スピーシーズ 種の起源は、1995年公開のアメリカ合衆国の映画。宇宙からの信号に基づくDNA操作実験によって生まれた、“新たな種”の恐怖を描くSFホラー。エロティシズムの強調と、ベテラン勢が結集したSFXが見もの。監督は「カクテル」「ゲッタウェイ(1994)」のロジャー・ドナルドソン。製作は「13日の金曜日」シリーズのフランク・マンキューソ・ジュニアとオリジナル脚本も手掛けたデニス・フェルドマン。撮影は「スピード」のアンジェイ・バートコウィアク、音楽は「告発」のクリストファー・ヤング、美術はジョン・ムート。怪物のデザインを「エイリアン」の前衛画家H・R・ギーガーが担当し、「スター・ウォーズ」「レイダース 失われた聖櫃<アーク>」などで4度オスカー受賞のリチャード・エドランドが視覚効果監修を、「ゴーストバスターズ」「アビス」のスティーヴ・ジョンソンが特殊メイクと怪物のエフェクトを手掛けている。
スピーシーズ 種の起源 映画批評・評価・考察
スピーシーズ 種の起源(原題: Species)
脚本:29点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計76点
第2の『エイリアン』のような画期的なSF作品を目指していた映画だったように思いますが、『スペースバンパイア』の方向に舵を切ったB級映画のように思えます。。。個人的にはそれがいいんですけど。脚本はそれなりによく考えられているし、ナターシャ・ヘンストリッジの文字通り体を張った演技は魅力的ですし、ハマリ役だと思えます。その後人気女優に仲間入りしたにも関わらず、B級映画化している続編2作に出演し、この映画に出演したからこそ今の私があるとメディアに話した彼女の人としての魅力もカルト人気を得た今作の魅力だと思います。この映画のキャストについては、マイケル・マドセンは元々売れてましたが、ミシェル・ウィリアムズ、マーグ・ヘルゲンバーガー、フォレスト・ウィテカー、アルフレッド・モリーナの4人も人気俳優になってます。アルフレッド・モリーナはスパイダーマンのドクター・オクタビアス(オクトパス)役が有名ですね。
スピーシーズ 種の起源 あらすじ(ネタバレ)
約20年前、宇宙に向けて人類が発信したメッセージに返事が帰ってきた。遠い宇宙の彼方の知的生命体は、遺伝子の基であるDNAの不思議な配列を返信していた。フィッチ(ベン・キングスレイ)率いる科学者グループは秘密研究所で、謎のDNAと人類のDNAを結合させる極秘実験を行う。DNAを注入された卵子はわずか数週間で女性の胎児、そして赤ん坊から少女へと成長を遂げた。科学者たちは彼女をシルと命名するが、やがて彼女の危険性を見抜き、抹殺しようとする。
研究所から逃げ出したシル(ミシェル・ウィリアムズ)を捜し出すため、フィッチは各分野から選ばれた特殊チームを編成した。メンバーは、追跡と抹殺のエキスパートのプレストン(マイケル・マドセン)、霊能力者のダン(フォレスト・ウィテカー)、分子生物学者のローラ(マーグ・ヘルゲンバーガー)、異文化行動学の権威アーデン(アルフレッド・モリーナ)の4人。
その間にも絶世の美女に成長を遂げたシル(ナターシャ・ヘンストリッジ)はロサンゼルスに向かい、生殖のために交尾の相手を捜し歩いていた。交尾に成功すれば、シルの種族が急速に繁殖することは必至だった。それは人類の絶滅を意味する。シルを倒すには細胞の一片も残らず焼き払わねばならない。
チームはシルの行動を追うが、ことごとく失敗。アーデンとフィッチが犠牲になりながらも、醜怪な正体を現したシルを地底の洞穴に追い詰めた3人は、死闘の果てに辛くも焼き払うことに成功する。だが、その時すでにシルは子供を産み落としていた……。
スピーシーズ 種の起源 スタッフ
監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:デニス・フェルドマン
製作:フランク・マンキューソ・ジュニア,デニス・フェルドマン
音楽:クリストファー・ヤング
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
編集:コンラッド・バフ
製作会社:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー,フランク・マンキューソ・ジュニア・プロダクションズ
配給:MGM, UIP
