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パンドラム|地球を離れ、新たな惑星へと旅立った巨大宇宙船の乗組員たちを待ち受ける戦慄の恐怖。人類の生き残りをかけた異色SFアクション!

映画 パンドラム
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パンドラムは、2009年公開のドイツ・アメリカ合作映画。地球を離れ、新たな惑星へと旅立った巨大宇宙船の乗組員たちを待ち受ける戦慄の恐怖。人類の生き残りをかけた異色SFアクション!ドイツの新鋭クリスチャン・アルバートがメガホンをとり、「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督が製作を務める。デニス・クエイドが閉所恐怖症の宇宙飛行士に扮する。

パンドラム 映画批評・評価・考察


パンドラム(原題:Pandorum)

脚本:35点
演技・演出:14点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計81点

手塚治虫の夏の特番アニメを思い出すようなSFアクションホラー映画でした。一人の船員が発症したパンドラムをきっかけに宇宙移民船内で繰り広げられる連鎖的に起こる複数の恐怖を描いた作品になります。ポール・W・S・アンダーソン監督の『イベント・ホライゾン』が好きな人なんかにはお薦めの1本かと思います。他作の良いところどりのようにも思えるところもありますが、うまく取り入れて消化されてるんじゃないかと思います。登場人物のキャラクターも個性があって良いと思いますし、舞台やCGなどもセンスがあり迫力も申し分無いです。お薦めです。


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パンドラム あらすじ(ネタバレ)

西暦2174年。増大した人口に悩む人類は荒廃した地球を捨て惑星タニスへ移住する計画を立てており、選ばれた者を宇宙船エリジウムに乗せ旅立たせた。

時が経ち、コールドスリープから目覚めたバウアー伍長だが、記憶障害を起こしており状況が把握できない。自身の正体や目的すら不確かな中で船内を探索していると、ペイトン中尉がコールドスリープから目覚める場面に遭遇するが、彼も記憶障害を起こしていた。他のクルーの姿が全く見えず司令室のドアも開かない異常事態の中、原子炉の不調に気付いたバウアー伍長は、ブリッジに残ったペイトン中尉のサポートを受けつつ船内を探索することにする。

通気ダクトをなんとか通り抜けたバウアー伍長は謎の女(ナディア)に襲撃されるが、彼女は自分たちに迫る別の気配に気付いてその場を離れる。直後、近くにあった死体が姿を消し、バウアー伍長が気配を追っていくと、その正体は人間を喰らう化物(ハンター)だった。恐怖のあまりペイトン中尉に弱音を吐くバウアー伍長だが、自分達の目的や妻の存在を思い出したことで奮起する。

近くにあった武器庫で暴動鎮圧銃を手に入れたバウアー伍長は、原子炉へと向かう途中で罠に掛かった生存者、シェパードと遭遇する。シェパードはハンターについて忠告しその場を去ろうとするが、その先には迫ってくるハンターの姿が見える。2人は姿を隠すがシェパードは捕まってしまい、逃げ出したバウアー伍長も罠に掛かって身動きが取れなくなってしまう。幸いにもバウアー伍長は農場従事者の男(マン)に助けられ難を逃れるが、彼は英語が話せないため会話ができず、その場で別れて移動を再開する。

コンテナ室で再びナディアに襲撃されて格闘していると、先程別れたマンが現れて2人で戦い始める。バウアー伍長は威嚇射撃で戦いをやめさせ、互いに協力するように諭す。マンは協力する意思を示し、ナディアも宇宙船から脱出するため仕方なく協力することを決める。3人はクルー用の睡眠カプセル室でのハンターの襲撃から逃れると、貨物室でコックを名乗る男(リーランド)と出会い、船内で起きた出来事を知らされる。

司令室に地球からの最後の通信があり、地球の消滅を知った3人のクルーがいたこと。その内の1人がパンドラムを発症して他の2人を殺害し、船の支配者となったこと。彼はコールドスリープから目覚めさせたクルー達で命を賭けたゲームを始め、その最中にハンターが生まれたこと。

リーランドにガスを吸わされた3人は気を失い、気が付くと拘束されていた。3人を食料にしようとするリーランドだが、原子炉を再起動しなければもう船が持たないというバウアー伍長の言葉を信じて3人を解放、同行する。たどり着いた原子炉はハンターの巣になっていたが、バウアー伍長とナディアは原子炉の再起動に成功する。しかし、リーランドは2人を見捨てて通路を封鎖し、マンはハンターに殺されてしまう。

一方で、天井裏からギャロ伍長と名乗る男を助けていたペイトン中尉は、彼とのやり取りで自分に精神安定剤を注射する形になっていた。ブリッジにやって来たリーランドはペイトン中尉に話しかけるが、ペイトン中尉は問答無用でリーランドを殺害し、ドアを開けた司令室に向かう。

