猿の惑星: 創世記(ジェネシス) 96点

猿の惑星:創世記

『猿の惑星』シリーズの新作で、新たなシリーズの起点(リブート)と位置づけられたオリジナル・ストーリー。
過去6作の猿の惑星と今作の大きな違いは、特殊メイクだった猿が完全なCGとなります。現代の技術力だからこそできる圧倒的なリアリティのある表現力が可能となりました。

また、今作の凄いところは、序盤はジェームズ・フランコ(人間側)の視点から、最終的に(猿側)の視点のストーリーに変わっていきます。主人公もジェームズ・フランコ演じるウィルからアンディ・サーキスが演じるシーザーへ移っていきます。ストーリーの構成で視聴している側の心を動かすのは画期的な作品だと思います。感情を豊かに表現できるジェームズ・フランコに見劣らないシーザーの表情だけの演技がすごいと思いました。

このシリーズの凄さは、人間と同様に猿の感情の変化を、表情で表現できるようになった事が物語に深みを与えています。

企画
原題には過去に『Caesar』『Caesar: Rise of the Apes』『Rise of the Apes』と呼ばれていた。
本作は旧シリーズの特定の作品のリメイクではないが、旧シリーズのいくつかの要素が取り入れられている。
監督を務めるルパート・ワイアットは「これは神話の一部分であり、そう見えるようにしなくてはならない。他の映画との関連はなく、オリジナル・ストーリーである。旧作が好きな人も満足してくれるだろう。『バットマン ビギンズ』のようにファン層を取り込めるかでこの映画の真価が問われる」と語った。
キャスティング
アルツハイマー型認知症治療の研究者をジェームズ・フランコが演じる。当初、フランコの役にはトビー・マグワイアが検討されていた。
2010年6月22日、フリーダ・ピントーとジョン・リスゴーの参加が判明した。
シーザーを演じるのは、キングコングを演じた経験を持つアンディ・サーキスである。


猿の惑星: 創世記(原題:Rise of the Planet of the Apes)


脚本:39点
演技・演出:18点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:9点
合計96点

あらすじ(ネタバレ)

製薬会社ジェネシス社に勤める神経学者のウィルは、ウイルスを用いたアルツハイマー遺伝子治療薬ALZ112を開発し、実験台として雌チンパンジーのブライトアイズに投与する。ALZ112により劇的に知能を向上させたブライトアイズの成果からウィルは、更なる臨床試験の許可を得ようとジェネシス社幹部達を説得するが、その最中にブライトアイズは密かに身籠っていた子猿を守ろうとして凶暴化し射殺されてしまった。

進めていた研究が凍結され職場を自宅へと移したウィルは、ブライトアイズが遺した雄の子猿を引き取り、その子猿をシーザーと名付け育て始める。ブライトアイズの遺伝子を受け継いだシーザーもまた成長するにつれて母猿のような高い知性を示すようになり、やがて人間に匹敵する複雑な情緒と、手話アメスランによる会話を成立させるほどになる。

そんなシーザーの様子を見たウィルは、アルツハイマー型認知症に冒されている父チャールズを見ていられず社に秘密裏にALZ112を投与、身勝手な人体実験ながらチャールズの認知症を見事回復させる事に成功する。さらにシーザーの怪我がきっかけで知り合った獣医キャロラインとウィルは親しくなり、二人は相思相愛の仲となってゆく。

しかし幸せな時間は長くは続かなかった。それから5年の月日が流れ、チャールズの身体にALZ112への抗体が出来た事で、却ってチャールズのアルツハイマーが悪化してしまう。ある日、チャールズは再発したアルツハイマーの結果隣人とトラブルを起こし、その光景を窓から眺めていたシーザーはチャールズを守ろうとして隣人に怪我を負わせてしまい、ランドン親子が経営する霊長類保護施設に送られる。

