ブラザーズ・グリムは、2005年公開のイギリス映画。グリム童話の誕生秘話を、斬新な発想のもとに映像化した大人のファンタジー作品。監督は『12モンキーズ』の天才テリー・ギリアムが務め、グリム兄弟にはのマット・デイモンと、のヒース・レジャーが扮する。“あかずきんちゃん”“ヘンゼルとグレーテル”などおなじみのキャラクターたちが登場する。
ブラザーズ・グリム 映画批評・評価・考察
ブラザーズ・グリム(原題:The Brothers Grimm)
脚本:33点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計80点
キャスティングや編集権を巡ってテリー・ギリアム監督とプロデューサーのワインスタイン兄弟が対立したことで劇場公開前に内輪揉めしていた今作ですが、テリー・ギリアムは最終的に自分が撮りたかった映画でもワインスタインが求めていた映画でも無くなったと語っています。この対立は、そもそも興行的に見映えが良く旬のキャストを使いたがったワインスタンとあくまでも作品として適材キャストを使いたかったテリー・ギリアムが対立したもので、万人受けする内容になるか、カルト人気的作品になるかの選択だったように思います。テリー・ギリアム監督の作品は面白いんですが、興行的には微妙な感じになる傾向があります。今作は、テリー・ギリアムの映画というには、マニアックさが欠ける感じはしますが、鏡の女王のモニカ・ベルッチはハマリ役でしたし、マット・デイモンやヒース・レジャーも悪くない演技だと思います。監督はカヴァルディ役にロビン・ウィリアムズを起用したかったようですが、ピーター・ストーメアも良い演技をしていたと思います。この二人では全く違うキャラクターになると思うんですよね。脚本が同じならピーター・ストーメアの方が合ってると思えます。アンジェリカ役のレナ・ヘディも当初予定されたサマンサ・モートンとは全く違う印象の女優です。こちらも脚本が同じならレナ・ヘディの方が合ってるように思えます。ワインスタインが、ごり押しする気持ちが分からなくもないな~。監督のこだわりがいまひとつ分からないところがあります。
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ブラザーズ・グリム あらすじ
1796年、グリム兄弟の弟のジェイクは、病気の妹を医者に診せる金を作るために売る牛を、騙されて「魔法の豆」と交換してしまうような夢見がちな子供だった。兄のウィルはそんな弟をバカだと激怒する。妹は医者に診せられぬまま、死んでしまう。
15年後、成長したウィルとジェイクの兄弟は、魔物退治の達人として名を知られた存在となっており、各地を巡って魔物を退治しては報酬を得ていた。ジェイクは各地の民話や伝説を収集するのに熱心で、ウィルは現実的で要領よく生きようとしていた。そしてフランス占領下ドイツのとある村でバンシー退治を首尾よく成し遂げたが、そこでフランスのドゥラトンブ将軍の部下であるカヴァルディに、ペテン師として仲間と共に逮捕されてしまう。ドゥラトンブ将軍は、兄弟一味を見逃す代わりにある森で起こっている不可解な連続少女失踪事件のトリックをあばき、解決することを要求してきた。
兄弟たちは仕方なしに要求を受け入れ、カヴァルディの監視付きで、森のある村に出向く。そこで兄弟は、村人から良く思われていないが、森に詳しい猟師の娘アンジェリカに助力を請い、人がおそれて足を踏み入れない森の奥も調べることになった。そこは昔、忌まわしい魔力を持つ、美貌の鏡の女王が住んでいたと言い伝えられる塔の建つ森であった。事件の背後には、あくまで人為的なトリックがあると思っていた兄弟だが、森では今も鏡の女王の気配と魔力が息づいているかのような解明できない奇怪な出来事が立て続けに起こり、調査中にも少女の失踪は続いていた。やがて兄弟も驚いたことに、少女たちの失踪は、鏡の女王の偏執的な宿願によって引き起こされていたことが判明したが、すでに時はさし迫り、集められた少女たちが女王の犠牲になろうとしている夜になってしまっていた。おぞましい企みを阻止しようとする兄弟にも、次々と女王の魔の手が襲いかかってくる。兄弟は協力して奮戦するのだった。
ブラザーズ・グリム スタッフ
監督:テリー・ギリアム
脚本:アーレン・クルーガー
製作:チャールズ・ローヴェン,ダニエル・ボブカー,ジェイク・マイヤーズ,マイケル・ソリンジャー
製作総指揮:ジョン・D・スコフィールド,クリス・マガーク,ボブ・ワインスタイン,ハーヴェイ・ワインスタイン,ジョナサン・ゴードン,アンドリュー・ローナ
音楽:ダリオ・マリアネッリ
撮影:ニュートン・トーマス・シーゲル,ニコラ・ペコリーニ
編集:レスリー・ウォーカー
製作会社:サミット・エンターテインメント,MGM,ワインスタイン・カンパニー
配給:ディメンション・フィルムズ,東芝エンタテインメント
ブラザーズ・グリム キャスト
ウィル・グリム:マット・デイモン
ジェイコブ・グリム:ヒース・レジャー
鏡の女王:モニカ・ベルッチ
ドゥラトンブ:ジョナサン・プライス
アンジェリカ:レナ・ヘディ
カヴァルディ:ピーター・ストーメア
ヒドリック:マッケンジー・クルック
アンジェリカの父:トマス・ハナク
バンスト:リチャード・ライディングス
市長:ロジャー・アシュトン=グリフィス
グリム兄弟の妹:アンナ・ラスト