ヴィクター・ウォン(Victor Wong、中国名:黃自強、1927年7月30日 – 2001年9月12日 )はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ出身の俳優。サンフランシスコのチャイナタウンに生まれる。カリフォルニア大学バークレー校でジャーナリズムを学んだ後、シカゴ大学で神学を、San Francisco Art Instituteでマーク・ロスコに師事し、パフォーマンス・アートを学ぶ。
サンフランシスコのテレビ局でニュースキャスターとなるが、俳優を志し舞台からそのキャリアをスタートさせた。舞台活動では地元のアジア系の劇団を経て、ニューヨークの舞台などへも出演。1980年、地元サンフランシスコにおいてアジア系演劇集団の Asian American Theater Companyによる演目『Paper Angels』などへの出演で成功を収めた後に、1985年にウェイン・ワン監督の『Dim Sum: A Little Bit of Heart』では主役に抜擢。同作品は1986年の英国アカデミー賞・外国映画部門にノミネートされ、ウォン自身もこの作品への主演を機に、コメディアンとして人気が絶頂だったエディ・マーフィ主演の『ゴールデン・チャイルド』に出演したほか、ジョン・カーペンター監督の『ゴーストハンターズ』やベルナルド・ベルトルッチ監督の歴史映画『ラストエンペラー』など数々の話題作へ出演している。1997年には、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』でブラッド・ピットとも共演した二度に及ぶ脳梗塞により、俳優業を1998年に引退。
2001年9月12日、心不全で亡くなった。ウォンはそれまで何度か発作を起こしていたが、911テロの直後、ニューヨークに住む二人の息子を気遣い、2日の間眠らずにニュースを見ていたことが一つの要因となったのではと言われている。