長い灰色の線は、1955年公開のアメリカ合衆国の映画。 ニューヨーク州ウェストポイントにある陸軍士官学校の教官だったマーティン(マーティ)・マーの自伝を映画化した作品である。陸軍士官学校の名教官として生き抜いた男の半生を描く、巨匠ジョン・フォード監督が贈る感動作!
長い灰色の線 映画批評・評価・考察
長い灰色の線(原題:The Long Gray Line)
脚本:37点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計87点
巨匠ジョン・フォード監督の感動のドラマ。陸軍士官学校で体育教官を50年間勤めてきたマーティ・マー軍曹は、退職の勧告に納得がいかず、旧友である大統領に撤回を頼みに行く。大統領に面会したマーティは涙と喜びにあふれた半生を振り返る…。マーティを演じるのはタイロン・パワー。妻のメアリーをモーリン・オハラが演じ、フォード作品常連の名優が共演。フォード監督ならではのユーモアと情感あふれる演出が魅力的な傑作。
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長い灰色の線 あらすじ(ネタバレ)
ウェスト・ポイントの体育助教として50年間勤めて来たマーティ ・マー軍曹(タイロン・パワー)は、辞職命令に不服で、その撤回を旧友の大統領のところへ頼みに行き、昔の思い出話をする。
――1903年、アイルランドからやって来たマーティ青年は、ウェスト・ポイントの給仕に雇われたが、失敗ばかりしていた。やがて、兵に志願してウェスト・ポイント勤務隊に配属され、体育主任ハーマン・ケーラー大尉に見出されて体育助教となった。そしてケーラー家の女中のアイルランド娘メアリー・オドンネル(モーリン・オハラ)と結婚した。マーティはいずれアイルランドへ帰るつもりだったが、次第にウェスト・ポイントに愛着を感じて行った。
妻メアリーはマーティには内密に、彼の父と弟をアイルランドから呼び寄せた。弟がニューヨークで成功し一緒に仕事をしようと誘われたときも、やがて生れる子供をウェスト・ポイントに入学させたいと思って断った。男子が生れた。しかし、候補生たちが祝福してくれたのも束の間、その子は不幸にも死んだ。自棄になったマーティは酒に溺れたが、候補生たちの温かい忠告に自己をとり戻すことが出来た。
レッド・サンドストロムという候補生が成績不良に悩んでいたのを、やさしく慰めて、学校の先生をしているキティ・カーター(ベッツィ・パーマー)を相談相手に与えてやった。この間にもウェスト・ポイントからはマックアーサー、スティルウェル、ブラッドリー、ストライトマイア、ウェンライト、ヴァンフリート、アイゼンハウアなどが卒業して行った。
第一次大戦が始まった。レッドは優秀な成績で卒業し、キティと結婚したのち出征した。大戦は勝利に終わったが、レッドは戦死し、キティは幼児を抱えて未亡人となった。レッド・ジュニア(ロバート・フランシス)はマーティ夫妻の庇護の下に成長し、1938年ウェスト・ポイントに入学した。だが、卒業間際女性とのことで間違いを起こし、自省ののち自ら退学して折からの第二次大戦に一兵卒として参加した。メアリーは安らかに生涯を終えた。残されたマーティは淋しかったが、彼の周りにはいつも若い候補生たちがいた。それが彼の生き甲斐だった。
――マーティの話は終わった。大統領はドットスン中将(フィル・ケイリー)に善処を依頼した。中将とマーティがウェスト・ポイントへ帰ると、マーティを待っていたのは彼へはなむけのウェスト・ポイント全員の大分列式だった。思い出深い行進曲を胸にかみしめながら、マーティ老軍曹は感動の涙を拭うのだった。
長い灰色の線 スタッフ
監督:ジョン・フォード
脚本:エドワード・ホープ
原作:マーティ・マー,ナルディ・リーダー・カンピオン『Bringing Up the Brass』
製作:ロバート・アーサー
ナレーター:タイロン・パワー
音楽:ジョージ・ダニング,モリス・W・ストロフ(監修)
撮影:チャールズ・ロートン・ジュニア,チャールズ・ラング
編集:ウィリアム・ライオン
製作会社:コロンビア ピクチャーズ
配給:コロンビア映画
長い灰色の線 キャスト
マーティ・マー(陸軍士官学校教官):タイロン・パワー
メアリー・オドンネル(マーティの妻):モーリン・オハラ
キティ・カーター(ジェームズの母、戦争未亡人の教師):ベッツィ・パーマー
ハーマン・キーラー(マーティの上官):ワード・ボンド
マーティ・マー・シニア(マーティの父):ドナルド・クリスプ
ジェームズ・N・サンドストローム・ジュニア:ロバート・フランシス
チャック/チャールズ・ドットソン(マーティの教え子、アメフトを諦めて学業に専念):フィル・ケイリー
レッド/ジェームズ・ニルソン・サンドストローム(マーティの教え子でキティの夫、第一次世界大戦で戦死):ウィリアム・レスリー
ドワイト・D・アイゼンハワー:ハリー・ケリー・ジュニア
チェルブ/アブナー・オーバートン:パトリック・ウェイン
ディニー・マーハー:ショーン・マクローリー
ルドルフ・ハインツ(マーティのライバル):ピーター・グレイブス
ジョン・パーシング(第一次世界大戦時の将軍):ミルバーン・ストーン
キーラー婦人:エリン・オブライエン=ムーア
マイク・シャノン:ウォルター・エーラーズ
トーマス:ウィリス・ボーシェイ
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