エドワード・レーガン・マーフィ(Edward Regan Murphy, 1961年4月3日 – )は、アメリカ合衆国のコメディアン、俳優、歌手。ニューヨーク・ブルックリン出身。
幼いころに父親が亡くなり、シングルマザーとなった母親も病気で亡くなったため、8歳のときの1年間、兄弟とともに里親のもとで暮らした。
16歳のときからコメディアンとして活動を開始する。19歳で人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にレギュラー出演するようになり、さまざまなコントで人気を博す。世界で最も人気のある喜劇俳優の1人とまで認められる。1982年、『48時間』で銀幕デビュー。『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズなどのコメディ映画に次々と出演し、一世を風靡した。舞台では有名人をこけにするブラックジョークも披露し、1984年にはグラミー賞の最優秀コメディ・アルバム賞を受賞した。
1990年代の一時期は役柄に行き詰まり、人気が低迷したものの、特殊メイクを駆使した『ナッティ・プロフェッサー』シリーズや『ドクター・ドリトル』シリーズで人気を回復する。声優を務めた『シュレック』も好評を呼び、「ドル箱スター」のひとりとしてカムバックを果たした。映画の中で特殊メイクを駆使し、女性や老人、白人といった役柄をこなすことでも有名であり、外見を模倣するだけではなく、それぞれの人種や年齢の特徴を捉えた演技を披露することでも高い評価を受けている。2007年、『ドリームガールズ』のジミー役で第79回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるとともに、第64回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した。マーフィは興行収入1億ドル以上の作品に10作以上出演しているが、アカデミー賞にノミネートされるのも、ゴールデングローブ賞を受賞するのもこれが初めてのことである。「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズで演じたアクセル・フォーリー刑事は2010年、エンパイア誌の「100人の偉大な映画キャラクター」で55位にランクインした。
2012年の第84回アカデミー賞授賞式の司会に決定していたが、授賞式のプロデューサーが降板したことなどから自身も司会を降板した。同年、『フォーブス』の「最もギャラをもらいすぎた俳優ランキング」で第1位を獲得した。2014年5月、2016年に『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズの新作が公開されることが報道された。2016年、ハリウッド映画賞功労賞を受賞した。2020年の第25回放送映画批評家協会賞で、「映画業界の歴史上、最も商業的に成功を収めたアフリカ系アメリカ人であり、業界で最も興行成績を上げる5本の指に入る人物」として生涯功労賞を受賞した。なお、マーフィはこの5年ほど半引退状態だったというが、今後も映画出演の意思はあると表明している。