ザ・ワイルドは、1997年公開のアメリカ合衆国の映画。極限状況下におかれた男たちのサバイバルを、サスペンスを織り交ぜ荘厳な自然の風景の中で力強く描いたアクション。
ザ・ワイルド 映画批評・評価・考察
ザ・ワイルド(原題: The Edge)
脚本:29点
演技・演出:17点
撮影・美術:19点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点
極寒のアラスカを舞台に、自然の猛威と闘うことになった極限状況の人間の姿を描く、ワイルドな一作なのはもちろん、極限状況で浮気がバレるという新しいシチュエーションを作り出したサスペンス・アクション。この映画のワンシチュエーションに過ぎないはずの熊との遭遇と格闘があまりにも壮絶かつリアルで映画そのものを喰ってしまった感じもします。まさに見所です!
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ザ・ワイルド あらすじ(ネタバレ)
大富豪のチャールズ(アンソニー・ホプキンス)は仲間たちとアラスカ旅行に出掛けた。ファッションモデルをしている若く美しい妻ミッキー(エル・マクファーソン)は仕事も兼ねてカメラマンのロバート(アレック・ボールドウィン)も同行させる。現地の老人スタイルズ(L・Q・ジョーンズ)の山小屋で荘厳な自然の美しさを満喫する一行。スタイルズの友人のインディアンの写真を見たロバートはぜひとも彼をモデルに使いたくなり、インディアンの住む山小屋まで行かないかとチャールズを誘った。
ところが彼らを乗せた水上飛行機は渡り鳥の群れに突っ込み墜落、チャールズ、ロバート、カメラ助手のスティーヴ(ハロルド・ペリノー)はなんとか助かったもののパイロットと機体は湖に沈んでしまった。チャールズの博学と冷静な判断を頼りに3人は焚き火をして暖をとりつつ山を下りていく。しかし極限状況下での協力は容易いものではない。ロバートとスティーヴはチャールズの知識に裏打ちされた落ち着きぶりに次第に反感を強めていき、チャールズもまた前からなんとなく感じていたロバートとミッキーが不倫関係にあるのではないかという疑惑が頭から離れなくなっていた。
そんな中、獰猛な熊が襲ってきた。なんとか逃げ延びた」3人だが、怪我をしたスティーヴの血の匂いを追ってきた熊は彼を喰い殺す。捜索隊のヘリコプターも彼らの頭上を通り過ぎて行き、ロバートは恐怖と絶望から半狂乱になる。そんな彼を慰めながらチャールズは黙々とサバイバルを続けるのだった。人の肉の味を覚えた熊はふたりを執拗に追いかけてくる。とうとうチャールズは熊に正面から闘いを挑むことにした。ロバートも生き残るために倒木で作った槍を手にする。激しい死闘の末、チャールズは熊を殺す。久しぶりの食料と毛皮で作った防寒具を手にして勝利の喜びを噛みしめるふたりは意気揚々と脱出行を再開した。
だがチャールズはひょんなことからロバートとミッキーの不倫の決定的な証拠を発見してしまう。彼の腕時計の裏蓋にミッキーからの愛の言葉が刻まれていたのだ。ロバートは狼狽するチャールズを殺そうとするが、熊捕り用の罠に嵌まって大怪我をする。チャールズは迷いながらもロバートを助け、一緒にカヌーで川を下っていく。ロバートは自分の行いを悔い、ミッキーが本当に愛しているのはチャールズだけだと告げる。捜索隊のヘリがふたりを発見した時、彼は息を引き取った。救出されたチャールズは彼を迎えるミッキーを何も言わずに抱きしめた。
ザ・ワイルド スタッフ
監督:リー・タマホリ
脚本:デヴィッド・マメット
製作:アート・リンソン
製作総指揮:ロイド・フィリップス
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:ドナルド・マカルパイン
編集:ニール・トラヴィス
配給:20世紀フォックス
ザ・ワイルド キャスト
チャールズ・モース:アンソニー・ホプキンス
大富豪。博識だが必要以上に勉強家な自分を病気と称している。妻に対する愛情は深く、顎で使われても気にせず、度を越したブラックジョークのドッキリを仕掛けられても怒らなかった。自信家でもありロバートに堂々と「自分をどうやって殺す?」と聞くなど肝が据わっている。飛行機が墜落した際には自分は勿論、身動きの取れなかったスティーブも助けるなどサバイバル能力にも長けている。
ロバート・グリーン:アレック・ボールドウィン
ミッキーの専属のカメラマン。実はミッキーと不倫している。不用心でミッキーになれなれしい態度をとるなどをしたことでチャールズに不倫を感づかれた。
ミッキー・モース:エル・マクファーソン
チャールズの若き妻。ファッションモデル。
スティーヴ:ハロルド・ペリノー・ジュニア
ロバートの助手。ピアノを弾ける。モデルが仕事中に風邪をひいて仕事ができなくても咎めない優しい性格。物腰が柔らかく敬語も用いていたが、あまりの極限状態に途中から口調と態度が粗野になってしまう。
スタイルズ:L・Q・ジョーンズ
オッジのオーナー。迷信に詳しい。