人間の家庭で普通の猿を知らないまま育ったシーザーは、当初施設の猿達と上手く馴染めず、しかも横暴なランドン親子の度重なる虐待を受け、人間に対して深い失望感と憎悪を抱くようになる。やがて、同じ施設に収容されていたとりわけ人間から虐待されて育ったゴリラのバックや手話を使えるサーカス出身のオランウータンのモーリスと親しくなったシーザーは、群れのボス猿ロケットとのリーダー争いに勝利、新たなボス猿の地位へと収まった。

一方、ウィルは父による人体実験の結果を社長ジェイコブスに一か八かで暴露。これにより治療薬の開発計画の解凍が認められた。ALZ112を改良しより強力になった新型治療薬ALZ113を開発し、それを用いた実験で実験用ボノボのコバの知能を向上させた。この結果を見たジェイコブスは、慎重な運用を求めるウィルの忠告を無視して更なる臨床試験を開始、ALZ113を大量生産する。ジェネシス社を辞めチャールズの死を看取ったウィルはシーザーを引き取ろうとランドン親子の施設へ赴くが、この時すでにシーザーは人間への叛逆計画を進めており、ウィルを拒絶してしまう。

密かに施設を抜け出したシーザーは、ウィルの自宅からALZ113を盗んで仲間の猿達に服用させる。ALZ113で知能が向上した猿達はシーザーの指揮により施設を脱走。続いてコバを筆頭とするジェネシス社の実験用チンパンジー達や動物園の猿達を解放して仲間に加えたシーザー達は人間の街を進攻し、ジェネシス社からの追手や、ゴールデンゲートブリッジで待ち構えていた警官隊をも撃退。かつてウィルに連れて来られたミュアウッズ国定公園へと到着したシーザーの前に、後を追ってきたウィルが現れる。 「うちに帰ろう」とシーザーを説得しようとするウィルに対して、シーザーはウィルと抱き合うも「シーザー(の)うち(は)ここ」と拒否、仲間の猿達を率いて森の奥へと消えていった。

本作ストーリーの後日談
猿にとっては言語能力を与えるほど知能を向上させるALZ113だが、実は人間にとっては危険な殺人ウイルスだった。ジェネシス社の研究所から漏洩したALZ113は、のちに猿インフルエンザと呼ばれる致死率の高い新型感染症として、世界中へと爆発的感染を拡げていった。猿インフルエンザの抗体ができた一部の人間を除いて、多くの人間が死亡したため、全世界規模での「文明社会の崩壊」が起きつつあった。

スタッフ

監督:ルパート・ワイアット
脚本:アマンダ・シルヴァー,リック・ジャッファ
製作:アマンダ・シルヴァー,リック・ジャッファ,ピーター・チャーニン,ディラン・クラーク
製作総指揮:トーマス・H・ハンメル
音楽:パトリック・ドイル
撮影:アンドリュー・レスニー
編集:コンラッド・バフ,マーク・ゴールドブラット
製作会社:チャーニン・エンターテインメント,WETAデジタル
配給:20世紀フォックス

キャスト

人間
ウィル・ロッドマン – ジェームズ・フランコ
キャロライン・アランハ – フリーダ・ピントー
チャールズ・ロッドマン – ジョン・リスゴー
ジョン・ランドン – ブライアン・コックス
ドッジ・ランドン – トム・フェルトン
スティーヴン・ジェイコブス – デヴィッド・オイェロウォ
ロバート・フランクリン – タイラー・ラビーン
ロドニー – ジェイミー・ハリス
ジョン・ハミル – タイ・オルソン
ハンシカー – デヴィッド・ヒューレット

猿(エイプ)
シーザー – アンディ・サーキス
モーリス – カリン・コノヴァル
ロケット、ブライト・アイズ – テリー・ノタリー
バック – リチャード・ライディング
コバ – クリストファー・ゴードン
コーネリア – デヴィン・ダルトン
アルファ – ジェイ・カプート

予告編

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