ロスト・ワールド/ジュラシック・パークは、1997年公開のアメリカ合衆国の映画。現代に甦った恐竜と人間たちの戦いを描く冒険SF映画。歴代興収記録第1位の記録を打ち立てた「ジュラシック・パーク」(1993)の続編。CGI技術の発達で前作を上回るリアルさとスピード感、さらに数も大幅に増えた恐竜たちの表現と迫力が見もの。ショック演出は前作以上。前作同様、マイケル・クライトンの小説『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』を、スティーヴン・スピルバーグ監督で映画化。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 映画批評・評価・考察
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(原題:The Lost World: Jurassic Park)
脚本:31点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計82点
前作よりパニック・ホラー映画要素を強く出した作品になるかと思いますが、ジェフ・ゴールドブラムが演じるイアンは好きなんですが、ニック(ヴィンス・ヴォーン)とサラ(ジュリアン・ムーア)のキャラクターの行動に賛同が全くできず、彼らの行為で多くの人が犠牲になります。それなのに反省することもない。また糾弾されもしない。せめて皮肉を言うキャラクターであるイアンにツッコミを入れさせて欲しかったです。T-REXが都会に上陸することについては、それは結局のところゴジラになっちゃうわけで。。。(スピルバーグはゴジラファン)やりたくなる気持ちは分かる。
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ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク あらすじ(ネタバレ)
前作の悲劇から4年。ある日、インジェン社の会長ハモンド(リチャード・アッテンボロー)に呼び出されたイアン(ジェフ・ゴールドブラム)は、ある秘密を明かされた。実は「サイトA」である「ジュラシック・パーク」に恐竜たちを供給する遺伝子工場の「サイトB」がイスナ・ソルナ島に置かれていたというのだ。閉鎖され、放置された島では人知れず恐竜たちが生き延びて繁殖しているという。
ハモンドはマルカムに島の調査を依頼され、ビデオ・ドキュメンタリー作家のニック(ヴィンス・ヴォーン)、フィールド用装備の専門家エディ(リチャード・シフ)と共に現地に向かったが、イアンの娘ケリー(ヴァネッサ・リー・チェスター)もトレーラーに潜り込んでいた。島には既にイアンの恋人で古生物学者のサラ(ジュリアン・ムーア)が入っており、合流した5人は恐竜たちが闊歩する世界に夢中になる。だが、突如ヘリコプターの大部隊が島に飛来し、次々と車や機材を降ろし始めた。ハモンドの甥で、今やインジェン社の会長となったルドロー(アーリス・ハワード)が、会社の起死回生の策として、ジュラシック・パークの再生をもくろんでいたのだ。
ルドロー一行は島に降り立つと、ハンターのテンボ(ピート・ポスルスウェイト)を先頭に次々と恐竜たちを狩り、捕獲していった。テンボはティラノサウルスの巣を見つけると、赤ん坊を連れ出して親をおびき出す囮にした。その夜、ニックたちはルドローのキャンプに忍び込むと恐竜たちを檻から解き放つ。怒り狂い、暴れまわる恐竜たちに、キャンプはパニックとなって壊滅。サラとニックは傷ついた子供のティラノサウルスをトレーラーに運び込んで治療したが、怒り狂った両親がトレーラーを襲った。トレーラーは崖から宙吊りになり、エディが必死に救出するが、ティラノサウルスに食われてしまった。残りの4人は何とか脱出に成功。
イアンたちは、島の本部地区の通信センターを目指すハンターたちと行動を共にする。途中、ハンターの一員ディーター(ピーター・ストーメア)が小さいが凶暴なコンプソグナトスの犠牲になった。その夜、川辺でキャンプした一行をティラノサウルスが襲撃してきた。そこから逃れたハンターたちも、草原を横切る際に敏捷なヴェロキラプトルの餌食となった。本部センターにたどり着いたイアンらは無線を復活させ、救援を要請。レスキュー隊のヘリコプターが到着したが、ルドローはティラノサウルスを捕獲して貨物船に積み込むと連れ去ってしまう。
だが、輸送途中で麻酔の切れたティラノサウルスは、サンディエゴに上陸するや大暴れ、街は阿鼻叫喚の地獄図に。イアンとサラは郊外のジュラシック・パークに保護されている恐竜の赤ん坊を連れ出し、親を貨物船におびき寄せる。無事、船に閉じ込めることに成功するが、ルドローは食われてしまった。ティラノサウルスは島に送り返され、島は人間の手が触れないよう保護されることになった。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク スタッフ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:デビッド・コープ
