ショーン・オブ・ザ・デッドは、2004年にイギリスで製作されたホラー映画。ゾンビ映画の金字塔『ゾンビ』(原題: Dawn of the Dead)をパロディにした作品。突如として街に出現したゾンビの大群から恋人を救うべく立ちあがったダメ男の奮闘を描き、低予算ながらイギリスで大ヒットを記録したゾンビコメディ。ホラー映画だがコメディでもあり、ラブ・ストーリーも絡んでくるので、公開時のコピーは”Rom Zom Com”だった(Rom=Romance, Zom=Zombie, Com=Comedy)。
ショーン・オブ・ザ・デッド 映画批評・評価・考察
ショーン・オブ・ザ・デッド(原題:Shaun of the Dead)
脚本:34点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:10点
音響・音楽:8点
合計86点
『ゾンビ』の生みの親であるジョージ・A・ロメロが今作を大変気に入り、『ランド・オブ・ザ・デッド』に監督のエドガー・ライトとサイモン・ペグを招待し、カメオ出演させています。
ゾンビ映画としてもコメディ映画としても、おもしろい映画で演出やセリフなど笑いのセンスが良く、随所笑えるシーンがある。コメディ色が強いのにも関わらず、きちんと恐怖感・緊張感が保てていて特撮もしっかりしている。サイモン・ペッグとニック・フロストの絶妙なやりとりや笑いの演出は、まるでドリフ!8時だよ全員集合を思い出した。
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ショーン・オブ・ザ・デッド あらすじ(ネタバレ)
ロンドンの家電量販店に勤める青年ショーンは、職場では冴えなく、家でも共同生活を送ってる親友のエドと自堕落な生活を過ごしていた。そしてその無気力さに業を煮やした恋人のリズに振られてしまう。すっかり落ち込んだショーンは遂に更正を決意する。しかしその朝街中では蘇った死者がさまよい歩き始めていた。人々が次々と死者の犠牲になる中、ショーンはエドと共に、リズを救い出そうと彼女の元に向かおうとするが…。
ショーンは家族や友人たちと身を守るためにパブに立てこもる。やがて建物は多くのゾンビに取り囲まれ侵入してくる者を撃退しつづけていたが、ついに雪崩れ込まれ一同は襲われる。
絶望的な状況の中ショーンとリズがなんとか抜け出したところに軍隊が現れゾンビは一掃されることとなる。
仲間のために必死で闘ったショーンであったが、その騒動から半年後のある日曜日の朝、彼はリズと共にソファーの上でくつろぎながらこれまでどおり食事は行きつけの店へ向かい後はまた家でだらだらして1日を過ごそうと考えている。そしてテレビには人間に制御されながら社会に馴染みつつあるゾンビたちの様子が映し出されている。
ショーン・オブ・ザ・デッド スタッフ
監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト,サイモン・ペッグ
製作:ニラ・パーク
製作総指揮:ティム・ビーヴァン,エリック・フェルナー,アリソン・オーウェン,ナターシャ・ワートン,ジェームズ・ウィルソン
音楽:ダン・マッドフォード,ピート・ウッドヘッド
撮影:デヴィッド・M・ダンラップ
編集:クリス・ディケンズ
製作会社:スタジオカナル,ワーキング・タイトル・フィルムズ,WT2プロダクションズ,ビッグ・トーク・プロダクションズ,フィルム4・プロダクションズ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
ショーン・オブ・ザ・デッド キャスト
ショーン:サイモン・ペッグ
ロンドンの家電量販店に勤めている冴えない男。29歳。職場では自分よりも年下の部下に完全になめられている。私生活では親友であるエドとピートの3人で共同生活をしている。リズとは3年間恋人関係にあったが、デートにはいつも親友のエドを連れてくる上にデートの場所はいつもパブ「ウィンチェスター」でムードぶち壊しで全く進展せず、約束も破り続け、ディナーの予約をし忘れたのを機についに振られてしまう。そんな時に街中にゾンビが溢れだし、遅まきながらも事態の深刻さに気づいたショーンは、元恋人のリズと母親を救うためにエドと共に都合のいいプランを考えて行動を起こす。
