スナッチは、2000年公開のイギリスとアメリカ合衆国の合作映画。1個の大粒ダイアモンドを巡って悪くてタフな連中が騒動を巻き起こすポップでスピーディな群像劇。ガイ・リッチー監督のデビュー作である前作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と同じスタイル、アイディア、モチーフを踏襲し、一部出演者も前作と重複しています。また、主演のジェイソン・ステイサムが、公開当時それほど有名でなかったためポスターにはブラッド・ピットをメインに使っています。
スナッチ 映画批評・評価・考察
スナッチ(原題:Snatch)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:10点
音響・音楽:9点
合計92点
アクションしないジェイソン・ステイサムが主演しているんですが、ピンチでもどこか余裕を感じさせる度胸が据わった主役にピタリとハマっています。今観ると、実はすごい奴オーラが漂っているような気もします。この映画の面白いところは、”俳優”です。これほど、おもしろい演者がおもしろいセリフと演技・演出で暴れまわる作品にはそうそう出会う事ができません。ガイ・リッチーのスタイリッシュな演出にピタリとハマる編集にジョン・ハリスが起用されています。編集のクリエーターでお客を呼べる方はこの人くらいだと思います。ブラック・ユーモアとジョークにバイオレンスとコメディを加えたガイ・リッチー監督の傑作です。個人的に好きな映画の上位で、観てない人には、必見やで!と、お薦めする作品です。
スナッチ あらすじ
ロンドンの下町イースト・エンド。非合法ボクシングのプロモーター、ターキッシュ(ジェイソン・ステイサム)と相棒トミー(スティーヴン・グレアム)は、裏会社の大物になろうと、ノミ屋経営で大儲けしている悪党ブリック・トップ(アラン・フォード)に接近し、彼のために八百長試合を仕込むことになる。当日使うボクサーを連れパイキー流浪民のキャンプを訪れた彼らだが、トラブル発生。ボクシングで勝負させたものの、パイキー青年ミッキー(ブラッド・ピット)がボクサーをノック・アウトしてしまったのだ。一方、ベルギーでは86カラットのダイヤが盗まれる事件が起きており、強盗団の一人、4本指のフランキー(ベニシオ・デル・トロ)は、ダイヤをNYのボス、アヴィー(デニス・ファリーナ)に届けねばならなかったが、途中で小粒の盗品をさばくためにロンドンに寄り、非合法ボクシングの賭けで罠にはめられる。フランキーからの連絡が途絶えて業を煮やしたアヴィーが、ロンドンにやってくる。こうして事態は大混乱に陥っていくのだった。
スナッチ スタッフ
監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
製作:マシュー・ヴォーン
製作総指揮:スティーヴン・マークス,ピーター・モートン,アンガッド・ポール,トルーディ・スタイラー,スティーヴ・ティッシュ
音楽:ジョン・マーフィ
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
編集:ジョン・ハリス
製作会社:SKAフィルムズ,マシュー・ヴォーン・プロダクション
配給 :コロンビア映画,SPE
スナッチ キャスト
ターキッシュ:ジェイソン・ステイサム
裏ボクシングのプロモーター。飛行機事故が名前の由来。口癖は「ドイツ兵」。主人公であり物語の狂言回しでもある。
トミー:スティーヴン・グレアム
スロット店を営むターキッシュの相棒。ターキッシュからは憎まれ口を叩かれつつも弟同然に可愛がられている。19世紀のバレエダンサーが名前の由来。
ミッキー・オニール:ブラッド・ピット
体じゅうに刺青があるパイキーの若者で、仲間内ではリーダー的存在。素手ボクシングのチャンピオンであり、大柄なボクサーも一発で沈めるパンチ力を持つ。
フランキー・”フォー・フィンガー”:ベニチオ・デル・トロ
ニューヨークマフィア。アントワープで大粒のダイヤを強奪する。重度のギャンブル中毒で、過去の失敗により指を1本失っており、「フォー・フィンガー」の異名で呼ばれている。
ソル:レニー・ジェームズ
質屋を経営する黒人。ケチなチンピラだが、ボリスの依頼によって事件に巻き込まれることになる。
ヴィニー:ロビー・ギー
ソルと行動を共にする黒人。軽い性格。ソルと同じく事件に巻き込まれる。
タイロン:エイド
ソルに雇われた「逃がし屋」の大柄な黒人。「逃がし屋」のはずなのに車の運転が苦手。
ゴージャス・ジョージ:アダム・フォーガティ
ターキッシュに雇われている専属ボクサー。
アビー:デニス・ファリーナ
ニューヨークマフィアのボス。フランキーにダイヤ強盗の指示をした張本人。フランキーが行方不明になった事からダイヤを心配し、ロンドンへ飛ぶ。
“ブレット・トゥース”・トニー:ヴィニー・ジョーンズ
一度に6発の銃弾を受けながら、歯で銃弾を受けて生き延びたことがある凄腕の賞金稼ぎ。フランキー探索のため、アビーに雇われる。
ボリス・”ザ・ブレイド”:ラデ・シェルベッジア
通称「弾丸をくぐる男」。銃火器の商売をするロシア人。根性曲がりでタフな性格。フランキーの強盗仲間の中に同じロシア人の兄弟がいる。
ダグ・”ザ・ヘッド”:マイク・リード
宝石商を営むアビーの従兄弟。盗品のダイヤも扱っている。裏社会で彼を知らないと潜りとされる。商売に有利なため、ユダヤ人のふりをしている。
ブリックトップ:アラン・フォード
裏ボクシングの元締めであり、ギャングのボス。裏切り者や気に食わない者は容赦無く殺し、豚の餌にする。
ダレン:ジェイソン・フレミング
パイキーの若者。
マレット:ユエン・ブレムナー
情報屋。トニーに痛めつけられ、ノミ屋の襲撃犯がソルたちであることを教える。