テッド2は、2015年公開のアメリカ合衆国の映画。見た目は愛くるしいが中身は下品な中年オヤジというテディベア、テッドを描き大ヒットしたコメディ『テッド』の続編。州政府から“モノ”扱いされたテッドが、人権を勝ち取るため裁判に挑む。前作からのメンバーに加え、新たなビッグ・スターも多数登場!テッドの雷兄弟であるマーク・ウォールバーグはもちろんのこと、新たにアマンダ・セイフライドやモーガン・フリーマンといった超大物が出演。
テッド2 映画批評・評価・考察
テッド2(原題:Ted 2)
脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:9点
音響・音楽:7点
合計86点
前作では、見た目はキュートなテディベアですが、中身はお下劣なダメ男というギャップが大反響を呼んだ人気者がテッド。セス・マクファーレン監督自らテッド役の声優を務め(CGで描かれるテッドの動きも彼自身の演技がベース)、下ネタやセレブいじりなどの過激ギャグを満載した前作だったが、この続編でもマクファーレンは全力疾走。ありえない、くだらない作風でも、差別には抵抗すべきという反骨の精神を貫いた心意気はお見事。前作に続いて日本語吹替版でテッド役を、有吉弘行が演じたのも話題になりました。
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テッド2 あらすじ(ネタバレ)
前作でロリーと結婚したジョン・ベネットだったが、離婚してしまい意気消沈していた。その半年後、彼の親友で「生きたテディベア」であるテッドが、ガールフレンドのタミ・リンと結婚を果たすところから映画は幕を開ける。
しかし結婚から1年後、テッドとタミ・リンは夫婦喧嘩をこじらせ、仲直りのため子供を儲けることを決めるが、テッドは人形のため、人間の精子提供者を探すことにする。テッドとジョンはサム・J・ジョーンズに頼みに行くが断わられ、トム・ブレイディの家に忍び込んで精子を盗む計画も失敗に終わってしまう。そしてジョンはテッドのために精子を提供することを申し出るが、婦人科の医師からタミ・リンは過去の薬物濫用のため子供を作れないと宣告される。
テッド夫妻は次に養子縁組紹介所へ向かうが、それも断られたうえ、身元調査の過程で、それまで人間同様に扱われていたテッドの法的人権がマサチューセッツ州の当局から否定されてしまい、勤務先のスーパーマーケットからは解雇、銀行口座やクレジットカードやピッツア屋の会員も解約、タミ・リンとの結婚さえも無効とされてしまう。
テッドとジョンはマサチューセッツ州を相手に裁判を起こすため弁護士事務所に相談に行ったところ、「無料でよいから」と姪の見習い弁護士サマンサ・レスリー・ジャクソンを担当に充てられる。人生がかかった大事な裁判だからと一度は断りかけた2人だったが、サマンサもマリファナの常習者であったことで意気投合、裁判に向けて動き出す。
一方、前作でテッドを誘拐したストーカーのドニーは、玩具メーカーのハズブロ社で清掃員をしていた。彼はハズブロの副社長に、「もしテッドが裁判で敗訴すれば人間(攫えば誘拐・殺人)ではなく所有物(攫っても窃盗・器物損壊)にすぎないことになり、テッドを盗んでハズブロに提供し、仕組みを解明して量産すれば大儲けになる」と話を持ち掛ける。ドニーは見返りは量産品1台で良いといい、副社長はその提案を受け、州政府に優秀な弁護士を付けることを約束する。
裁判ではテッドに自己認識や他者を愛する感情があることが確認されたが、製造時にプログラムされた「I love you(日本語吹替版では「だいちゅき」)」と喋る機能の存在が残っていたことが明らかにされ、結果的にテッドは所有物という判決が下る。サマンサは優秀な人権派弁護士パトリック・ミーガンに連絡をとり、テッド、ジョン、サマンサは彼への弁護を頼むためにボストンから車ではるばるニューヨークへと向かうも、テッドやジョンの素行不良・前科を理由に弁護を断られる。
