シックス・デイは、2000年公開のアメリカ合衆国の映画。クローン技術が進歩した近未来を舞台に、法律で禁じられたクローン人間製造をめぐり、陰謀が展開する。キャッチコピーは、「2010年ーあなたはふたりいる」「未来を止めろ!」。第21回ゴールデンラズベリー賞で、アーノルド・シュワルツェネッガーは本物のアダム・ギブソン役として最低主演男優賞にノミネート、クローンのアダム・ギブソン役として最低助演男優賞にノミネートされた。また、一人で最低スクリーンカップル賞にもノミネートされた。
シックス・デイ 映画批評・評価・考察
シックス・デイ（原題：The 6th Day）
脚本：27点
演技・演出：13点
撮影・美術：15点
編集：7点
音響・音楽：7点
合計69点
“神は6日目に人間を創造した”という聖書の言葉にちなんだ6d（シックス・デイ）法により、クローン人間製造が固く禁じられた近未来。自分とそっくりな同じ姿をした人間と出会った主人公は巨大な陰謀に巻き込まれていく……。政治家になる前のシュワルツェネッガーが、どちらが本物か分からない、人間とそのクローン人間という1人2役に挑んで熱演を見せたSFアクションサスペンス。現実にも日進月歩で発達している生命科学技術を背景に、サスペンスの中に現実にあり得るかもしれない問題を取り入れた野心作だ。
シックス・デイ あらすじ（ネタバレ）
2010年、人間のクローン化が法規制された社会。その3年前に出来た“人間は人間を造り出してはならない”とする「6ｄ法」のおかげで、社会はかろうじて秩序を守っていた。しかしある日、飛行士のアダム・ギブソン（アーノルド・シュワルツェネッガー）が仕事を終えて帰宅すると、そこには自分と同じ姿の男が愛する家族と共に彼の誕生日を祝っていた。余りの事態に、呆然と立ちすくむアダム。
戸惑っているところに見知らぬ二人組が現れ、家にいるのは自分のクローンだと教えられる。ドラッカーの警備責任者であるマーシャルとそのエージェントのタリア、ヴィンセント、ワイリーによって拘束される。しかし、アダムはタリアとワイリーを殺して逃走し、警察に行くが、逃亡した精神病患者であると思われてしまう。
ドラッカーはなぜか生きており、シックスデー法を廃止するつもりはないと記者団に断言した。しかし、彼と主任科学者のグリフィン・ウィアー博士はすでに違法な人間のクローン作成を完成させており、タリアとワイリーのクローンを復活させている。アダムは警察署から脱走し、再びワイリーを殺害することを余儀なくされるが、アパートでまだ生きているハンクを発見する。彼はハンクを家に連れて行き、彼のクローンを殺そうと考えるが、マーシャルとタリアが到着し、アダムは彼らを追い払うために彼のクローンを装うことを余儀なくされた。
アパートに戻ったハンクは再びトリップに殺され、トリップはアダムに射殺される。瀕死のトリップは、自分が反クローンの過激派で、後にハンクとともにクローンが作られたドラッカーを暗殺したことを明かす。マーシャルとタリアが到着するが、アダムはタリアの指を撃ち落とし、親指を使って車の生体認証ロックを回避した後、車で逃走する。アダムは親指を使ってリプレイスメント・テクノロジーズ社に忍び込み、妻キャサリンの肝臓がんが原因でクローン作成を追求しているウィアー博士と対峙する。彼女は夫に、自分が彼女を治すために彼が作った一連のクローンの最新作であることを知っていることを明らかにした。
ウィアー氏は、アダムがクローンを作成する必要が生じた場合に備えて、アダムが受けた血液検査と視力検査で彼のDNAと記憶がスキャンされ、「シンコーディング」として記録されたと説明した。クローンには法的権利がないため、ドラッカーは何年も前に亡くなった後、財産を管理するために秘密裏にクローンを作られたことを明らかにした。アダムとハンクの両方がドラッカーと一緒に殺されたと信じていたウィアーは、彼らのクローンを作成して元の生活に戻り、ドラッカーの殺害と2回目のクローン作成を隠蔽しました。ウィアーはドラッカーがクローンであることを証明するシンコードをアダムに渡し、アダムのクローンとその家族を狙うかもしれないと警告する。
