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ミスト|ある町を覆った濃い霧の中から現われたものは……。原作と異なる結末は賛否両論を呼んだが、キング自身は絶賛した衝撃のラスト!

映画 ミスト
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ミストは、スティーヴン・キングの1980年の中編小説『霧』を原作とした、2007年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。深い霧に包まれた街で巻き起こる怪異と、徐々に秩序を失う人々が描かれる。「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」と、キングの小説をヒューマンドラマ要素を強めて映画化してきたダラボン監督が、今回はよりホラー性が高い傑作中編「霧」の映画化に挑戦。霧の中から次々と現われるモンスターたちの不気味な外見や残忍な暴れぶりも怖いのだが、ダラボン監督は、非常事態の中で常軌を逸していく人間たちの狂気こそがより恐ろしいものだと描いてみせる。

ミスト 映画批評・評価・考察


ミスト(原題:The Mist)

脚本:35点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計82点

ラストが鬱になると評判の映画として人気?の今作品、確かにラストには戦慄が走る。監督のフランク・ダラボンはこの映画を撮るために、「ショーシャンクの空に」と「グリーンマイル」をヒットさせ念願の今作を撮った。前作の2つは感動作として名高いものの、この作品は真逆の気分で見終わる。そこだけに目が行ってしまうが、別の見どころは、悪魔とも怪獣ともみれるような大型生物が人々を襲ってくること。作中の会話で分かったのは、軍隊の実験で異次元の扉が開いてしまい、未知の生物が現れた。SFならではのとんでも世界は、全体像が見えない事から想像を掻き立てられ、恐怖に怯える人々と同じような気持ちで観客は事態をただただ見守る状況に陥ってしまう。

何が正しくて何が間違いなのか?情報があまりのも無い状況に陥った時の判断と行動を考えさせられる作品でもあった。なんだかウォーキング・デッドに繋がるところありますね~。(複数の脇役キャストがこの映画の後にウォーキング・デッドに主要キャラで出演)

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ミスト あらすじ(ネタバレ)

激しい嵐が町を襲った翌朝、湖の畔に住むデヴィッドは自宅の窓やボート小屋が壊れているのを見つける。デヴィッドは補強品などの買い出しのため、8歳の息子ビリーと隣人ブレント・ノートンと共に車で地元のスーパーマーケットへ向かう。店は賑わっていたが、嵐の影響で冷蔵庫以外は停電していた。

すると店外でパトカーや救急車が走り回りサイレンが鳴り始め、さらに鼻血を流したダン・ミラーが店内へ逃げ込んで来て「霧の中に何かがいる」と叫び出す。瞬く間に辺り一面は白い濃霧に包まれ、店は大きな揺れに襲われる。不安に駆られた客たちは、店内へ閉じこもる。

店外に出た人々は次々と、霧の中に潜む「何か」に襲撃されるか行方不明となっていく。夜になると、巨大化した虫のような異次元の怪物が店内に侵入し、犠牲者が続出。店内の人々は、この異常な状況を「新約聖書のヨハネの黙示録」と結びつける狂信者・カーモディが発する言動に徐々にすがるようになっていく。

エスカレートするカーモディとその信者たちの行為を恐れたデヴィッドと一部の生存者たちは、物資をかき集めて店外への脱出を計画する。犠牲者を出しながらもデヴィッドら5人は車に乗り込むが、どれだけ走っても怪物の気配と濃霧は消えない。ついにガソリンも尽き、絶望に苛まれたデヴィッドたちは拳銃自殺を決意するが、5人に対し弾丸は残り4発のみ。デヴィッドは他の4人に弾丸を使い、自らは車外に身体を晒し、怪物に殺される決心をする。

その後怪物が現れたと思い死を覚悟するも霧が晴れていき、そこから軍の戦車と兵士が現れる。絶望するデヴィッドの横を生存者をのせたトラックが通りすぎていく。そこには、自分達が置いてきたスーパーの生き残り達の姿が。悔しさ、そして悲しみのあまり膝をつき泣き崩れるデヴィッド。

