THE BATMAN ザ・バットマンは、2022年公開のアメリカ合衆国の映画。意味深なメッセージを残し世の中の嘘に制裁を加える知能犯リドラーが探偵のブルースの前に現れ、ブルースは次の標的にされる。DCコミックス原作ではあるが、DCエクステンデッド・ユニバースには属しておらず、バットマン単独の作品となっている。「猿の惑星:新世紀」「猿の惑星:聖戦記」のマット・リーヴス監督が、人間の本性が剥き出しになっていく姿を活写。
THE BATMAN ザ・バットマン 映画批評・評価・考察
THE BATMAN-ザ・バットマン-(原題:The Batman)
脚本:31点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:6点
音響・音楽:8点
合計77点
3時間近くある上映時間ありますが、冒頭から不穏な空気感と陰鬱なバットマンが登場し、それなりに見ていられる作品でした。正直もっと編集で短縮できたと思えるのでこのなんともいえないテンポはどうにかならなかったのかと個人的には思います。それが良いという方も多いかもしれませんが。。。。
スーパーヒーローのバットマンですが、今作はそのスーパーヒーロー感をあまり感じさせず、歴代最弱かもしれません。お金持ちの根暗な青年がトラウマから悪と戦うために用意したオリジナル装備という感じがありますし、それもこれまでのバットマン作品にあるような精巧で豪華なものではありません。
ブルース・ウェインを演じるロバート・パティンソンに、ダークナイトでジョーカーを演じたヒース・レジャーを感じるところがあり、今作のバットマンはジョーカーと表裏一体になってるようなものを感じさせます。圧倒的な正義というより私怨からくる正義のような曖昧で危うさを常に孕んでいる感じがありますし、そんな陰鬱でもある独特な空気感をもったバットマン像を作り上げています。
今作品はU-NEXT で見ました。
THE BATMAN ザ・バットマン あらすじ
ハロウィーン。ブルース・ウェイン/バットマンはいつものように街で犯罪が起こっていないか監視をしていた。選挙戦を控えるゴッサム・シティの市長ドン・ミッチェルが妻と息子の外出を見送って自宅で一人で寛いでいると、背後から緑のマスクを被った男に襲われる。その後、ジェームズ・ゴードン警部補は上司のピート・サベージ本部長と共に犯行現場の調査をしていた。そこで事件に協力しているバットマンはリドラーを名乗る犯人からの手紙をゴードンから受けとる。内容はなぞなぞとなっていたが、バットマンはすぐに答えを解き、一緒に入っていた謎の暗号の書かれた紙を見ようとするがサベージ本部長に捜査の邪魔者として追い出されてしまう。だが、バットマンの目に装着していたコンタクトレンズ型カメラに記録していたことで、暗号の解読をウェイン邸の地下のバッドケイブで執事のアルフレッド・ペニーワースと共に開始する。暗号の答えがdriveであったことを発見すると、ゴードンと共にミッチェルの所有する車のガレージを捜査し、そこにあった一台の車に事件で使われた鈍器とUSBが見つかり、その内容はミッチェルが謎の女性を侍らせサベージ本部長、マフィアのカーマイン・ファルコーネの右腕ペンギンと会っている写真があり…………
THE BATMAN ザ・バットマン スタッフ
監督:マット・リーヴス
脚本:マット・リーヴス,ピーター・クレイグ
原作:DCコミックス「バットマン」より
製作:マット・リーヴス
音楽:マイケル・ジアッチーノ
撮影:グリーグ・フレイザー
編集:ウィリアム・ホイ
製作会社:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ,DCフィルムズ,6th & Idaho,ディラン・クラーク・プロダクション
