狼の挽歌(おおかみのばんか)は、1970年公開のイタリア映画。一匹狼の殺し屋が裏切られた女への激情と、姿なき敵に不敵な戦意を燃やすアクション作品。セルジオ・ソリーマ監督、チャールズ・ブロンソン主演の犯罪アクション映画。音楽はエンニオ・モリコーネ。
狼の挽歌 映画批評・評価・考察
狼の挽歌(原題:Città violenta、英題:Violent City、米題:The Family)
脚本:35点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:10点
合計90点
チャールズ・ブロソンの代表作の一つで、中でも多くのファンのいる映画になります。当時、画期的ともいえるカー・アクションなども見所になっています。最近の派手に仕上げる映像ではなく、職人技ともいえる撮影技術による迫力なのでリアリティを感じるものになります。
狼の挽歌 あらすじ(ネタバレ)
フロリダ南方の灼熱の島バハマ。一匹狼の殺し屋ジェフ(C・ブロンンン)は愛人バネッサ(J・アイアランド)とドライブ中、何者かに追跡されて町の一角に追いつめられた。そして、その前に有名なレーサーの車が立ちふさがり、車から弾丸が発射され、ジェフの肩を打ち抜いた。乱射戦となり、ジェフは三人を射ち殺す。ジェフは殺人容疑で裁判ざたとなったが、弁護人スチーブ(U・オルシーニ)の努力で正当防衛が認められ釈放された。ニューオリンズに向った彼はレース場に赴き、例のレーサーの車がカーブにさしかかった時をねらってライフルの引き金を引いた。車は火だるまとなって爆発した。数日後のパーティで彼はバネッサと再会した。車のレーサーと彼女は関係があり、ジェフの存在に嫉妬して殺そうとした事が分った。翌日、マイアミに向う二人が空港に着いた時、事務員が一枚の封筒を渡した。中には、あのレース場の薮の中でライフルを持っているジェフが写っていた。昔の仲間を洗って、誰が撮ったかを調べる彼の前にウェーバー(T・サヴァラス)の手下が現われ、彼の自宅へつれていった。ウェーバーは仲間に加える為に写真を撮ったのだ。またそこにはスチーブとウェーバーの妻になっていたバネッサがいた。バネッサは怒るジェフに必死に言いわけをした。翌日、ベットにいる二人をウェーバーに殺せと命令をうけた昔の仲間が忍んできた。ジェフの方が先だった。怒った彼はウェーバーを襲い射ち殺して写真のネガを取り戻した。一方、スチーブはウェーバーが殺されたのを幸いにバネッサがジェフを愛しながらも殺し屋として恐れているのを利用し、裏切らせて警察に売り、二人でウェーバーの後ガマをと目論んだ。バネッサと約束したホテルでジェフは危機一髪、刑事の張り込みをかわした。ウェーバーの会社引き継ぎのレセプションに行くエレベーターに乗ったバネッサとスチーブにジェフの冷たい眼が光った。弾がハジけた。バネッサへも射ち込まれた。警察隊と対峙したジェフの目は穏やかだった。
狼の挽歌 スタッフ
監督:セルジオ・ソリーマ
脚本:リナ・ウェルトミューラー,セルジオ・ソリーマ,ジャンフランコ・カリガリッチ
原案:マッシモ・デ・リタ
製作:アリゴ・コロンボ,ジョルジオ・パピ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:アルド・トンティ
配給:ヘラルド
狼の挽歌 キャスト
ジェフ・ヘストン:チャールズ・ブロンソン
ウェーバー:テリー・サバラス
ヴァネッサ・シェルトン:ジル・アイアランド
スティーブ:ウンベルト・オルシーニ
キレイン:ミシェル・コンスタンタン