優駿 ORACIÓNは、1988年公開の日本映画。一頭のサラブレッドをめぐる牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手などさまざまな人々の生き様を描く。宮本輝原作の同名小説の映画化で、脚本はTV「ここの岸より」の池端俊策が執筆。監督はこれが第一作となるTV「北の国から」の杉田成道、撮影は「密約 外務省機密漏洩事件」の斎藤孝雄がそれぞれ担当。
優駿 ORACIÓN 映画批評・評価・考察
優駿 ORACIÓN
脚本:19点
演技・演出:13点
撮影・美術:18点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計64点
吉川英治賞受賞の宮本輝原作をフジテレビが映画化した大ヒット・ヒューマン・ドラマになります。監督は名作TV『北の国から』の杉田成道で、これが映画初監督でした。
「祈り」の意味をもつオラシオンに、それぞれの人々が、自分の人生の想いをこめながら祈り、その活躍を見守り続けていく姿が感動的で、美しい映像が素晴らしいものでした。あえて盛り上げることを拒否したクライマックスのレースの展開も、そのシビアさに人生の複雑さを痛感させる効果を生んでいます。とんねんるずのパロディなどの宣伝効果もあり240万人超を動員する興行成績を残しました。
バブル時代の映画であってお金は掛かっている作品です。レースシーンなども迫力があり、動物と人を同時に撮るは、かなり高度なことだと思いますが・・・如何せん人間描写が薄っぺらい。
キャストなど豪華ですし、緒形親子共演も当時話題だったと思います。ただ、この映画の本編よりもとんねるずがみなさんのおかげですでパロディ化した優駿2の方がはるかに面白かった印象があります。
でも主題歌は素晴らしい
優駿 ORACIÓN あらすじ(ネタバレ)
北海道・静内の牧場主・渡海千造と息子・博正の夢は、名馬をつくりダービーを制覇することだった。そして伝説の名馬ゴドルフィンの血をひく仔馬オラシオンが無事産まれた。
和具工業社長の平八郎は二つの悩みを抱えていた。一つは会社の危機で、もう一つは娘の久美子も知らない腹違いの弟・誠の存在だった。しかも腎不全で、父親の腎臓移植が必要なほど重病だった。和具はオラシオンを3千万円で買い、夢を託すことにした。
一方、久美子はオラシオンの馬主となり、弟と知らされた誠の見舞いに通った。やがてオラシオンは博正の手を離れ、大牧場へと移された。本格的な調教を受けるためだ。一時は脚のケガで競争馬生命を危ぶまれたが、奇跡的に回復していった。和具平八郎、久美子、誠、渡海父子、それぞれの夢がオラシオンに託されていた。そしてオラシオンは見事デビュー戦で優勝。誠はこの晴れ姿を見れずに死に和具は会社を買収され、渡海も胃ガンでダービー直前に息を引きとった。
ケガの後遺症が心配だったオラシオンだが、ダービーで優勝、和具は久美子、博正と共に、牧場を始めることにした。
優駿 ORACIÓN スタッフ
監督:杉田成道
脚本:池端俊策
原作:宮本輝「優駿」
製作:羽佐間重彰,日枝久
製作総指揮:浅野賢澄,鹿内宏明
音楽:三枝成彰
撮影:斉藤孝雄,原一民
編集:浦岡敬一
製作会社:フジテレビジョン,仕事
配給:東宝
優駿 ORACIÓN キャスト
和具久美子:斉藤由貴
和具平八郎の娘。父からオラシオンを譲り受ける。
渡海博正:緒形直人
オラシオンを生産した渡海千造の息子。
田野誠:吉岡秀隆
和具平八郎の非嫡出子。久美子の腹違いの弟。
田野京子:加賀まりこ
田野誠の母。
和具美穂:吉行和子
和具久美子の母。
渡海タエ:林美智子
多田時雄:石橋凌
和具平八郎の秘書。オラシオンの名付け親。
奈良五郎:根本康広(当時JRAの現役騎手)
オラシオンの主戦騎手。
増原耕左右:平幹二朗
吉永達也:石坂浩二
砂田重兵衛:田中邦衛(友情出演)
オラシオンの調教師。
獣医:三木のり平
オラシオンの出産に立ち会った獣医。
渡海千造:緒形拳(友情出演)
トカイファームの牧場主。
和具平八郎:仲代達矢
オラシオンの馬主。和具工業社長。
他:白川次郎、神山寛、三川雄三、山崎満、掛田誠、阿部六郎 ほか