ドルフ・ラングレン(Dolph Lundgren, 1957年11月3日 – )は、スウェーデン・ストックホルム出身の俳優・空手家(極真カラテ四段)。修士(化学)。フルブライト奨学生。本名はハンス・ルンドグレーン(Hans Lundgren)。身長公称196cm、体重108kg。愛称は「人間核弾頭」。
スウェーデン王立工科大学在学中に極真会館スウェーデン支部に入門して空手道を学んだ。1979年に日本で開催された第2回オープントーナメント全世界空手道選手権大会にスウェーデン代表として出場。まだ茶帯だったが、2回戦までの2試合ともに膝蹴りで一本勝ちを収めた。3回戦では同大会で優勝した中村誠に3回の延長戦のすえ、判定0対3で敗れた。審判長を務めた大山倍達から「次の世界大会では本命となるであろう選手の一人」と高い評価を受け、空手道選手として将来を嘱望された。当時の格闘技メディアはラングレンを「スウェーデンの若鷹」と称している。1980年と1981年にはヨーロッパ、1982年にはオーストラリアにおいてキックボクシングの大会に出場しこれを制覇している。1988年に来日した際には、極真会館総本部へ総裁である大山倍達を表敬訪問。その場で弐段を授与され、そのやりとりは、極真会館の機関誌である『月刊パワー空手』にも掲載された。東京体育館で1991年11月に開催された第5回オープントーナメント全世界空手道選手権大会と、2011年10月に開催された新極真会の第10回全世界空手道選手権大会で、それぞれ演武を行なった。
アメリカ合衆国でのモデルの仕事を経て、1985年に端役として『007 美しき獲物たち』に出演し映画デビューする。同年『ロッキー4/炎の友情』で敵役イワン・ドラゴ役に抜擢され、その端正な顔立ちとビルドアップされた肉体で一躍脚光を浴びる。ドラゴ役について、当初ラングレンは「背は高いがヘビー級ボクサーを演じるには線が細すぎる」として選考から外れていたが、本人の熱心な売り込みと、空手で鍛えたボクシングにはない軌道のパンチが監督・脚本・主演のシルヴェスター・スタローンの目に留まり、スタローンとともにウエイトトレーニングに励んだ結果、ほぼ筋肉のみで25ポンド(約11.3 kg)の増量に成功。これによりドラゴ役を正式に打診され、アクション俳優としての大きな飛躍のきっかけを作った(スタローンとはその後、2010年の映画『エクスペンダブルズ』でも共演し、2018年には『クリード 炎の宿敵』でふたたびドラゴとロッキーの役で共演している)。これ以降、一貫してアクション映画への出演にこだわり、『ディフェンダー』『レッド・リベンジャー』では監督業にも進出している。
1996年に開催されたアトランタオリンピックでは、近代五種競技のチームリーダーを務めた。