ダニエル・ロナルド・“ロニー”・コックス(Daniel Ronald “Ronny” Cox, 1938年7月23日 – )は、アメリカ、ニューメキシコ州出身の映画俳優、脚本家、製作プロデューサー、シンガーソングライター、ギタリスト。本国では渋味のある存在感で主にサスペンスやハードボイルド系のアクションなどをはじめとする多くのテレビドラマに主演。日本ではアーノルド・シュワルツェネッガー主演のSF映画『トータル・リコール』での悪役コーヘイゲン長官役や、エディ・マーフィ主演の『ビバリーヒルズ・コップ』でのボゴミル警部補役などで知られる。
10代のころは音楽に親しみ、イースタン・ニュー・メキシコ大学在学中より早くからその才能を発揮していたといわれる。60年代初頭、本格的にバンド活動を開始。自身も1963年に大学を卒業すると、実兄とともに新たにロックバンドを結成。ギターを担当したほか、オリジナル曲の作曲も手がけた。30代に入ったころ、活動の拠点をワシントンのアレナ・ステージ・カンパニーに移す。その地で演劇と出会い、6年間の間に「るつぼ」「ガラスの動物園」などの舞台に立った。1969年、ブロードウェイにてジョセフ・バップが主宰するパブリック・シアターに加わり「インディアン」で檜舞台に立ってから徐々に頭角を現す。1972年、ジョン・ヴォイト主演作『脱出』で映画初出演を果たし、プロデビューした。妻メアリーと結婚し、経験も重ねてゆく。
70年代は比較的テレビへの出演が多かったが80年代になると映画でも活躍の場を得て数多くの名作に出演。『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズでのボゴミル刑事部長役や『ロボコップ』における悪役のオムニ社の幹部ディック・ジョーンズ役などで存在感を示す。一方で、サスペンスものやアクションタッチのヒューマンドラマ物の映画や、テレビドラマを製作。自ら脚本も兼ねてこれに主演するなど、プロデュース面での手腕も発揮している。主な代表作に『殺走!哲人ランナー』、『FBI/男たちの闘争』などがある。近年も、いぶし銀の渋味で『ホワイトハウスの陰謀』でのハト派的な合衆国大統領役やTVシリーズ『CIA:ザ・エージェンシー』でのアレックス・ピアス役などで健在ぶりを見せる。
1960年にメアリー夫人と結婚したが2006年に死別。二人の子供がいる。