追憶の森（ついおくのもり）は、2015年公開のアメリカ合衆国の映画。富士山の麓にある青木ヶ原樹海（自殺者が多いとされる森）で自殺するために日本にやってきたアメリカ人アーサーの物語である。樹海にやってきたアーサーはナカムラと名乗る男と出会う。ナカムラもまた樹海で自殺しようとしていたのである。2人の男は自己を見つめなおすための旅を始める。マシュー・マコノヒー×渡辺 謙×『グッド・ウィル・ハンティング/ 旅立ち』『ミルク』でアカデミー賞(R)監督賞にノミネートされた名匠監督:ガス・ヴァン・サントが贈る、感動のミステリー!
追憶の森 映画批評・評価・考察
追憶の森（原題: The Sea of Trees）
脚本：29点
演技・演出：18点
撮影・美術：17点
編集：8点
音響・音楽：8点
合計80点
ひさしぶりに、泣ける映画を見ました。カンヌでブーイングを浴びせられ、神道的なスピリチュアルな表現が伝わらない、理解できない人が多数いたかもしれません。しかしながら、自分自身、近親者を突然失った悲しみを知る人間からすれば、主人公と共に救済される感情が沸き起こりました。この映画は、吹替じゃなくて字幕版での視聴をお薦めします。マシュー・マコノヒーと渡辺謙との会話シーンに多くの伏線があるためオリジナル音声の方がニュアンスが伝わりやすいと思います。
追憶の森 あらすじ（ネタバレ）
物理学の非常勤教授であるアーサー・ブレナンは、密封された荷物を持って青木ヶ原（「自殺の森」）へ旅行します。そこに着くと、彼は薬物の過剰摂取で命を絶とうとするが、中村拓海という日本人男性に出会う。拓海さんは2日前に森に入り、職場で降格されたため手首を切りましたが、すぐに妻と娘がいなくなると寂しくなることに気づきました。それ以来、彼は鬱蒼とした樹海から逃げようとしましたが、戻る道が見つかりません。アーサーは助けることを決意するが、二人は方向感覚を失って道に迷ってしまう。心を集中させ続けるために、彼らはタクミの妻と娘の名前「キイロ」と「フユ」を含む、自分たちの生活についての詳細を共有します。
フラッシュバックを通して、アーサーは不動産業者である妻のジョアンと一緒に、崩壊した結婚生活を送っていたことが明らかになります。ジョーンは、アーサーが同僚のガブリエラと関係を持ち、常に夫婦としての必要性よりも自分の必要性を優先したことを恨んでいました。アーサーはジョーンのアルコール依存症を軽蔑し、彼女よりも収入が少ないジョーンを常に貶めなければならないことを嫌っていました。ある夜、ジョーンは激しい口論の後に大量の鼻血を出します。彼らは病院に行き、そこで彼女は脳腫瘍と診断されました。ジョーンとアーサーはゆっくりとお互いへの愛を再燃させます。彼女の手術後、彼らはジョアンが蘭の間を何時間も歩いて過ごした湖の家への旅行を思い出します。彼は、彼女が完全に回復したら、そこに連れて行くと言いました。
ジョアンは回復期の病院に搬送される。アーサーは電話で彼女と話しながら、車で救急車の後を追った。彼は、彼女の好きな色や季節がわからないと冗談を言いました。ジョーンが応答する前にトラックが救急車に突っ込み、ジョーンは死亡した。彼女の葬儀で、アーサーは葬儀屋に、結婚して何年も経ったにもかかわらず、彼女のことをよく知らなかったと告げる。監督は、ジョーンの姉妹の一人が、ジョーンのお気に入りの本のコピーをアーサーの家に郵送したと言っているのを聞いたと答える。
現在に戻り、アーサーとタクミは森から脱出しようと奮闘する。彼らは、一晩の転倒、鉄砲水、脱水症状、低体温症に耐えます。途中で、彼らは命を終わらせることに成功した他の人々の遺体に遭遇します。彼らは緊急物資を持ってきた死体とともにテントに避難する。キャンプファイヤーのそばに座っているアーサーは、タクミに、自分とジョアンの互いの扱いに罪悪感があるため、森にいると告げる。
翌朝、アーサーは病気のタクミをテントのそばに残し、助けを求めようとする。彼はタクミに戻ってくると約束します。アーサーは、亡くなったキャンピングカーのトランシーバーを使い、公園のレンジャーと連絡を取る。彼は助けようとしますが、タクミがまだ森にいるということを彼らに伝えるには弱すぎます。
12日後、アーサーは釈放される前に病院の精神科医による診察を受けている。彼の計画は、森に戻ってタクミを見つけることです。精神科医は、レンジャーが彼が話したテントを見つけたが、そこには誰もいなかったと彼に知らせました。彼女はまた、タクミが言及した名前の妻と娘を持つ中村タクミという名前の人は存在せず、公園の入り口のカメラにはアーサーが森に入っていく様子が映っているだけだと主張している。
森に戻ったアーサーは、タクミを初めて見つけたときに残していった未開封の包みを見つけます。アーサーはタクミを暖めるために使用していたテントとコートを見つけますが、タクミの場所に美しい蘭を見つけます。彼はタクミがこの森を一種の煉獄、つまり最も暗い瞬間に愛する人の魂が最も近くにある場所だと説明したことを覚えています。彼はジョアンのお気に入りの本、 「ヘンゼルとグレーテル」のコピーが入ったパッケージを開けました。アーサーはタクミがジョーンの魂であり、彼の罪悪感を癒すのを手伝っていることに気づきました。
アーサーはアメリカに戻り、蘭を持ち帰ります。オフィスアワー中に、アーサーの生徒エリックは、タクミの妻と娘の名前が名前ではなく、「黄色」と「冬」を意味する言葉であることを明らかにします。アーサーは、妻と最後に交わした、彼女の好きな色や季節についての会話を思い出します。彼は湖の家に行き、ジョアンの庭に蘭を植えます。
追憶の森 スタッフ
監督：ガス・ヴァン・サント
脚本：クリス・スパーリング
製作：ギル・ネッター,ケン・カオ,クリス・スパーリング,F・ゲイリー・グレイ,ケヴィン・ハロラン,ブライアン・ドビンズ
音楽：メイソン・ベイツ
撮影：キャスパー・タクセン
編集：ピエトロ・スカリア
製作会社：ギル・ネッター・プロダクションズ,ウェイポイント・エンターテインメント
配給：A24,東宝東和
追憶の森 キャスト
アーサー・ブレナン – マシュー・マコノヒー
タクミ・ナカムラ – 渡辺謙
ジョーン・ブレナン – ナオミ・ワッツ
ガブリエラ・ラフォルテ – ケイティ・アセルトン
エリック – ジョーダン・ガヴァリス
Dr.タカハシ – ジェームズ・サイトウ
俳優 – オーウェン・バーク
キャビンアテンダント – 玄理
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