悪の法則は、2013年公開のアメリカ合衆国の映画。有能な弁護士が、出来心から危険な罠に飲み込まれてゆく姿を描く。超豪華キャスト×リドリー・スコット監督が放つ、全編緊迫のクライム・サスペンス!タイトルの「counselor」は、英米法(コモン・ロー)における「法廷弁護士」を意味するが、アメリカの司法制度では法廷弁護士と事務弁護士は基本的には区分されておらず、日常語としては単に「法律顧問」の意味で用いられることが多い。
悪の法則 映画批評・評価・考察
悪の法則(原題:The Counselor)
脚本:32点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計81点
ほんの軽い出来心から悪のサイドビジネスに手を染めた有能な弁護士が、その痛烈なしっぺ返しに遭って呆然とするさまを、超豪華な顔ぶれが結集して衝撃的に綴った問題作。
当代きっての人気実力派スターたちがゴージャスに顔をそろえて各自の見せ場を遺憾なく披露するのに加え、「ノーカントリー」「ザ・ロード」の原作者としても知られる人気作家のコーマック・マッカーシーが今回、本作のために初のオリジナル脚本を執筆しています。悪がめぐりめぐって自らのもとに跳ね返ってくる因果応報のドラマを、リドリー・スコット監督が彼ならではの残酷趣味も盛り込みながら鮮烈なタッチで映像化し、刺激満点の衝撃作に仕上がっています。
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悪の法則 あらすじ
有能な弁護士である”カウンセラー”と呼ばれる男と彼の恋人のローラがベッドでいちゃついている。そのころ自動車工場では、ドラム缶に入れたコカインをバキュームカーに隠す作業が行われた後、バキュームカーはデザート・スター下水処理会社に向けて出発した。カウンセラーは、仕事と偽ってアムステルダムに行くが、実際の目的はローラのために宝石商から婚約指輪を購入するためだった。アメリカに戻ったカウンセラーは、友人の実業家ライナーと彼の愛人マルキナが所有するペントハウスのパーティに参加し、ライナーから「ボリート」という、首を締め付け切断する殺人装置について聞く。そして、以前ライナーから勧められていた麻薬ビジネスを一回限りでやることにしたカウンセラーは、ライナーの経営するレストランでローラにプロポーズし、彼女はそれを受け入れた。後日カウンセラーは、ライナーから紹介された麻薬の仲買人ウェストリーに会い、取引の利益率が4,000%であることなどを聞く。
そしてウェストリーは、取引に関わるメキシコの麻薬カルテルが、特に弁護士に対して容赦ないとカウンセラーに警告する。カウンセラーは、裁判所の任命で、公選弁護人として弁護を担当している、殺人罪により収監中のルースに面会する。そこでルースから、スピード違反で拘留されたバイカーである息子の保釈を頼まれる。保釈を約束したカウンセラーは、開店準備中のナイトクラブを訪れ、ライナーからマルキナがフェラーリとセックスした話を聞く。その後、カウンセラーによって保釈されたバイカーだったが、取引するブツを取りにいくためバイクで走行中に、ワイヤーマンが道に張ったワイヤーで首を刎ねられて殺され、ブツを隠したバキュームカーを奪われてしまう。
ウェストリーからホテルのカフェに呼び出されたカウンセラーは、保釈させたバイカーが、グリーン・ホーネットと呼ばれる組織の運び屋だったことや、彼とつながりがあったことで組織はカウンセラーがブツを盗んだと思い、カウンセラーたちを狙っていることを知らされる。ウェストリーは、スナッフフィルムの事を話し、隠れることを勧める。
悪の法則 スタッフ
監督:リドリー・スコット
脚本:コーマック・マッカーシー
製作:リドリー・スコット,ニック・ウェクスラー,ポーラ・メイ・シュワルツ,スティーヴ・シュワルツ,コーマック・マッカーシー
製作総指揮:マイケル・コスティガン,マーク・ハッファム
音楽:ダニエル・ペンバートン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:ピエトロ・スカリア
製作会社:チョックストーン・ピクチャーズ,ニック・ウェクスラー・プロダクジョンズ,スコット・フリー・プロダクジョンズ
