ダニー・エルフマン(Danny Elfman、1953年5月29日 – )は、アメリカ合衆国の音楽家。ロックバンドのオインゴ・ボインゴの元リーダー。カリフォルニア州出身。2003年11月29日、自身のファンであったブリジット・フォンダと結婚した。兄は『フォービデン・ゾーン』などのカルト映画で名を馳せる、映画監督のリチャード・エルフマン。女優のジェナ・エルフマンとは顔の系統が似ているため血縁関係にあると間違われるが、兄リチャードの息子である俳優ボディ・エルフマンの妻であり、ダニーにとっては甥嫁にあたる。
カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。母のブロッサム(Blossom Elfman)は作家と教師で、父親のミルトン Milton Elfman もアメリカ空軍に属する教師だった。多くの民族が混在するボールドウィン地区で育ち、映画館に入り浸って映画に慣れ親しんでいくうちに、バーナード・ハーマンやフランツ・ワックスマンらの音楽に影響を受けていく。高校へ進学するとスカ・バンドを結成して音楽活動をスタートさせるも、少しして高校を中退。兄のリチャードと共にフランスへ渡り、アバンギャルドの音楽劇団で経験を積んだ。後にアフリカへ渡るが、滞在中にマラリアにかかったことがきっかけで帰国し、カリフォルニア芸術大学で音楽について学ぶ。だがその際には正式な生徒ではなかった。
オインゴ・ボインゴ
1995年に解散し、今でもロサンゼルスを中心にBOINGOLOID(ボインゴロイド)といわれる根強いファンをもつロックバンドオインゴ・ボインゴの元リーダーでもあり、現在は、オインゴ・ボインゴ時代から手がけていた映画音楽を中心に活動している。実兄であり、オインゴ・ボインゴの前身バンドのザ・ミスティック・ナイツ・オブ・ジ・オインゴ・ ボインゴで活動を共にしたリチャード・エルフマンが監督した『フォービデン・ゾーン』で映画音楽を初めて手がける。その後、オインゴ・ボインゴのファンであった、当初はまだ新米の映画監督ティム・バートンから声をかけられ『ピーウィーの大冒険』の音楽を担当する。しかし、それまで基礎的なトレーニングとオーケストレーションの経験がなかったエルフマンは、バートンの申し出を不安がったのだが、オインゴ・ボインゴのメンバーで、ギタリスト兼アレンジャーであったスティーブ・バーテックの手助けにより素晴らしい成果を残す。その後も、バーテックはダニー・エルフマンが音楽を手がける映画でエルフマンと共に活動をしている。
エルフマンはオインゴ・ボインゴとして活動中の1984年に、映画音楽ではない唯一のポップス/ロックアルバムを発表している。しかし『SO-LO』と題されたこのアルバムは名義こそダニー・エルフマンとなっているものの、実情はオインゴ・ボインゴ4作目のアルバム用に書かれた楽曲がバンドにそぐわなかった為にエルフマンのソロ名義として発表されたものである。作曲・編曲・演奏のすべてはオインゴ・ボインゴにより行われたため、実質オインゴ・ボインゴのアルバムとして捉えられている。
作曲家として
ティム・バートンやサム・ライミの映画では常連であり、特にバートンとは『ピーウィーの大冒険』以降、『エド・ウッド』(この時期、喧嘩別れしていたらしい)と『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』と『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を除く監督作全作の音楽と、バートン製作の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の音楽および主人公ジャックの歌パート、さらには声優としても参加するなど、バートン映画に於ける重要な要素の一つとも言える活躍ぶりを示している。『チャーリーとチョコレート工場』で登場するウンパルンパの歌う曲は、すべてダニー・エルフマン一人による声である。
映画音楽の他にも、テレビドラマなどのテーマ音楽も手がけ、アニメ『ザ・シンプソンズ』や『デスパレートな妻たち』、オムニバスドラマ『ハリウッド・ナイトメア』のテーマ曲や、スティーヴン・スピルバーグ製作の『世にも不思議なアメージング・ストーリー』の数エピソードの音楽など、映画以外でも活躍している。最近では、クラシックの世界にも進出し、コンサートなども開いた。近年発売された「Serenada Schizophrana」のCDに、更に磨きがかかったエルフマン流のクラシック音楽が収録されている。