河崎 実(かわさき みのる、1958年8月15日 – )は、日本の映画監督、ライター、ラジオDJである。東京都出身。南郷勇一の名義で自らの作品に出演することもある。
ふぐ料理屋の息子として生まれ、『ウルトラマン』など特撮ものや、加山雄三の若大将シリーズに親しんで育つ。明治大学農学部に在学中、映画研究会CINEMAZOにおいて1977年から8ミリ映画を自主製作。『フウト』『√ウルトラセブン~放浪の果てに』『イキナリ若大将』などを製作して高い評価を得る。卒業後、CMプロデューサーを経て1984年にフリーとなりテレビ・映画・オリジナルビデオを監督。ソフトオンデマンドの大ヒット「全裸」シリーズの開拓者。主な作品に『地球防衛少女イコちゃん』『電エース』『いかレスラー』『コアラ課長』『日本以外全部沈没』『兜王ビートル』『ヅラ刑事』『かにゴールキーパー』『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』など。その単なるパロディという概念を超越した過激な演出方法とキャスティングの妙に、バカ映画の巨匠として一部の熱狂的なファンを持つ。また、『いかレスラー』以降、2010年4月1日にトルネード・フィルムが倒産するまでの間は叶井俊太郎プロデューサーとのコンビ作が多かった。
「コンプティーク」などの雑誌にコラムを連載したり、テレビに関する著作を持つなどライター活動も行なっている。1989年にトーワチキより発売されたファミコンのアドベンチャーゲーム『アイドル八犬伝』で、テーマソング『キミはホエホエ娘』の作詞を手がけた。アイドルポップス的なキャッチーなメロディとは裏腹に全く支離滅裂な単語の羅列からなる意味不明な歌詞は、いわゆる「電波ソング」としてゲーム発売から10数年がたった今でもファンの人気を集めている。歌手桃井はるこのアルバム『ファミソン8BIT』内にて、実際にボーカル化された。
1990年代初期にはフジテレビ系のテレビドラマ『世にも奇妙な物語』の監督も数作品するようになる。番組初監督作品「廃校七番目の不思議」は当時スタッフ間でタブーだった“学校の怪談物”を敢えて用いた異色作でもあり、その後も普段とは一風変わった作品を作り出し話題を呼ぶ。
ウルトラシリーズの猛烈なファンとして知られ、本放映当時から雑誌等の切り抜きを集めたスクラップブックを編纂、現在も所有している。その造詣の深さは、怪獣の写っていないスチール写真の背景を見ただけでどの話数か判別がつくほどと言われる[2]。実相寺昭雄監督との親交は公私に渡っており、自作『いかレスラー』などでは監修や題字を依頼している。また、ウルトラシリーズ自体との関わりとしては、『ウルトラマンティガ』第13話「人間採集」の脚本の共同執筆、ショートアニメ『怪獣酒場 カンパーイ!』の監督等がある。
ビートたけしを尊敬しており、『ギララの逆襲』に登場する「タケ魔人」のアフレコという形で実現した。当初は、たけし自身が着ぐるみを着てタケ魔人を演じるというプランも検討された。
2008年、ヴェネツィア映画祭「ミッドナイト部門」に『ギララの逆襲』が正式招待された。2010年、東京都中野区にBar「ルナベース」を開店。関連映像ソフト・ゲームを発売。同店は2017年1月からはレンタルイベントスペースとして営業している。2012年1月、『それいけ!電エース』がキッズステーションにて放送。同シリーズは2014年からクラウドファンディングで製作費を集めて製作を継続している。2015年5月10日、56歳にして、19歳年下の一般人女性と結婚した。