スピーシーズ 種の起源 キャスト
ザビエ・フィッチ(研究所所長):ベン・キングズレー
生命体”シル”を生み出した研究所のトップ。自己中心的かつ非常にワンマン。シルの凶暴さを恐れ毒殺しようとしたが失敗し、プレスらを招集した。シルを抹殺することへの思いからか、異形と化したエイリアンを殺処分するがためにプレスとローラを規則と称して無菌室に閉じ込めたり、シルが逃げ込んだ下水管の捜索で頭が混乱したダンの意見を切り捨てるなど、自己中心的ともとれる行動をしてしまう。その結果、エイリアンと化したシルに下水の中に引きずり込まれる形で殺害された。なお、3作目『スピーシーズ3 禁断の種』の主人公であるアボット博士はかつての助手。
プレス・レノックス(問題解決屋):マイケル・マドセン
問題解決屋。ファーストネームは「プレストン」。ニヒルな性格だが、強運の持ち主。召集される前、飼い猫を親戚の老婆に預けている。”シル”討伐がきっかけでローラと知り合い、後に恋仲となって一夜を共にする。最終決戦ではナイフを用い、”シル”の触手を切断したうえで火の海と化した石油の湖に放り込む。ダンを道連れにしようとしたシルの頭部にショットガンを浴びせ殺害し一連の追跡劇を終わらせた。本作と次作の間に警備会社を設立し社長職についている。
スティーブン・アーデン(人類学者):アルフレッド・モリーナ
ハーバードの人類学者。女好きだが、プレスに負けず劣らずのニヒル。ローラに好意を持っても全く相手にされず、シルが死を偽装した後のパーティーで女性2人にナンパするも連れの男性がいることに気づくなど女運が悪くそれが彼の末路へと繋がってしまう。プレスとローラが無菌室に閉じ込められた際、ダンがフィッチと揉み合いになった隙を突き、緊急ボタンを押したことで2人の脱出に貢献するが、終盤で自分の客室にシルが忍び込んでいることに気づかず謎の茶髪の美女と性交をした結果、その美女がシルであることとその美女と交尾をしたことに気づくも時すでに遅く、口封じされる形で殺害された。
ダン・スミスソン(霊能力者):フォレスト・ウィテカー
霊能力者。細心かつ用心深い性格。プレスとローラが無菌室に閉じ込められた際、扉を開けようとしないフィッチと対立。揉み合いとなり、アーデンが緊急ボタンを押す隙を作った。自らの霊能力を駆使してシルを追い詰め、彼女が車ごと崖に落ちたことで彼女が死んだと判断されるが、持ち前の霊能力ゆえにごまかされず、茶髪の美女の正体がシルであることにいち早く気付いた。フィッチの死後、彼が持つ火炎放射器を武装し、興味本位で謎の子供に接触した際、その子供に襲われたことでシルが産み落とした子供であることを確信。シルの子供に火炎を浴びせ殺害するも、その反動で崖に落ちそうになり、シルに道連れにされそうになりながらも、プレスがシルを始末したことによって九死に一生を得た。
ローラ・ベイカー(分子生物学者):マーグ・ヘルゲンバーガー
分子生物学者。理知的なキャリアウーマンだが、時折アグレッシブな行動を魅せる。新たなエイリアンを生み出す際のトラブルがきっかけでプレスと深い仲となり、それが幸いしてプレスがシルと交尾することを回避している。終盤、研究者仲間のアーデンとフィッチを失うも、プレスの手でシルを撃退することに成功し、プレスとダンと共に生還を果たす。本作と次作との間にアメリカ軍で研究所を設立し、シルのクローン・”イヴ”を誕生させ、フィッチの失敗を繰り返さないよう厳重に育てている。
シル:ナターシャ・ヘンストリッジ / 少女シル:ミシェル・ウィリアムズ / エイリアン・シル(声):フランク・ウェルカー
人間と未知のDNAを結合させて誕生した生命体。フィッチの手で毒殺されそうになるが、凶暴性を発揮し脱出。脱出劇のさなかで体に異変が起き蛹となって少女の姿から大人の女性へと成長する。交尾相手の男性を求め街をさまようが、プレスに追跡されていることに気づき、それを逆手に自分が車ごと崖から転落して死亡したと偽装することで追跡を交わし、茶髪に染め、プレスを誘惑しようとするが、忍び込んだ客室の主がアーデンであることに気づき彼と交尾し、感づいた彼を口封じに殺害する。さらにフィッチを下水の中に引きずり込んで殺害するも、産み落とした子供がダンに始末され、プレスを襲うが逆に返り討ちにされる。最期はダンを道連れにしようと悪あがきをするが、プレスによって自らも始末された。
助手:ジョーダン・ランド