原作:マイケル・クライトン『ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-』
製作:コリン・ウィルソン,ジェラルド・R・モーレン
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
美術:リック・カーター
特殊効果:スタン・ウィンストン
SFX:インダストリアル・ライト&マジック
編集:マイケル・カーン
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ,UIP
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク キャスト
イアン・マルコム:ジェフ・ゴールドブラム
本作の主人公である恐竜調査隊の一員。登場人物の中で一番の良識人。数学者(カオス理論学者)。4年前のジュラシック・パーク事件の当事者の一人。小説版では自身の理論の研究のために島を訪れるが、今作では恐竜に対して強い恐怖心を抱き続けており、前作のような陽気な性格は影を潜めている。恐竜愛護のために突っ走るサラや、反抗期のケリーの行動に振り回されるなど今作では苦労も多い。ハモンドによって、恐竜の生態調査チームに勧誘される。当初は拒否したものの、サラが参加していることを知り「調査隊ではなく救助隊だ」と称し、サラを連れ帰ることを目的に再び恐竜達の世界へと足を踏み入れる。前作のように服装を黒で統一するなどのお洒落なこだわりがなくなり、陽気で皮肉屋としての性格も影を潜めている。以前の体験から恐竜に対して強い恐怖心を抱いているが、サラやケリーを守る為にヴェロキラプトルに立ち向かったり自ら囮になる等、前作以上に勇敢な行動を見せている。ティラノサウルスがサンディエゴに現れてからはサラと協力し、サイトBに送り返すことに成功した。次作目の『ジュラシックパーク3』では名前のみ登場。5作目の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』にも登場し、審問会でジュラシック・ワールド事件に対する意見陳述を行った。
サラ・ハーディング:ジュリアン・ムーア
恐竜調査隊の一員。イアンの恋人で古生物学者。イアン達より先に、一人でサイトBを訪れていた。向こう見ずな性格で、恐竜に対しても大胆な行動を見せるが、それが原因でステゴサウルスに襲われるなど危険な目に遭うことも多い。恐竜愛護主義であり、ニックと一緒にハンター達のキャンプに侵入して捕獲されていた恐竜を檻から逃がしたことで、結果的にハンター達のキャンプを壊滅状態に陥らせた。負傷したティラノサウルスの仔を見つけて連れ帰りトレーラーで治療するが、これもまた設備・車両の破壊やエディの死を招いている。また、ティラノサウルスが優れた嗅覚を持っていることを知っていながら、自身の衣服にティラノサウルスの仔の血液が付着していることを放置したため、休憩地点にティラノサウルスの親を呼び寄せてしまい、大勢のハンターたちを死に追いやる要因を作った。当初、マルカム博士やオーウェンらと共にハンター団とは反目し合っていたが、服にヘビが入ってパニックになりティラノサウルスのいる方に走っていって捕食されたバークを制止するなど、ハンター団とは行動を共にする内にお互い仲間意識を抱くようになった。恐竜の捕獲には一貫して反対しており、サンディエゴに現れたティラノサウルスを送り返すために尽力する。最終的にはティラノサウルスに麻酔銃を撃ち込み、サイトBへ送り返すことに成功した。
ピーター・ルドロー:アーリス・ハワード
ハモンドの甥。ハモンドに代わってインジェン社の社長になった。会社を立て直すためアメリカ本土(サンディエゴ)にジュラシック・パークの再建を計画、腕利きのハンター達を雇ってサイトBを訪れる。ハモンドとは対照的に、恐竜をビジネスの道具としか思っていない。その性格から雇っているハンター達からの信頼も皆無である。貨物船でティラノサウルスの親に重傷を負わされた後、子供の狩りの練習相手にされるという因果応報の最期を迎えた。死亡したと思われていたが、映画とはパラレルワールドの続編である9年後を描いたコミック作品『ジュラシック・パーク/リデンプション』にも登場している。インジェン社の従業員達によって奇跡的に助けられたルドローだが、後遺症で車椅子に乗り、顔中傷跡だらけの醜い姿になっていた。復讐のために故ハモンドの名誉を傷つけ、大人に成長したハモンドの孫ティムとレックスが計画していた新しいジュラシック・パーク建設を失敗させようと企んでいた。
ジョン・ハモンド:リチャード・アッテンボロー
かつてジュラシック・パークを建設した実業家。インジェン社の社長職を甥のルドローら重役陣によって解任され、一線を退いている。恐竜たちの野生のままの生態を研究することで過去の償いと名誉回復を画策し、ルドローたちが到着する前にサイトBへ調査隊を緊急派遣する。ラストでは、恐竜には人間の手は必要ないと思い直し、島の保護を訴えている。
エディー・カー:リチャード・シフ
