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シンドラーのリスト|第二次大戦下、1200人のユダヤ人をナチスの虐殺から救った実在のドイツ人実業家の姿を、ドキュメンタリー・タッチで描いた大作

シンドラーのリスト
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シンドラーのリストは、1993年公開のアメリカ合衆国の映画。第二次世界大戦時にドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が東欧のドイツ占領地で進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で絶滅収容所送りを阻止し、その命を救った実話を描く。ホロコーストに関する映画の代表的作品として知られる。第66回アカデミー賞では最優秀作品賞・監督賞ほか、7部門を受賞した。トマス・キニーリーの同名ノンフィクション小説を「レナードの朝」のスティーヴン・ザイリアンが脚色し、「ジュラシック・パーク」のスティーヴン・スピルバーグが映画化。

シンドラーのリスト 映画批評・評価・考察

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シンドラーのリスト(原題:Schindler’s List)

脚本:40点
演技・演出:20点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計100点(満点)

一人の人間を救う者は、全世界を救う。(Wer einen Menschen rettet, rettet die Ganze Welt.)」この作品の中でも一際重い意味を持つセリフであり、シンドラーの墓石に彫られている言葉になります。

監督の人選について
監督候補にはビリー・ワイルダー、マーティン・スコセッシ、ロマン・ポランスキーなどが挙がっていました。結局ユニバーサル側が提示した「『ジュラシック・パーク』の監督もやる」条件を受け入れスピルバーグが監督となりました。1982年に原作の映画化権を手に入れたスピルバーグは、その後10年近く構想を練り企画を温めた後、この映画の制作に着手したそうです(スピルバーグ自身もユダヤ系アメリカ人である)。なお、スピルバーグは「血に染まった金は貰えない」として、監督料の受け取りを拒否しています。
オスカー・シンドラーの人物像について
脚本家曰く、シンドラーは善と悪を持ち合わせた男で、それゆえに葛藤するということがテーマであるといいます。作中のオスカー・シンドラーの人物像は元・タイム・ワーナーの会長スティーブ・ロスをモデルにしています。撮影当時、既にロスは他界していましたが、スピルバーグは彼を「自分の人生で出会った中で最も優しい心を持った人物」であったと語っています。エンドロールにも「スティーブ・ロスに捧げる」と表記されています。
音楽について
音楽担当のジョン・ウィリアムズは、フィルムを観て自分には荷が重すぎると感じ、スピルバーグに「この作品には自分よりもっと適任の作曲者がいると思う」と進言しましたが「知ってますよ、でもその人たちはみんなすでに故人なんです」と返されました。彼はこの作品でアカデミー作曲賞、英国アカデミー賞 作曲賞を受賞しました。
作品の評価について
第66回アカデミー賞では12部門にノミネート、そのうち作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門で受賞しました。スティーヴン・スピルバーグは、それまでも「優れた娯楽映画をつくる映画監督」として映画界からも大衆からも高く評価されていましたが、それまで手掛けた『太陽の帝国』や『カラーパープル』など深刻なテーマの作品は評価されず、本作において念願のアカデミー最優秀作品賞・監督賞受賞を果たしました。


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シンドラーのリスト あらすじ(ネタバレ)

1939年、ポーランド南部の都市クラクフにドイツ軍が侵攻した。ドイツ人実業家のオスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)は、一旗揚げようとこの街にやって来た。彼は金にものを言わせて巧みに軍の幹部たちに取り入り、ユダヤ人の所有していた工場を払い下げてもらう。ユダヤ人会計士のイツァーク・シュテルン(ベン・キングズレイ)をパートナーに選んだシンドラーは、軍用ホーロー容器の事業を始める。1941年3月、ユダヤ人たちは壁に囲まれたゲットー(居住区)に住むことを義務づけられる。シュテルンの活躍で、ゲットーのユダヤ人たちが無償の労働力として、シンドラーの工場に続々と集められた。事業はたちまち軌道に乗り、シンドラーはシュテルンに心から感謝したが、彼の差し出すグラスにシュテルンは決して口をつけようとしなかった。シンドラーはドイツ人の愛人イングリートをはじめ、女性関係は盛んな男だった。別居中の妻エミーリェ(キャロライン・グッドール)は、そんな奔放な夫の生活を目撃し、彼の元を去った。1943年2月、ゲットーが解体され、ユダヤ人たちはプワシュフ収容所に送られることになった。ゲットーが閉鎖される当日、イングリートを連れて馬を走らせていたシンドラーは、小高い丘からその様子を目撃した。親衛隊員たちは住民を家畜のように追い立て、抵抗する者、隠れようとする者、病人など、罪もない人々を次々に虐殺していった。その悲惨な光景の中、シンドラーの目に赤いコートを着た少女が隠れるところが映る。(このコートの赤はパート・カラーで示される)収容所に着任したアーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)は所内を見下ろす邸宅で、酒と女に溺れる生活を送る一方、何の感動もなく無造作に囚人たちを射殺していた。シンドラーは地獄図に耐えかねて、生産効率の向上という名目でユダヤ人労働者を譲り受け、私設収容所を作ることを許可してもらう。シンドラーは、ゲートのメイドとして働くヘレン(エンベス・デイヴィッツ)にも希望を与える。1944年、敗色濃いドイツ軍は、ユダヤ人をアウシュヴィッツをはじめとする死のキャンプに送り込みはじめた。シンドラーはチェコに工場を移すという理由で、ユダヤ人労働者を要求する。急ぎリストアップされたのは1200人。途中、女性囚人がアウシュヴィッツへ移送されたが、シンドラーは役人にワイロを渡し、彼女たちを救い出す。彼の工場は武器弾薬の製造にも、徹底して不良品を作ることで抵抗する。やがて1945年、ドイツ無条件降伏。ユダヤ人は開放された。ユダヤ人たちの感謝の念と涙に見送られながら、″戦犯″であるシンドラーは彼らに別れを告げた。

シンドラーのリスト スタッフ

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:トーマス・キニーリー『シンドラーの箱船』
原題 Schindler’s Ark
米国改題『シンドラーのリスト』Schindler’s List
製作:スティーヴン・スピルバーグ,ジェラルド・モーレン,ブランコ・ラスティグ
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
製作会社:アンブリン・エンターテインメント
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ,UIP

シンドラーのリスト キャスト

オスカー・シンドラー:リーアム・ニーソン
イザック・シュターン:ベン・キングズレー
アーモン・ゲート:レイフ・ファインズ
エミリエ・シンドラー:キャロライン・グッドール
ポルデク・ペファーベルグ:ジョナサン・セガール
ヘレン・ヒルシュ:エンベス・デイヴィッツ
マルセル・ゴルトベルク:マーク・イヴァニール
ユリアン・シェルナー:アンジェイ・セヴェリン
ミラ・ペファーベルグ:アディ・ニトゥザン
カジャ・ドレスナー:ミリー・ファビアン
ダンカ・ドレスナー:アンナ・ミュシャ
メナーシャ・レヴァルトー(ラビ):エズラ・ダガン

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