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
THE BATMAN ザ・バットマン キャスト
ブルース・ウェイン / バットマン:ロバート・パティンソン
主人公。蝙蝠のマスクを被りバットマンとして2年間ゴッサムシティで犯罪者と戦っている裏の顔を持つ億万長者。ブルースはまだ30歳で、経験豊富なクライムファイターではない。また、慈善活動やウェイン産業の経営などの表立った活動は今作では行っておらず、昼間は殆ど自宅に籠りきりという生活を送っている。幼い頃に両親を暴漢に銃殺され、復讐と恐怖から犯罪者と戦うようになる。
セリーナ・カイル / キャットウーマン:ゾーイ・クラヴィッツ
ヒロイン。行方不明の友人を探しているときにバットマンと接触するナイトクラブの店員であり泥棒。ファルコーネとは浅からぬ因縁がある。ルームメイトのアニカと親密な関係にあり、アニカの失踪からこの事件に関わるようになる。
エドワード・ナッシュトン / リドラー:ポール・ダノ
ヴィラン。?マークを犯行現場に残す連続殺人犯。ゴッサム市長殺害を皮切りに市の有力者を次々と殺害してはバットマンと法執行機関を暗号めいたなぞなぞで混乱に陥れる。本作では実際に起きたゾディアック事件の犯人を元にしている。
ジェームズ・ゴードン警部補:ジェフリー・ライト
ゴッサム市警察の刑事。2年前からバットマンに手を貸しており。警察とバットマンとの仲介を行いながらバットマンと共に捜査を行う。
カーマイン・ファルコーネ:ジョン・タトゥーロ
ゴッサム・シティの裏社会のボス。物静かで紳士にふるまっているが、裏では非道の限りを尽くしており、その力は政界や財界、警察にまで手が及んでおり恐れられている。
オズワルド・“オズ”・コブルポット / ペンギン:コリン・ファレル
ファルコーネの右腕で、ナイトクラブ「アイスバーグ・ラウンジ」の経営者。ペンギンと呼ばれることを嫌っている。どこか憎めない小者であり、ブルースのことを「チャンプ(チャンピオンの略)」と呼ぶ。
アルフレッド・ペニーワース:アンディ・サーキス
ウェインの執事。元軍属の無骨な男。退役後にウェイン夫妻の護衛となった。ブルースに戦い方を教える。現在はブルースと複雑な関係にある。
トーマス・ウェイン:ルーク・ロバーツ
ブルースの父親。20年前、ゴッサム・シティの再開発を掲げ市長に立候補するも、妻マーサとともに殺される。
マーサ・ウェイン:ステラ・ストッカー
ブルースの母親。アーカム家出身の令嬢。夫とともに殺される。
アニカ・コスロフ:ハナ・ハルジック
セリーナのルームメイト。セリーナと親密な関係にある。
ベラ・リアル:ジェイミー・ローソン
ゴッサム・シティの市長候補。
ドン・ミッチェル・Jr.市長:ルパート・ペンリー=ジョーンズ
ゴッサム市長。ハロウィーンにリドラーに殺害される。
ウィリアム・ケンジー:ピーター・マクドナルド
ゴッサム市警の麻薬捜査官。
ピート・サベージ本部長:アレックス・ファーンズ
ゴッサム市警の本部長。
マッケンジー・ボック署長:コン・オニール
ゴッサム市警の署長。
マルティネス巡査:ギル・ペリッツ=アブラハム
ゴッサム市警の警察官。
ギル・コルソン検事:ピーター・サースガード
ゴッサム・シティの地方検事。
ザ・ツインズ:チャーリー・カーヴァー,マックス・カーヴァー
「アイスバーグ・ラウンジ」の用心棒。
アーカム囚人:バリー・コーガン
逮捕されアーカムに収容されたリドラーに話しかけ、高笑いする隣の房の囚人。後にYouTubeで配信された未公開映像では、薬品のタンクに落ちた為か髪はボサボサで所々禿げ、歪んだ顔つきとなっている。
サルヴァトーレ・マローニ:不明
ファルコーネと肩を並べる程の強大な力を持っていたマフィア。かつてのペンギンのボスであったが今は逮捕収監されている。