ロディ・マクドウォール(Roddy McDowall, 本名: Roderick Andrew Anthony Jude McDowall, 1928年9月17日 – 1998年10月3日)は、イギリスで生まれアメリカ合衆国で活躍した俳優、写真家。
ロンドンにて生まれる。父トマス・アンドルー・マクドウォール(Thomas Andrew McDowall)はスコットランド人、母ウィニフレッド(Winifred)はアイルランド人。幼い頃にナチス・ドイツによるロンドン大空襲から逃れるために家族でアメリカに移住し、『わが谷は緑なりき』の主役級の末っ子役など、子役として数多くの映画に出演した。『名犬ラッシー 家路』(1943年)で共演したエリザベス・テイラーとはそのとき以来の親友であった。しかし、成長するにつれ子役として低迷してしまったため、18歳でニューヨークに移動してブロードウェイで活躍した。1960年には “The Fighting Cock” でトニー賞も受賞している。
その後、映画界に復帰、『史上最大の作戦』や『クレオパトラ』などの大作に出演したほか、『猿の惑星』シリーズでは全5作中4作に出演し、完全特殊メイクによる主人公のチンパンジー、コーネリアス博士役(第1作・3作目)とその息子シーザー役(第4作・5作目)を演じた。
クラシック映画作品の収集家でも知られ、数多くの16mmやビデオテープを所蔵していた。しかし、海賊版なども所蔵していたため、1974年にはFBIによって家宅捜索されたこともある。写真家でもあり、5冊の写真集を出版している(写真集『多重露光』など)。そのためか、1972年放送のドラマ『刑事コロンボ』第6話「死の方程式」では、カメラマニアの殺人犯役でゲスト出演している。マクドウォール自身は、当時人気絶頂の国民的刑事ドラマで犯人役を演じるにあたって、「徹底的なまでに悪を楽しむキャラクターとして役作りを行った。とても楽しい経験だった」と振り返っている。
1985年以降の『フライトナイト』シリーズでは、気弱な吸血鬼ハンター、ピーター・ビンセント役に抜擢され、彼にとって最高の当たり役となる。同作品により世界中のB級ホラー映画ファンから敬愛されるというカルト的なブームも起こった。映画芸術科学アカデミーにも参加し、映画界に貢献した。1998年に70歳で肺癌により亡くなった。火葬された後、遺灰は太平洋に撒かれたという。