどに苦しんでいるため就職後もなお父親に頻繁に借金をしている。
ダリアン・テイラー:ダリル・ハンナ
インテリアコーディネーターでゴードンの愛人。バドに一目惚れされ同棲を始めるが、バドがゴードン・ゲッコーに反旗を翻したため袂を分かつ。
カール・フォックス:マーティン・シーン
バドの父親(チャーリー・シーンの実父でもあるため親子での共演である)でブルースター・エアラインの飛行機整備工。年収は4万7千ドルで労働組合活動に熱心である(アメリカは日本と異なり、産業別組合が非常な力を持つ)。物質的な豊かさを追い求める息子に対し、「金は厄介だ、生きていく分だけあればいい」と保守的な態度を取る。
リンチ:ジェームズ・カレン
マーヴィン:ジョン・C・マッギンリー
ルー・マンハイム:ハル・ホルブルック
ラリー・ワイルドマン:テレンス・スタンプ
ロジャー・バーンズ:ジェームズ・スペイダー
ケイト・ゲッコー:ショーン・ヤング
ハロルド・ソルト:ソウル・ルビネック
クロムウェル:リチャード・ダイサート
ダン:フランクリン・カヴァー
チャッキー:チャック・ファイファー
ドロレス:シルヴィア・マイルズ
ナタリー:レスリー・ライルズ
オリー:ジョシュ・モステル
ドミニク:ジョン・カポダイス
ストーン・リヴィングストン:ポール・ギルフォイル
ダンカン・ウィルモア:ウィリアム・G・ナイト
トレーダーオフィスの社員:オリヴァー・ストーン