ユナイテッド93は、2006年公開のアメリカ合衆国の映画。2001年9月11日、ユナイテッド93便がペンシルベニア州に悲運の墜落を遂げるまでをドキュメンタリー・タッチで描く人間ドラマ。「ボーン・スプレマシー」のポール・グリーングラスが監督し、亡くなった40名の家族・友人や、航空管制官、軍関係者への膨大なインタビューに基づいて製作された。
ユナイテッド93 映画批評・評価・考察
ユナイテッド93(原題:United 93)
脚本:30点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計82点
悲劇的な結末は誰もが知っている。いや知らない人は知らないであろう、信じられなかった出来事を描いた今作。この映画の客観性は素晴らしいと思います。プロパガンダを排除し、その場に居合わせた乗客の一人になっているような錯覚さえあり、悲惨な状況を追体験する作品でした。
地上波初ではありませんが、この映画を午後のロードショーで放映するテレビ東京は、すごいな~と思います。
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ユナイテッド93 あらすじ(ネタバレ)
2001年9月11日。ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド93便」は朝の離陸ラッシュに巻き込まれ、予定時刻を30分ほど遅れて出発しようとしていた。機内には40名の乗客乗員が同乗した。最初に異常に気がついたのはボストン管制センターだった。通信が途絶えていたアメリカン11便から、「操縦室を制圧した。静かにしろ。空港に戻る」という声が聞こえてきた。ボストン発ロス行きで乗客は92名。その情報はニューヨーク州ローム北東地域防空指令センターにも伝えられ、臨戦体制がとられた。11便から傍受した通信を分析した結果、その声はハイジャックした機のことを「プレーンズ」と複数で呼んでいる。その時、ワールド・トレード・センター北棟に、アメリカン11便が激突する。続いてユナイテッド175便が通信不能となり、ワールド・トレード・センター南棟に激突。
ユナイテッド93便は穏やかなフライトを続けていた。
93便の乗客に朝食が配られるが、ジャッラーフはハイジャック開始のサインを出し渋る。エーカーズ(航空機空地データ通信システム)のメッセージにより、ダールとホーマーはワールドトレードセンター攻撃の報告を受け、操縦室侵入に対する注意を促される。ハイジャック犯たちは暴力により航空機を支配し、乗客1人を刺した後にパイロット全員とフライトアテンダント1人を殺害する。ジャッラーフが操縦を開始し、国会議事堂に突入する目的でワシントンD.C.へと旋回する。ハイジャック犯たちはワールドトレードセンター攻撃に歓喜の声を上げる。フライトアテンダントのサンドラ・ブラッドショーとシーシー・ライルズは刺された乗客を蘇生しようとするがうまく行かず、その間にブラッドショーはハイジャック犯らがパイロットの遺体を移動しているのを目撃する。
77便のペンタゴン(国防総省)突入後、連邦航空局の国内運行管理者ベン・スライニーは米国領空を封鎖しすべての航空機を着陸させる。93便の乗客は機内電話で家族からほかの攻撃について知らされる。自分たちの飛行機が兵器として使われる予定だと認識して、幾人かの乗客が航空機を奪還するために、乗員の支援を得てその場にある武器を利用してハイジャック犯に対する組織的抵抗を企てる。その中にパイロットがいることがわかり、航空機の奪還に成功したならばそのパイロットが地上からの支援を得て着陸させる計画を練る。彼らが集まっているところを目撃したハイジャック犯らは心配を募らせる。乗客の1人がハイジャック犯に取り入ろうとするが、別の乗客らに取り押さえられる。その一方で、ほかの乗客は祈ったり、愛する者へ最期の電話をかけたりしている。
相談していた乗客らが反攻に転じ、客室でハイジャック犯2人を殺害する。ジャッラーフが機体を激しく揺らして乗客らが投げ飛ばされると、彼らは配膳用カートを門を打ち破る破壊兵器のように使って操縦室内に突入しようとする。ジャッラーフが機体を急降下させるのと同時に乗客らは操縦室に突入し、2人残ったハイジャック犯と操縦桿をめぐってもみくちゃ状態で争う。機体は裏返り、シャンクスヴィルの平原に衝突し、乗客員全員が死亡する。
ユナイテッド93 スタッフ
監督:ポール・グリーングラス
脚本:ポール・グリーングラス
製作:ティム・ビーヴァン,エリック・フェルナー,ポール・グリーングラス,ロイド・レヴィン
製作総指揮:ライザ・チェイシン,デブラ・ヘイワード
音楽:ジョン・パウエル
撮影:バリー・アクロイド
編集:クレア・ダグラス,リチャード・ピアソン,クリストファー・ラウズ
製作会社:ワーキング・タイトル,スタジオカナル,SKEエンターテインメント
配給:ユニバーサル,UIP
ユナイテッド93 キャスト
ジェイソン・M・ダール機長:J・J・ジョンソン
リロイ・ホーマー副機長:ゲイリー・コモック
ロレイン・G・ベイ:ナンシー・マクダニル
サンドラ・ブラッドショー:トリッシュ・ゲイツ
ワンダ・アニタ・グリーン:スターラ・ペンフォード
シーシー・ライルズ:オパル・アラディン
デボラ・ウェルシュ:ポリー・アダムス
ズィアド・ジャッラーフ:ハリド・アブダラ
サイード・アル=ガムディー:ルイス・アルサマリ
ロバート・マール大佐:グレッグ・ヘンリー
リンダ・グロンランド:ローナ・ダラス
ジェレミー・グリック:ピーター・ハーマン
久下季哉:マサト・カモ
アフマド・アル=ナーミー:ジェイミー・ハーディング
ベン・スライニー(本人役)