特攻野郎Aチーム THE MOVIEは、2010年公開のアメリカ合衆国の映画。1980年代にアメリカで人気を博したテレビドラマ「特攻野郎Aチーム」を映画化したアクション大作。無実の罪で投獄されたAチームと呼ばれる元特殊部隊の4人のメンバーたちがその汚名を晴らすため、国家に挑む姿を描く。
特攻野郎Aチーム THE MOVIE 映画批評・評価・考察
特攻野郎Aチーム THE MOVIE(原題:The A-Team)
脚本:27点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計76点
1980年代の大ヒットTVドラマを映画化した、痛快コミカル・アクション!
1983~87年に全米放送され、日本でも人気を博した原典のドラマを、キャストを一新して映画化。TV版がベトナムの戦場で出会った男4人を主人公にしたのに対し、本作は時代背景を現在に近づけ、湾岸戦争で出会ったとの設定に。とはいえ、個性的なキャラクター設定やド派手なアクションを見どころとする趣向はTV版をほぼ踏襲しており、理屈抜きに楽しめる痛快編となっています。監督は「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」のジョー・カーナハン。終盤、TV版のキャストの一部がカメオ出演したのも要チェックです!
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特攻野郎Aチーム THE MOVIE あらすじ(ネタバレ)
メキシコでの作戦行動中、ハンニバルことジョン・スミス大佐(リーアム・ニーソン)は独断専行したフェイスことテンプルトン・ペック中尉(ブラッドリー・クーパー)を救出するため、偶然出会ったB.A.ことボスコ B.A.バラカス軍曹(クイントン・ジャクソン)と、マードックことH・M・マードック大尉(シャールト・コプリー)を仲間に引き入れる。彼らは作戦を無事に成功させ、Aチームことアルファ部隊を結成する。
それから8年後、イラクの前線基地に「バグダッドで活動するゲリラが『USドル紙幣の偽造原版』と大量の偽札を持って逃亡しようとしている」という情報が、中央情報局(CIA)によってもたらされる。ゲリラへの対処はパイク(ブライアン・ブルーム)率いるブラックフォレスト部隊が行う予定だったが、ハンニバルは自分たちが対処することをモリソン将軍(ジェラルド・マクレイニー)に直訴する。Aチームはゲリラを襲撃し、見事に偽造原版と偽札の奪取に成功する。
しかし作戦の完了直後、Aチームの目の前でモリソン将軍の乗る車両が爆発し、混乱の中で偽造原版は何者かによって持ち去られてしまう。軍法会議にかけられたAチームは極秘命令だったゲリラ襲撃を疑われ、10年の禁固刑と初年兵降格の上で不名誉除隊の処分まで下されてしまう。
半年後、ハンニバルは原版を盗んだのがパイクだと確信しており、同様に考えるCIAのリンチ捜査官(パトリック・ウィルソン)の協力を取り付けると、名誉を回復して軍へ復帰するため刑務所を脱走する。フェイス、B.A.、マードックも難なく助け出し、Aチームは再結成され、追跡してくる軍を追い払いつつパイクが目撃されたフランクフルトへと向かう。
辛くも原版を取り戻すAチームだったが、同時に誘拐してきたパイクの協力者は死んだはずのモリソンだった。バグダッドでの原版強奪はパイクとモリソンの計画であり、それに一枚噛んでいたリンチの独り占めを避けるため、Aチームが濡れ衣を着せられたのだ。リンチはモリソンをも亡き者にすべくAチームの居場所を爆撃するが、生き残ったAチームはモリソンと原版の引き渡しを軍に持ちかける。
リンチはAチームと軍のやり取りを盗聴し、仲間に引き入れたパイクと共に取引場所である港に部隊を配置して待ち構える。しかし、フェイスの罠に嵌って部隊が壊滅状態になると、不甲斐なさに呆れたパイクが船にロケットランチャーを撃ったことで港は大混乱に陥る。
これまで高みの見物をするだけだったリンチだが、仕方なく自ら原版を回収するため崩れたコンテナ群へと入っていく。ハンニバルはとあるコンテナの中に彼を誘導し、巧みに煽って本性を露わにさせる。すると間を置かずコンテナの壁と天井が取り払われ、包囲していた軍にリンチは逮捕される。
事件は解決したものの、リンチことヴァンス・バリスの身柄はCIAに持っていかれてしまう。Aチームの面々も脱走の罪で拘束されるが、彼らの手元には再び脱走するための手立てが既に用意されていた。
特攻野郎Aチーム THE MOVIE スタッフ
監督:ジョー・カーナハン
脚本:スキップ・ウッズ,ブライアン・ブルーム,ジョー・カーナハン
原作:キャラクター創造 スティーブン・J・キャネル,フランク・ルポ
製作:スティーブン・J・キャネル,ジュールズ・デイリー,アレックス・ヤング,イアイン・スミス,スパイク・セルディン,トニー・スコット
製作総指揮:リドリー・スコット,マーク・シルベストリ,ロス・ファンガー
音楽:アラン・シルヴェストリ
撮影:マウロ・フィオーレ
編集:ロジャー・バートン,ジム・メイ
製作会社:20世紀フォックス,デューン・エンターテインメント,トップ・カウ・プロダクション,スコット・フリー・プロダクションズ
配給:20世紀フォックス
特攻野郎Aチーム THE MOVIE キャスト
“ハンニバル”ジョン・スミス大佐:リーアム・ニーソン
どのような閉鎖的あるいは絶体絶命の環境におかれても、すんなりと情報収集や脱出を行う人物として描かれ、テレビ版よりも強力なキャラクターになっている。
“フェイス”テンプルトン・ペック中尉:ブラッドリー・クーパー
英語ではテレビ版同様“フェイスマン”のまま表記。根回しが得意で刑務所であっても厚待遇を受け、どんなときにも必要なものを手配する物資調達のカリスマ。ただし女性関係のトラブルがたえず、作戦全体を何度か危機に陥れる面もある。
“B.A.”ボスコ B.A.バラカス軍曹:クイントン・ジャクソン
本作では飛行機恐怖症になった経緯が描かれており、マードックの無茶な操縦が原因になっている。また、好物であるココナツカレーのタプナードとトーストの話になると途端に機嫌を直す描写もある。服役中に非暴力を学び、一時的に無抵抗となるが、ハンニバルがマハトマ・ガンディーの「臆病と暴力のうちどちらかを選ばなければならないとすれば、わたしはむしろ暴力をすすめるだろう」を借りて説得することになった。彼の愛車でAチームの象徴であるGMCバンも登場、テレビ版と同様マードックのせいでバンが潰されてしまう。
“マードック”H・M・マードック大尉:シャールト・コプリー
原作よりもさらに狂った人物として描かれており、空中戦の際は大はしゃぎして飛行機を無茶に操縦し、チーム全員に冷や汗をかかせるどころか振り落としかけるほどのトラブルメーカー。演じるコプリー(南アフリカ出身)のネタとして、マードックとバラカスの偽造パスポートが入れ替わり、イスラエル出身のはずがタンザニア国籍にされてしまったトラブルの際、スワヒリ語をすんなりと話して切りぬけるシーンがある。
キャリサ・ソーサ大尉:ジェシカ・ビール
リンチCIA調査官(ヴァンス・バリス):パトリック・ウィルソン
ブロック・パイク:ブライアン・ブルーム
ラッセル・モリソン将軍:ジェラルド・マクレイニー
国務長官:ヘンリー・ツェニー
ペンサコーラの囚人:ダーク・ベネディクト(カメオ出演)
ドイツ人医師:ドワイト・シュルツ