テッドは絶望し、ジョンとサマンサの仲を妬み、2人のもとを離れる。当てもなく町中を歩くテッドは、偶然見かけたコミコンのイベント会場へと入っていき、その跡を彼を狙うドニーが付け狙う。コミコンの会場で「ラファエロ」の着ぐるみを着たドニーはテッドを誘拐しようとし、テッドはジョンに電話で助けを呼ぶ。
テッドがドニーに捕えられ、危うく解体されそうになったところでジョンとサマンサが駆けつけ救い出す。3人が和解して帰ろうとしたとき、ドニーが会場の天井にぶら下がっていたエンタープライズ号の巨大模型でテッドを轢こうとする。ジョンがテッドを押し倒して助けるが、自分が巨大模型に跳ね飛ばされ、展示物のビジョンの下敷きになってしまう。警備員が駆け付け、テッドはドニーを探し出し、彼は逮捕される。ジョンは意識を失うが、テッドはそばでひたすら彼の名を呼び続け、その模様はテレビでも生中継されていた。
意識不明のままジョンは病院に運び込まれ、一度は心停止に陥るが無事蘇生し、医師と共謀してテッドらに死んだと思わせ驚かす。喜ぶ彼らのもとに、一度は弁護を断ったミーガンが現れ、テッドを助けようとしたジョンの献身やその直後のテッドの姿に感銘を受け、弁護を引き受けることにしたと申し出る。ミーアンは裁判で、自己認識に加え、コミコンの事件のテレビ放映から、「テッドが複合感情を理解し、共感する能力をもつことは明らかである」と主張し、前回の判決は覆され、テッドは勝訴する。
法廷の外で、記者にコメントを求められたテッドは、タミ・リンに再びプロポーズする。テッドは「クラバーラング」の姓を名乗ることにし、再び結婚、養子に迎えた男の子の赤ん坊にアポロ・クリード・クラバーラングと名付ける。ジョンはその子に、テディベアをプレゼントする。テッドも親としてオムツ交換をするようになり、便の付いたオムツをジョンに投げつけフェイスブックに投稿した。
テッド2 スタッフ
監督:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン,アレック・サルキン,ウェルズリー・ワイルド
製作:ジェイソン・クラーク,ジョン・ジェイコブス,セス・マクファーレン,スコット・ステューバー
製作総指揮:アレック・サルキン,ウェルズリー・ワイルド
ナレーター:パトリック・スチュワート
音楽:ウォルター・マーフィー
撮影:マイケル・バレット
編集:ジェフ・フリーマン
製作会社:ブルーグラス・フィルムズ,ファジー・ドア・プロダクションズ,メディア・ライツ・キャピタル,スマート・エンターテインメント
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ,東宝東和
テッド2 キャスト
テッド:セス・マクファーレン
前作で命の宿ったテディベア。職場で出会ったタミ・リンと結婚したが、一年を経て夫婦仲に陰りが出来はじめたことから、父親になる夢を持つ。ぬいぐるみなので精巣は無く、アーティストの精子で強い子を作ろうと考えたが、結局ジョンの精子を用いることとなった。
ジョン・ベネット:マーク・ウォールバーグ
テッドの親友。テッドの「父親になりたい」という夢を叶えるべく奔走する。なお、本作開始前にて前作で結ばれたロリーとは価値観の違いからお互いの為を思い離婚。そのショックから立ち直れず、テッドの結婚式でも自身の結婚式のことが頭に浮かんでしまい楽しめずにいた。病院で精子サンプルの棚をひっくり返してしまい、精子まみれになりテッドからフェイスブック投稿されてしまう。
サマンサ・レスリー・ジャクソン:アマンダ・セイフライド
テッドを担当することになった見習い弁護士。26歳でブロンドの幼そうな女性。テッドに「裁判で急にレリゴーを歌われたら困る」と一度帰られかけたが、ジョンとテッドの目の前で急にマリファナを吸い出して、2人が一気に気が変わり「よろしくお願いします」「気が合いそう」と言わしめ、本人は「ごめんなさい ちょっと今日は頭が痛くて(禁断症状が出ている)」と語り、さすがのテッドに「僕も20秒前から(状況が飲み込めなくて)頭が痛いよ」と呆れられた。男性器型のパイプを持っており、我慢できなくなったテッドはそれを用いてしまい、ジョンからお返しにフェイスブック投稿される。テッドからは「ゴラム」呼ばわりされる。
