ニューオーダーは、2020年公開のメキシコ・フランス合作映画。メキシコの俊英ミシェル・フランコ監督が、広がり続ける経済格差が引き起こす社会秩序の崩壊を描き、2020年・第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したディストピアスリラー。
ニューオーダー 映画批評・評価・考察
ニューオーダー(原題:Nuevo Orden)
脚本:37点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:10点
音響・音楽:8点
合計91点
第77回ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞など2冠を受賞しながらも、各国の映画祭で激しい賛否両論を巻き起こした本作。監督を務めたのは長編デビュー作から4作品連続でカンヌ国際映画祭に正式出品され、コンペティション部門での脚本賞を含む3冠に輝いてきたメキシコの俊英ミシェル・フランコ。ごく普通の人間の人生がふとしたきっかけで崩壊の危機に瀕していく様を冷徹な視線で描いてきた彼は言う。「我々の暮らすメキシコに限らず、世界は極限状態に追い込まれている。まるで日々ディストピアに近づいているようにね。そしてパンデミックによって事態が更に悪化したことで、期せずしてこの作品は時代に即したものになってしまったんだ」と。これは広がり続ける経済格差とそれがもたらす社会秩序の崩壊、今まさに我々が直面している危機的状況を描くディストピア・スリラーだ。目を背けたくなる、それでも刮目せねばならない“最悪”のリアリティに、観る者の覚悟が試される86分を体感せよ。
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ニューオーダー あらすじ
夢に見た結婚パーティー。マリアンにとって、その日は人生最良の一日になるはずだった。裕福な家庭に生まれ育った彼女を祝うため豪邸に集うのは、着飾った政財界の名士たち。一方、マリアン宅からほど近い通りでは、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が、今まさに暴動と化していた。その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢に変わる。だが、“最悪”はまだ始まったばかりだ。
ニューオーダー スタッフ
監督:ミシェル・フランコ
製作:ミシェル・フランコ,クリスティーナ・ベラスコ,エレンディラ・ヌニェス・ラリオス
製作総指揮:ロレンツォ・ビガス,ディエゴ・ボニータ,セシリア・フランコ,シャルル・バルト
脚本:ミシェル・フランコ
撮影:イブ・カペ
編集:オスカル・フィゲロア,ミシェル・フランコ
配給:クロックワークス
ニューオーダー キャスト
マリアン:ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド
ダニエル:ディエゴ・ボニータ
アラン:ダリオ・ヤズベック・ベルナル
マルタ:モニカ・デル・カルメン
クリスティアン:フェルナンド・クアウトレ
レベッカ:リサ・オーウェン
ローランドー:エリヒオ・メレンデス
パイラー:パトリシア・ベルナル
レイナルド:エドゥアルド・ビクトリア
オリベ将軍:グスターボ・サンチェス・パラ
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