アダムはクララの学校の発表会へ急ぐが、そこではすでにタリアとヴィンセントが妻と娘を誘拐していた。自分のクローンと対面したアダムは、彼らの状況を明かし、家族と引き換えに有罪のシンコーディングをドラッカーに届けることに同意する。ウィアは、裏切りに対する保険としてキャサリンを含むクローンの寿命を縮めるよう設計したドラッカーと対峙する。ドラッカーはウィアーを殺害し、彼とキャサリンをクローンとして復活させると約束する。
アダムは囮のヘリコプターを破壊するために送り込み、ドラッカーのヘリポートに着陸し、彼が捕らえられるまで大混乱を引き起こします。ドラッカーは、まぶたの内側の痕跡からアダムが実際にはクローンであることを明らかにするが、本物のアダムも建物に侵入していることに気づく。オリジナルのアダムが家族を救出する一方で、彼のクローンはドラッカーのエージェントと戦います。彼らは最終的に殺され、致命傷を負ったドラッカーは再び自分自身のクローンを作成しますが、誤動作した装置により変形した不完全な体が作成されます。アダムとそのクローンは家族とともにヘリコプターで逃亡し、ドラッカーが転落死する中、施設とそのすべての同期装置を破壊した。
シックス・デイ スタッフ
監督：ロジャー・スポティスウッド
脚本：コーマック・ウィバリー,マリアンヌ・ウィバリー
製作：ジョン・デイヴィソン,マイク・メダヴォイ,アーノルド・シュワルツェネッガー
製作総指揮：デヴィッド・コーツワース,ダニエル・ペトリー・ジュニア
音楽：トレヴァー・ラビン
撮影：ピエール・ミニョー
編集：マーク・コンテ,ドミニク・フォーティン,マイケル・アルカン
製作会社：フェニックス・ピクチャーズ
配給：コロンビア ピクチャーズ,東宝東和
シックス・デイ キャスト
アダム・ギブソン：アーノルド・シュワルツェネッガー
本作の主人公で、民間のヘリコプター会社を経営している。妻との間に1女。平凡で幸せな家庭を築いていたが、ある日、自分とそっくりな男が家族と誕生日を祝っているのを目にし、その直後、謎の暗殺者集団に命を狙われる羽目になる。リペット等のクローンは嫌っており、「どんな動物にも死は必ず訪れる」と言う考えの持ち主。
マイケル・ドラッカー：トニー・ゴールドウィン
フットボールチーム・ロードランナーズのオーナーであり、億万長者。ウィアー博士のクローン事業に莫大な出資をしており、人間のクローンの製造に賛成し、法改正を働きかけている。
グリフィン・ウィアー博士：ロバート・デュヴァル
医学博士。臓器移植研究所の所長で、表向きは臓器のクローン技術を提供・開発しているが、その裏では唯一非合法である人間のクローンを行っている。違法なクローン事業に手を染めてはいるものの、博士本人は殺生は好まない。
ハンク・モーガン：マイケル・ラパポート
アダムの相棒。軽薄でスケベな一面が目立つが、ヘリコプターの操縦技術はアダムにも劣らない。
ロバート・マーシャル：マイケル・ルーカー
表向きは7分署の警部だが、実際にはドラッカーからの指示でクローンの暗殺を行う暗殺者集団のリーダー。自分のクローンを目撃したアダムの暗殺を企み、執拗に付け狙う。慎重で神経質。
タリア・エルスワース：サラ・ウィンター
暗殺者集団のメンバー。ボブカットの美女だが、冷酷な性質で、殺人を一切厭わない。
ナタリー・ギブソン：ウェンディ・クルーソン
アダムの妻。アダム同様に遅く産んだ娘・クララを溺愛しているが、病死した愛犬・オリバーのリペットを巡ってアダムと対立する。
P・ワイリー：ロドニー・ローランド
暗殺者集団のメンバーで、口と鼻にピアスをつけた軽薄な男。仕事に関してもミスが多く、メンバーから叱責されることが多い。
ヴィンセント：テリー・クルーズ
暗殺者集団のメンバーで、粗暴で暴力的な大柄な黒人男性。
下院議長：ケン・ポーグ
トリップ：コリン・カニンガム
キャサリン・ウィアー：ワンダ・キャノン
クララ・ギブソン：テイラー・アン・リード
ヴァーチャル・ガールフレンド：ジェニファー・ガレイス