配給:20世紀フォックス
悪の法則 キャスト
カウンセラー:マイケル・ファスベンダー
テキサス州に住む若く有能な弁護士。ローラと付き合っており、順風満帆な人生を送っていたが、ローラに内緒で婚約指輪を購入するために、軽い気持ちでライナーから勧められていた麻薬ビジネスに手を染める。取引が危険だと警告されながらも本気にせず、自分なら大丈夫だと考えるなど若干傲慢な人物。
ローラ:ペネロペ・クルス
カウンセラーの恋人。教会に通っている。フライトアテンダントをしており、カウンセラーを心から愛している純真で知性的な女性。
マルキナ:キャメロン・ディアス
元ダンサーでライナーの愛人。ミステリアスな女性で、道徳心が欠如しており、人の気持ちを理解することができない。
背中から左肩にかけて、ヒョウ柄のタトゥーを入れている。ライナーとともに、シルヴィアとラウールという名の2匹のチーターを飼い、荒野で野うさぎ狩りをさせている。
ライナー:ハビエル・バルデム
カウンセラーの友人でレストランやナイトクラブなどの経営で成功している実業家。派手好きで、ガラス張りの豪邸にマルキナと住んでいる。カウンセラーとナイトクラブを共同経営する予定で、その前に彼と共に麻薬ビジネスを始める。「わからない」とよく口にし、物事を深く知ろうとしない。
ウェストリー:ブラッド・ピット
麻薬ビジネスのブローカーで、ライナーとは旧知の仲。何事にも冷静な男で裏社会を知り尽くしており、カウンセラーに、『白いドレスの女』のセリフを引用しながら、彼がやろうとしている麻薬ビジネスの危険性を話し警告する。
宝石商:ブルーノ・ガンツ
アムステルダムで宝石商を営んでいる男性。ダイヤモンドに例えて、選択への警告をほのめかす。
へフェ:ルーベン・ブラデス
メキシコの有力者。カウンセラーに自分の選んだ運命を受け入れるよう諭す。
神父:エドガー・ラミレス
懺悔室の神父。カトリック教徒ではないマルキナに、告解はできないと話す。
ルース:ロージー・ペレス
殺人罪で収監されている女で、カウンセラーの依頼人。面会に来たカウンセラーに、息子のバイカーの釈放を頼む。
監視する女:アンドレア・デック
ワイヤーマンと共にバイカーの取引を監視している女。
ワイヤーマン(ジェイミー):サム・スプルエル
マルキナに雇われ、運び屋であるバイカーを殺し、ブツを隠したバキュームカーを奪う。
トニー:トビー・ケベル
カウンセラーの元依頼人。彼に見捨てられたことを根に持っている。
バイカー:リチャード・カブラル
通称グリーン・ホーネット。ルースの息子で、ヤマハのYZF-R1に乗っている。麻薬カルテルに雇われたブツの運び屋。
トニーの彼女:エマ・リグビー
バイヤー:ディーン・ノリス
麻薬のバイヤー。ランディらからブツを買う。
ランディ:ジョン・レグイザモ
つなぎの男。バキュームカーを解体し、ブツを取り出す。ブツを運ぶついでに載せている、糞尿漬けの死体について説明する。
携帯の主:ジャンニーナ・ファシオ
カウンセラーがスマートフォンを借りる女性。
ピストルの男:アレハンドロ・マルツァル
ライナーを連れ去ろうとする男。
ホテルのウェイター:ジェラルド・モナコ
カウンセラーに、伝言を確かめるよう頼まれる。
ブロンド女:ナタリー・ドーマー
マルキナに雇われ、ウェストリーにハニートラップを仕掛ける女。
マイケル:ゴラン・ヴィシュニック
銀行家。マルキナの友人兼投資アドバイザーで、彼女と将来のプランについて話し合う。
クリス:クリス・オービ
ライナーのペントハウスの護衛。
2人目の男:リチャード・ブレイク
ワイヤーマンと共に行動している男。
偽警官1:ヴェリボール・トピッチ
警官になりすますが見破られ、撃たれて負傷しながらも、ワイヤーマンらを殺してバキュームカーを奪う。
ウェイトレス:バーバラ・ダーキン
ホテルのカフェで働いている、派手な女性。
カフェの主人:マルコ・トゥーリオ・リナ・ラミレス
国境の町にあるカフェを経営する男性。
偽警官2:パブロ・ベルデホ
偽警官だとばれて、2人目の男に射殺される。
運転手:ドナ・エアー
ロンドンに到着したウェストリーをホテルに送る。
作業員:カルロス・フリオ・モリーナ