深作 欣二(ふかさく きんじ、1930年〈昭和5年〉7月3日 – 2003年〈平成15年〉1月12日)は、日本の映画監督・脚本家。愛称はサクさん。
妻は女優の中原早苗。長男は映画監督の深作健太。茨城県緑岡村(現在の水戸市)出身。
茨城大学教育学部附属中学校、水戸第一高等学校、日本大学芸術学部卒業。1953年(昭和28年)に東映へ入社。
アクション映画やヤクザ映画以外でも、『柳生一族の陰謀』『魔界転生』などの時代劇、『火宅の人』『おもちゃ』のような文芸、『ガンマー第3号 宇宙大作戦』『宇宙からのメッセージ』『復活の日』などのSF、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』のようなホラー映画、と幅広い作品を残している。文芸作品に取り組んでも「文芸アクション」と呼ぶ深作にとって、荒唐無稽やウソの物語をいかにリアルに仕上げるかを真骨頂にし、そのような作品では実に楽しそうに撮っていた。「いい監督にとって、役者は単なる色、絵の具でしかないという感じがするときがある。僕はそれは違うと思う。どんなに日にちがかかろうと、金が掛かろうと、芸術映画ならばいいという巨匠もいるが、僕は映画を衰退させたのは、そういう巨匠にも責任があると思う」と語っている。
日本のみならず世界でも劇場公開されており、クエンティン・タランティーノやジョン・ウーらは崇拝していることを明言している。全作品のうち『ファンキーハットの快男児』と『おもちゃ』以外のすべての作品で人の死を描いているが、戦争という巨大な暴力を体験したことで「暴力を描くことで暴力を否定しよう」という考えが根底にあり、決して暴力を肯定していた訳でなく、だからこそ様々な批判を受けても最後まで作風を変えなかった。「私も戦中派のしっぽにぶら下がっているが、今の人間のありようには、エネルギーのようなものが感じられない。平和は結構なことだが、その中で人間が衰弱してしまっているのではないか」と最後の作品でも暴力描写にこだわり、闇市の中で自ら体験した「生きることへの希望」を、再び現代社会に訴えようとした。