そうして物語は幕を閉じる。

ミスト スタッフ

監督:フランク・ダラボン
脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング『霧』
製作:フランク・ダラボン,リズ・グロッツァー
製作総指揮:リチャード・サパースタイン,ボブ・ワインスタイン,ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽:マーク・アイシャム
撮影:ロン・シュミット
編集:ハンター・M・ヴィア
製作会社:ディメンション・フィルムズ,ダークウッド・プロダクションズ

ミスト キャスト

デヴィッド・ドレイトン:トーマス・ジェーン
主人公の画家。息子ビリーとスーパーマーケットに買い物に行った際に怪物たちの襲撃に巻き込まれてしまう。
ビリー・ドレイトン:ネイサン・ギャンブル
デヴィッドの息子。8歳。

ステファニー・ドレイトン:ケリー・リンツ
デヴィッドの妻でビリーの母。家で留守番をしている。しかし、そこまできていた生物により殺害される。

アマンダ・ダンフリー:ローリー・ホールデン
最近町に越してきた新任の女教師。ドレイトン家とも顔馴染みでビリーの面倒を見てくれている。婚約者から自衛用に拳銃を渡されているが弾は込めていない。

ミセス・カーモディ:マーシャ・ゲイ・ハーデン
狂信的なキリスト教信者の中年女性。極端な言動ゆえ、当初は客たちから避けられていたが、状況の混乱に相応して徐々に信者を増やしていく。

ブレント・ノートン:アンドレ・ブラウアー
ドレイトン家の隣に住む著名な弁護士。妻帯者。過去にデヴィッドと境界線についてのトラブルを起こした。 デヴィッドたちが外にいる謎の生物の話をするも一向に信じようとしない。何人か仲間を連れて外へ助けを呼びに出て行ってしまう。

オリー・ウィークス:トビー・ジョーンズ
スーパーマーケットの副店長。特技は射撃。デヴィッドの話をよく理解してくれる。

ダン・ミラー:ジェフリー・デマン
序盤に霧の中にいる何かに襲われ、鼻血を出しながらスーパーに逃げてきた年配の男性。多くの人間がミセス・カーモディに洗脳される中、デヴィッド側に同調した考えを持つ。

アイリーン・レプラー:フランシス・スターンハーゲン
ビリーが通う小学校で教師をしている白髪の老女。同じくデヴィッドらに同調。

ジム・グロンディン:ウィリアム・サドラー
機械工の作業員。ミセス・カーモディの信者になっていく。

マイロン:デイビット・ジェンセン
機械工の作業員でジムの同僚。デヴィッドたちとシャッターを確認しに行った一人。

家に子供を残してきた女性:メリッサ・マクブライド
店が霧に覆われた直後、二人の子供が待つ自宅まで車で送ってくれる人を探すが誰も呼応せず、皆が止めるなか一人で店を出て行く。

ウェイン・ジェサップ:サム・ウィットワー
休暇中の軍人。階級は二等兵。サリーとは恋仲。

サリー:アレクサ・ダヴァロス
スーパーの若い女店員。ジェサップとは恋仲。

ノーム:クリス・オーウェン
スーパーの若い店員。デヴィッドの言葉を聞かずに、外の機械を調べにシャッターを開けてしまい、生物の触手に捕まり霧の中に引きずり込まれる。

バド・ブラウン:ロバート・C・トレバイラー
スーパーマーケットの店長。デヴィッドから怪物の話を聞いた時は嘲笑っていたが、切り落とした触手の先を見て事態を把握。

バイカー:ブライアン・リビー
バンダナを巻いた初老男性。ノートンが外へ出るタイミングでアンブローズの車に置いてある銃を取りに出て行く。

MP:アミン・ジョセフ
軍の憲兵。

アンブローズ・コーネル:バック・テイラー
髭が特徴的な老男。

モラールズ:ホアン・ガブリエル・パレハ
ジョー・イーグルトン:ジャクソン・ハースト
ミスター・マッキー:ロン・クリントン・スミス
マイク・ハトレン:アンディ・スタール
サイラス:マシュー・グリア
怯えた女性:キム・ウォール
絶叫する女性:ドディー・ブラウン
道路の男:ソニー・フランクス
神父:フリオ・セディーヨ
女性1:ジニー・ランドール
女性2:ティファニー・モーガン

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