地球の静止する日は、1951年公開のアメリカ合衆国の映画。 宇宙平和のため地球へ警告しに来た異星人とのファースト・コンタクトというテーマや巨大ロボットのユニークなデザインなど、多くの映画作家に影響を与えた古典的SF映画。『サウンド・オブ・ミュージック』『スター・トレック』などで知られる巨匠ロバート・ワイズ監督した。1971年1月30日にテレビ朝日「土曜映画劇場」でTV放送された際の日本語タイトルは『SF地球最後の日』だった。2008年、キアヌ・リーブス主演でリメイク作品『地球が静止する日』が制作された。
地球の静止する日 映画批評・評価・考察
地球の静止する日(原題:The Day the Earth Stood Still)
1950年代はSF映画ブームが起こりましたが、「空想科学映画」は子供向けのお伽話であり、異星人は敵対するモンスターとして描かれ、スペクタクルが優先されるジャンルの映画と思われていました。その風潮の中で、ストーリーを重視して高い知性と友好的な異星人像を提示し、人類と異星人のファースト・コンタクトとそれに対する人類の動向をシミュレーション風に展開させた、本格SF映画の先駆的な作品になります。異星人「クラトゥ」とロボット「ゴート」は、1977年「未知との遭遇」が公開されるまで、友好的宇宙人の代表的な名前になっていました。しかし後年、ゴート出現シーンのスチル写真だけが取り上げられることが多く、映画の本質が見誤られていると指摘されています。
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地球の静止する日 あらすじ(ネタバレ)
ワシントン上空に奇怪な船体が現われ、着陸するとクラートゥ(マイケル・レニー)という、奇妙な服をまとい英語を喋る男が現れた。彼は他の遊星から飛来し、危害を加えるものでないと云ったが、警備兵は彼に向かって発砲した。すると船体から巨大なロボットのゴートが現われ、周囲の武器をすべて破壊しようとした。だがクラートゥはロボットをとどめた。彼は大統領秘書に、地球上の指導者たちが他の天体の征服を企画する限り、他の遊星からの攻撃を受けるから忠告したいと申し入れた。だが指導者たちは彼と同席することを拒んだ。クラートゥは姿を消した。実は彼は普通の服を着、仮名を使って宿屋に住み着いたのであった。彼は美しい戦争未亡人ヘレン(パトリシア・ニール)とその息子、それに彼女の許婚トム(ヒュー・マーロウ)と知り合った。有名な科学者バーンハート教授(サム・ジャッフェ)1人が、クラートゥの使命遂行を助けた。クラートゥは使命の重大さを認識させるため、翌日の正午に世界中の電気を止めてみせたが、彼の意図は誤解され、クラートゥを逮捕せよと命令が出された。トムはクラートゥの正体を知り、軍隊に通報した。逮捕されるとき、クラートゥは致命傷を負った。ヘレンは彼から托されたタブーの文句をゴートにきかせ、ゴートによる市の破壊は免れた。ゴートはクラートゥをとりかえし、彼は生き返った。地球の科学者会議が開かれ、一同はクラートゥの警告を受け入れた。クラートゥはヘレンらに送られて再び地球を去って行った。
地球の静止する日 スタッフ
監督:ロバート・ワイズ
脚本:エドムンド・H・ノース
原作:ハリー・ベイツ『主人への告別』
製作:ジュリアン・ブロースタイン
音楽:バーナード・ハーマン
撮影:レオ・トーヴァー
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
配給:20世紀フォックス
地球の静止する日 キャスト
クラトゥ:マイケル・レニー
ヘレン・ベンソン:パトリシア・ニール
トム・スティーブンス:ヒュー・マーロウ
バーンハート教授:サム・ジャッフェ
ボビー・ベンソン:ビリー・グレイ
バーレイ夫人:フランシス・ベイヴィア
ゴート:ロック・マーティン
ハーレイ大統領秘書官:フランク・コンロイ