職場に行く前は、自宅の通りにある顔なじみの店でビールを買うことが多い様子。また、エドにアイスを買ってくるように言われて店に向かった際にゾンビが徘徊している通りを普通に歩いて襲われることもなく無傷で帰宅するなど運がいい反面、勘が鈍い(前の晩に「ウィンチェスター」で酒をかなり飲んで酔っぱらっていたのが原因の一つだが)。実父を幼い時に亡くしておりフィリップは義父にあたるが気難しく厳格な性格なため敬遠している。
エド:ニック・フロスト
ショーンとは小学生の時からの親友。デブでニート(ただし、時々近所のガキにマリファナを売りつけて小遣いを稼いでいる)である。昼間からビールを飲み、1日中だらだらとゲームをしたりして堕落した生活を送っている。場の空気を全く読まずに好き勝手なことばかりしてはショーンを困らせている(ゾンビの群れに囲まれているにもかかわらず、呑気に携帯電話で話すなど)。しかしショーンがリズに振られて落ち込んだ際はパブに連れていって励ますなど基本的には友達想い。逆に同居人のピートとは非常に仲が悪く「カス野郎」と言ったことがある。透かしっ屁をしてはショーンにわざと謝って反応を楽しんでいる。『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』に登場するオランウータンの物真似が得意。作中には登場しないが妹がおり、過去に空気銃で妹の足を撃ったことがある。
リズ:ケイト・アシュフィールド
ショーンの彼女。ショーンとはギリシャへ旅行に行った時に出会った。一向に進展しない関係に嫌気がさし、ついに彼を振ってしまう。街中がゾンビで溢れた時はマンションの部屋にデービッドとダイアンと一緒に立て篭もっていたが助けに来たショーンの誘いでパブ「ウィンチェスター」へ行くことになる…。当初は進展しないショーンに厳しい態度で接していたがゾンビ騒動の中、皆を守ろうとする彼に対して考えを改めるようになり次第に彼に惹かれていき、ショーンの良き理解者となっていく。
デービッド:ディラン・モーラン
ダイアンの彼氏。大学で講師をしている。本当はリズのことが好きだったが学生時代に振られている。リズの恋人である冴えないショーンと、その親友のだらしないエドを内心よく思っておらず、みんなを先導しようとするショーンと衝突することになる。優柔不断な面があるが、ショーンに対抗してリーダーシップをとろうと後先考えずに行動し、結果的にゾンビたちを呼び寄せる事となる。ショーン曰く「嫌な奴」(吹き替えでは「カス野郎」)。講師であることから学者のような発言や正論を言っている時もあるが、基本的に憶病な性格で、街中にゾンビが徘徊している深刻な現状に誰よりも馴染めていない。車は所有していない(本人曰く「ロンドンで車を持っていても意味がない」との事」)
ダイアン:ルーシー・デイヴィス
デービッドの彼女。売れない女優。リズに振られて傷心のデービッドに近づいて恋人関係になる。デービッドがリズをいまだに忘れられずにいるのを知っているが、それでも彼を愛す一途な一面を持っている。女優らしくゾンビを観察してショーンたちにゾンビの動きをレクチャーする。ショーン曰く「大根役者」(吹き替えでは「売れない女優」)。デービッドを愛しているため、周りが見えなくなる一面があるが、普段は物分かりが良い性格で口論になりそうな時は仲裁に入ることが多い。車の免許を獲得しているが、デービッドと同様に車は持っていない。
バーバラ:ペネロープ・ウィルトン
ショーンの実母。前夫とは死別しており現在の夫はフィリップ。街中がゾンビであふれ返っている深刻な状況もいまいち理解していない様子。息子のショーンのことをピクルスという愛称で呼んでいる。
フィリップ:ビル・ナイ
バーバラの夫でありショーンの義父。ショーンが12歳の時にバーバラと再婚している。ショーンに対しては立派な大人になってもらいたいとの思いから厳格に接しており、ショーンからは敬遠されている。ゾンビ騒動で家内に入り込もうとしたゾンビに噛まれる。愛車はジャガー。騒音のような騒がしい音楽を嫌う。