恐竜調査隊の一員。精密機械のエキスパート。かつては学生からも独特の評判を集める大学教授だったが、物作りの現場に身を置きたいと考え転身した経歴を持つ。劇中に登場する調査隊の車両や装備は彼の設計によるもの。映画版では、サラを撃退しようと襲い掛かるステゴサウルスに対し毒殺用の銃を向けたものの、「(彼らは)子供を守ろうとしてるだけだ」と撃つことをためらっていた。ティラノサウルスにトレーラーごと崖から落とされたイアン達を命がけで救出しようとするが、再び現れたティラノサウルスに襲われ、体を二つに食いちぎられ上半身はオスのティラノサウルスに食われ、下半身はメスのティラノサウルスにお土産として持ち帰られてジュニアに与えられ人間の味を覚えたジュニアはルドローを襲った。後にイアンはエディを「命を投げ出して自分達を救ってくれた」と感謝し、その死を嘆いた。
ニック・ヴァン・オーエン:ヴィンス・ヴォーン
恐竜調査隊の一員。表向きは恐竜の記録撮影を行うカメラマンとして参加していたが、実際は恐竜の捕獲を妨害する目的でハモンドから雇われていた。過去に女性メンバーが多いので女漁り目的でグリーンピースに所属していたとマルコムに語る。また、「アースファースト」(日本語吹き替えでは「地球救済会」に差し替え)に所属していた経験を持つなど急進的な自然保護運動家。だが、サラと共に捕獲されていた恐竜を檻から逃がしてハンター達のキャンプを壊滅状態にさせる、ティラノサウルスの仔をトレーラーに連れ帰ってティラノサウルスの親の襲撃を招く、ローランドの大型猟銃から弾薬を抜き取るなど、結果として危機を招く行動が多い。サラとニックがティラノサウルスの仔の治療を優先したためにエディが犠牲になり、前述のキャンプを壊滅させた行動でハンター側も逃亡中に多数の死傷者を出しており、サラと同じく多くの人命が失われるきっかけを作ってしまう。
ケリー・カーティス:ヴァネッサ・リー・チェスター
イアンの娘。体操部に所属しており、鉄棒(種目は段違い平行棒)が得意。イアンから止められたにもかかわらずこっそり隠れてサイトBについて来たが、すぐにそのことを後悔する。ヴェロキラプトルに追われた際に、鉄棒の技術を利用して撃退している。母親は既にマルコムと離婚しており登場しないので詳細は不明だが、ケリー本人は黒人で、ニックからは「似ていない親子」と評されている。
ローランド・テンボ:ピート・ポスルスウェイト
ルドローに雇われた恐竜ハンター団の隊長。「史上最強の猛獣」を狩る事だけを目的にハンターに加わり、ティラノサウルスの雄竜狩りに情熱を燃やす。ニック曰く「“白鯨”(メルヴィルの海洋小説)のエイハヴ船長のような」人物。一見すると冷徹かつ無愛想な男だが、服が血まみれのサラを気遣ったり、ディーターの失踪をケリーに言わないようにとサラに口止めするなど、女性や子どもに対するさりげない優しさを見せる描写がある(未公開シーンでは、ケニアのビアガーデンで黒人女性店員に性的に絡もうとしてる白人の不良男性に決闘を申し込み、なす術もなくこてんぱんにしている)。野営地を襲撃してきたティラノサウルスの雄に麻酔銃を撃ち込み捕獲に成功するが、仲間のハンターたちを連れてその場を避難した相棒のアージェイは草地でヴェロキラプトルの群れに襲撃されて死亡した。ディーターや大勢のハンター仲間たち、さらに相棒のアージェイまで失って傷心したローランドはルドローからの雇用の誘いを断り、「これ以上仲間を失いたくない」と言い残してルドローと袂を分かち、ヘリコプターで島を去った。演じるピート・ポスルスウェイトはスピルバーグから高く評価されており、次作『アミスタッド』でも起用している。
ディーター・スターク:ピーター・ストーメア
ルドローに雇われた恐竜ハンター団の一員。ローランドから副隊長を任せられる優秀なハンターだが、スタンガンでコンプソグナトゥスをいたぶるなど冷酷な人物。用を足す為にグループから離れ、道に迷ってしまう。迷走するうちに武器や装備も失い、皮肉にも馬鹿にしていたコンプソグナトゥスの群れに襲われて死亡。遺体はローランド達に発見されたが、無残に食いちぎられていた。
アージェイ・シドゥ:ハーヴェイ・ジェイソン
ルドローに雇われた恐竜ハンター団の一員。ローランドとは旧知の仲。サイトBでは彼の相棒として行動している。サラの服についていたティラノサウルスの仔の血の匂いを追ってきたティラノサウルスがキャンプを襲った際、仲間のハンターたちを連れて避難中にヴェロキラプトルの群れに襲われて仲間たちと共に死亡。アージェイの死は直接的には描かれなかったが、アージェイのリュックをニックが発見したことでアージェイが死んだことが暗に示されている。アージェイの死を知ったローランドは後悔のあまり傷心し、ルドローと袂を分かった。
ロバート・バーク:トーマス・F・ダフィ
カーター:トーマス・ロサレスJr.
ポール・ボーマン:ロビン・サックス
デアドラ・ボーマン:シド・ストリットメーター
キャシー・ボウマン:カミーラ・ベル
執事:イアン・アグロンビー
カルロス:ジェノ・シルバ
インジェン社の警備員:クリストファー・カソ
インジェン社の社員:ビリー・ブラウン