タミ・リン・マッカファーティー:ジェシカ・バース
テッドの妻。前作でテッドが初めて就職したスーパーの同僚だった。過去に使用した薬物により卵巣が荒れており、妊娠が不可能だと分かるが、裁判勝訴後は養子縁組で子供を授かった。
ドニー:ジョヴァンニ・リビシ
テッドのストーカー。前作でぬいぐるみ誘拐の罪で逮捕されるも、あまりにも罪状が馬鹿馬鹿しいとの判断で不起訴処分となった。本作ではテッドの製造元であるハズブロ社に清掃員として就職。テッドのような生きたぬいぐるみの大量生産をジェサップに持ちかけ、テッドの敗訴を画策する。
パトリック・ミーガン:モーガン・フリーマン
サマンサが奥の手として弁護を依頼したベテラン弁護士。テッドの弁護を依頼するも、テッドとジョンの経歴の悪さやテッド自身が社会に貢献していないことを理由に弁護の依頼を断る。
シェップ・ワイルド:ジョン・スラッテリー
裁判で負け知らずのベテラン弁護士。テッドの裁判の際、ジェサップの依頼を受けマサチューセッツ州側の弁護を務める。
ガイ:パトリック・ウォーバートン
ジョンの同僚でホモセクシャル。
リック:マイケル・ドーン
ガイの恋人。料理人でガイ曰く「舌遣いがうまい」らしい。またコミコンではガイとともに参加者にちょっかいをかけていた。
フランク:ビル・スミトロヴィッチ
テッドとタミ・リンが務めるスーパーの店長。
ジョイ:ココア・ブラウン
テッドの仕事仲間の黒人女性。テッドに夫婦の仲を修復するためには子供を持つことが必要だということを教えた。タミがテッドが差別を受けていると悲しむと「仕方ない事よ。私の祖先もアフリカにいた時に川で洗濯をしていたら白人に誘拐されて奴隷にされたんだから」と一族の壮絶な人生をさらりと明かし、テッドに「歴史の生き証人」と驚かれた。
トム・ジェサップ:ジョン・キャロル・リンチ
ハズブロ社の副社長。ドニーと共謀して生きたテッドの大量生産を画策する。ジョンたちに見つかったあとは「無関係」だとドニーからあっさり立ち去る。
裁判長:ロン・カナダ
テッドが起こした裁判の裁判長。生真面目で実直な人間だが、陳述中に歌唱したテッドのノリに合わせるユーモアも持ち合わせている。
アリソン:ジェシカ・ゾア
テッドとジョンの行き付けのバーの店員。ジョンに好意を寄せている。
おもちゃのテッド:タラ・ストロング
コミコンで並んだおもちゃのテッドたち。ドニーの作戦で動くテッドを見つけてしまう。
サム・J・ジョーンズ:本人役
テッド、ジョンと親交が深く序盤でテッドとタミ・リンの結婚式の神父を務めたほか、テッドのために精子を分けてくれるように頼まれるも、コカインの過剰摂取で精子が一つしか泳いでいないことを明かし、提供を断り、その後テッドからのはらいせにわざとではないが愛車のクライスラー・セブリングの窓を破壊され、防犯ブザーを鳴らしてしまう。その後、コミコンで再会したジョンに復讐をしようと大乱闘を繰り広げる。
トム・ブレイディ:本人役
ジョンの憧れのアメフトのスター選手。ジョンとテッドを始め、夜中に精子を狙われる被害に遭っている。
医師1:デニス・ヘイスバート
タミ・リンが妊娠できないことを宣告した医師。
養子縁組紹介所の職員:ナナ・ヴィジター
養子縁組を希望するテッド夫婦が訪れた紹介所の職員。人権がないテッドに、その危険性を警告する。
タラン・キラム:本人役
ジミー・キンメル:本人役
ジェイ・レノ:本人役
バーのトイレで男を襲っている。日本版では字幕で「←ジェイ・レノ」と紹介されていた。
ケイト・マッキノン:本人役
ボビー・モイニハン:本人役
謎の渋男:リーアム・ニーソン
テッドの勤めるスーパーに何故か子供用のシリアルを買いに訪れた謎の人物。シリアルが子供用であるにも関わらず自分が買っても問題ないかをテッドに尋ねたり、購入前にツケを払おうとしたりと不可解な行動が目立っていた。購入後は「この恩は忘れない」と言葉を残すが、テッドは「できれば忘れて欲しい」と返した。エンドロール後のシーンにも登場し、なぜかズタボロの姿で再びスーパーを訪れ、ゆがんだシリアルを返品しそのまま去っていった。
ナレーター:パトリック・スチュワート