ピート:ピーター・セラフィノウィッツ
ショーンとエドと一緒に暮らしているルームメイト。企業に勤めておりマイカーを持っている。ショーンには一定の理解を示しているが、一向に働かずただ家を散らかすだけのエドとは非常に仲が悪い。事件の前晩、帰宅中にゾンビに噛まれており自宅のバスルームで全裸のままゾンビ化してしまう。
イヴォンヌ:ジェシカ・ハインズ
ショーンの友人でリズとも面識がある。最近家を買った。ショーンと同様、生き延びるために彼氏のデクランと友人のマーク、マギー、更に母と従弟のトムを引き連れてゴルフクラブを手に行動を起こす。
マリー
オープニングに登場した女性でショーンが最初に遭遇したゾンビ。ショーンの自宅の庭で彼に襲い掛かるが突き飛ばされ、むき出しになっている鉄パイプが腹部を貫通。ショーンは彼女を殺してしまったと思ったがすぐに起き上がり、街で起きている深刻な事態を気づかせた。なお、彼女に次いで庭に現れた巨漢のゾンビ(演:マーク・ドノヴァン)は、生前の彼女が勤務していたスーパーマーケットにまでつきまといを行っていたストーカーであり、ゾンビと化した彼女の最初の犠牲者でもある。
ノエル:レイフ・スポール
ショーンが勤務する家電量販店で、彼に対して舐めきった態度をとっていた部下の筆頭格。ゾンビ騒動が落着して6ヶ月後、マリーが勤めていたスーパーマーケットにおいて、生前とはうって変わった寡黙さと勤勉さでカート押しの仕事にはげむ彼の姿がテレビで流された。
サッカー少年
ショーンの自宅で側でサッカーをしている少年。ショーンが出かけるといつも彼にボールを当ててしまっている。なおその際、ショーンに「お前はすでに死んでいる」と言われゾンビ騒動時に文字通りゾンビとなり、ショーンにボールを当ててきたがゾンビの習性に生前の習慣を行うと言うものがあるためボールはワザとショーンに当てていたと思われる。
ホームレス
ショーンの自宅の通りで金を恵んで貰うために毎日うろついている犬を連れた不労者の男性。ショーンが勤務先に行く前に彼に金を恵んだが、ゾンビ騒動時、ゾンビ化して通りを徘徊しておりショーンはゾンビと気づかずにいつも通り接していた。
ネルソン
ショーンが行きつけの店の店主でショーンと顔なじみの初老男性。ゾンビ騒動時はゾンビ化しておりショーンが店に来た時は店の奥から登場したが、ショーンは気づかずに少ない代金で店を出ていくが、ショーンが事の重大さに気づいた時に金が足りないというようなポーズで再び登場した。
紳士
ショーンの自宅近くにあるネルソンの店(おそらく常連だと思われる)にいる長身で髭を生やした英国紳士。ゾンビ騒動時は左腕のないゾンビと化してショーンの自宅に侵入しショーンやエドに襲い掛かるが、テレビのキャスターの助言でエドによって灰皿で頭を殴られて止めを刺される。
マラソンマン
ショーンの自宅の通りでいつもジョギングしている眼鏡をかけた男性。ゾンビ騒動時は通りにいた住人の中で彼のみ生き残っており、得意の足の早さでゾンビから逃げていた。その際にショーンとすれ違っている。なお、ショーンがイヴォンヌと再会する前に、一列で「ウィンチェスター」に向かう一同の後ろで彼と思わしき人物が逃げていた。パブ「ウィンチェスター」の常連客。人物設定はあくまでエドの想像である。
ジョン
パブ「ウィンチェスター」のマスター。イギリス北部をしきるマフィア。見た目からは想像もつかないがナイフさばきや粗暴な態度であることから相当の悪だと思われる。今の女房は若い時の戦利品である。店の名前が「ウィンチェスター」で実銃のウィンチェスターも展示してあるのは”その筋”の人間だかららしい。得意料理はホットサンド。
スネークヒップス
「ウィンチェスター」の常連客の老人。重婚者。最初の妻をセロテープで窒息死させている。移動ディスコを発明し儲けたらしい。
老婆
「ウィンチェスター」の常連客の老婆。元ポルノ女優。ペニス中毒でセックス狂。何でもやっていて世界初の異人種のハードコアにも出演した。本番モノの草分けの一人として知られているらしい。