旅立ちの時は、1988年公開のアメリカ合衆国の映画。両親がテロリストとして指名手配されているある家族の愛と成長を描く。23歳で亡くなった名優リバー・フェニックスが、複雑な家庭環境に葛藤し、成長していく少年を繊細に演じ、アカデミー助演男優賞にノミネートされた感動の青春ドラマ。
旅立ちの時 映画批評・評価・考察
旅立ちの時(原題:Running On Empty)
脚本:31点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点
「スタンド・バイ・ミー」「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」などで生前人気を博しながら、1993年、若くして急逝したフェニックス。ファン必見の代表作の一本が本作です。自身も両親が宗教団体の活動家で、各地を転々としながら育ったフェニックス。自身と共通項が多い本作での役柄を繊細かつ魅力的に好演。アカデミー賞では助演男優賞候補でしたがが、むしろ主演だったといえそうなその熱演を観ておきましょう。
主人公の両親のモデルは、1970年代に政府ビルの爆破などのテロ行為を行った過激左翼グループ「ウェザーアンダーグラウンド」の指導者ビル・エアーズと妻のバーナディン・ドーンとされています。2008年、この左翼テロリスト夫婦はバラク・オバマと大変親しい関係が過去より続いていたと報道されました。
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旅立ちの時 あらすじ(ネタバレ)
アーサー(ジャド・ハーシュ)とアニー(クリスティン・ラーティ)の夫婦は、60年代の反戦運動の際にFBIにテロリストとして指名されたことにより、彼らの家族は以来各地を転々としていた。
ある時一家はニュージャージーの小さな田舎にたどり着く。長男のダニー(リヴァー・フェニックス)は、この地の学校で音楽教師のフィリップス(エド・クローリー)に才能を認められ、やがて彼はフィリップスの娘ローナ(マーサ・プリンプトン)と出会い、2人は恋におちる。
その頃、一家にはかつての同士ガス(L・M・キット・カースン)が訪ねてくるのだが、ある日時を経て彼が銀行強盗で警察に逮捕されたとの報が届き、彼らの生活は窮地に立つ。ダニーも音楽への夢とローナへの思いを心に残しつつも、家族と行動を共にしようとしていた。
ところがアーサーとアニーは、彼に自分の歩きたい道を生きればいい、と告げる。今ダニーは、家族と別れて自分の道を1人で歩いてゆく決意を胸に抱くのだった。
旅立ちの時 スタッフ
監督:シドニー・ルメット
脚本:ナオミ・フォナー
原作:ナオミ・フォナー
製作:エイミー・ロビンソン,グリフィン・ダン
製作総指揮:バート・ハリス,ナオミ・フォナー
音楽:トニー・モットーラ
撮影:ジェリー・フィッシャー
編集:アンドリュー・モンドシェイン
制作会社:ダブルプレイ・プロダクション
製作会社:ロリマー・フィルム・エンタテインメント
配給:ワーナー・ブラザース,東宝東和
旅立ちの時 キャスト
ダニー:リヴァー・フェニックス – 17歳の少年。
アニー:クリスティーン・ラーティ – ダニーの母親。実家は裕福。
ローナ:マーサ・プリンプトン – ダニーの同級生。
アーサー:ジャド・ハーシュ – ダニーの父親。両親は元ボリシェヴィキ。
ハリー:ジョナス・アブリー – ダニーの10歳の弟。
フィリップ先生:エド・クロウリー – ローナの父親で音楽教師。
フィリップ夫人:スローン・シェルトン – ローナの母親。
ガス・ワイナント:L・M・キット・カーソン – アーサーとアニーの仲間。
バターソン:スティーヴン・ヒル – アニーの父親。
バターソン夫人:オーガスタ・ダブニー – アニーの母親。
ジョナ歯科医:デヴィッド・マーグリーズ – アニーの勤め先の医師で仲間。