ナディアと共に命からがら司令室に到着したバウアー伍長は記憶を取り戻しており、ペイトン中尉を名乗る男が別人であることに気付いていた。男の正体はギャロ伍長であり、パンドラムを発症して船の支配者となったのも彼だった。ギャロ伍長はパンドラムを発症しつつあるバウアー伍長を精神的に揺さぶるが、バウアー伍長は必死に抵抗する。

その頃、司令室のガラスから外を見つめていたナディアは、生物が泳いでいる様子を目にしていた。既にエリジウムはタニスに到着しており、海へ不時着した後で海中に沈んでいたのだ。格闘の末、パンドラムを発症したバウアー伍長はハンターが侵入する幻覚を見て、壁に暴徒鎮圧銃を撃ってしまう。その結果、司令室のガラスが割れて海水が流れ込んでくる。

正気に戻ったバウアー伍長はナディアを連れて司令室から脱出し、射出機能を作動させて睡眠カプセルに入る。射出された睡眠カプセルが海面に到達すると、次々と他のカプセルも姿を見せ始めた。

パンドラム スタッフ

監督:クリスチャン・アルヴァート
脚本:トラヴィス・ミロイ
製作:ポール・W・S・アンダーソン,ジェレミー・ボルト,ロバート・クルツァー
製作総指揮:マーティン・モスコウィック,デイヴ・モリソン,トラヴィス・ミロイ
音楽:ミヒル・ブリッチ
撮影:ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
編集:フィリップ・スタール,イヴォンヌ・ヴァルデス
製作会社:コンスタンティン・フィルム,インパクト・ピクチャーズ
配給:Overture Films,S.P.E

パンドラム キャスト

バウアー伍長ベン・フォスター
エリジウムのフライトチーム5のクルー。睡眠カプセルに入っていたが、突然目覚めた。少し後に目覚めたペイトン中尉と協力し、原子炉の不調を直すために行動する。単身で通気ダクトを通って睡眠カプセル室を出て船内を移動、途中で出会ったナディアやマンと共にハンターに狙われる。リーランドの話や睡眠カプセルの残骸などから真実に気付き、ペイトン中尉が別人であることを思い出す。パンドラムによる幻覚がキッカケで司令室のガラスを破壊してしまうが、大量の海水で浸水していく船内からナディアと共に睡眠カプセルで脱出し、他の生存者達と共に人類の新たな故郷タニスで生きていく事になる。

ペイトン中尉デニス・クエイド
エリジウムのフライトチーム5のクルー。睡眠カプセルに入っていたが、バウアー伍長が目覚めた数時間後に突然目覚めた。単身で行動するバウアー伍長をブリッジからサポートする。沈着冷静で指導力のある士官だが、天井裏に現れたギャロ伍長を助けて以降、彼の言葉によって精神が不安定になっていく。

ナディアアンチュ・トラウェ
エリジウムに乗船していた女性科学者。地球の生態系を保存しているラボの管理を担当していた。バウアー伍長よりも半年ほど早く目覚めており、船内のハンターを巧みにかわしながら生き抜いてきた。バウアー伍長に協力して戦い、共に船から脱出した。

マンカン・リー
エリジウムに乗船していた農業従事者。英語が喋れないため他の登場人物とは会話が成立せず、ジェスチャーを交えて意思表示している。ハンターに襲われていたバウアー伍長を助け、以降は彼に協力する。仲間がピンチの際に率先して囮になる勇敢な男。ハンターと互角に戦えるだけの格闘能力を持っておりハンターリーダーを倒すが、子供のハンターに油断したところノドを切り裂かれて死亡した。

リーランドエディ・ローズ
貨物室に隠れていた自称コック。かなり前に目覚めたようで、ギャロ伍長の事情や所業を知っている。生きるために他の生存者を捕まえて食料にしておりバウアー伍長達も食おうとするが、船の原子炉が限界にきている事を知らされ協力する。ブリッジに無事にたどり着くが、遭遇したペイトン中尉によって殺害される。

シェパードノーマン・リーダス
エリジウムのフライトチーム6のクルー。罠に掛かっていたところをバウアー伍長に救出される。ハンターについて多少の知識を持っていたが、隠れているところをハンターに引きずり出され犠牲になった。

ギャロ伍長キャム・ギガンデット
エリジウムのフライトチーム4のクルー。当直時に地球の消滅を知らせる通信を受信した事でパンドラムを発症し、同じチームの上官2人を殺害、船の支配者となった。完全に狂人と化しており、目覚めさせたクルーを使った残虐なゲームを楽しんでいたが、途中で飽きたため再び眠りに着いたと言われている。ペイトン中尉の正体であり、作中で登場する若いギャロ伍長は現在の彼が見ている幻覚である。

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