シンデレラ・ボーイは、1986年公開のアメリカ合衆国の映画。空手を題材としたアクション映画。アクションスターとしてブレイクする前のジャン=クロード・ヴァン・ダムが悪役で出演しているほか、ブルース・リーのものまね俳優として知られるタン・ロンことキム・ダイ・チョンが“ブルース・リーの霊”役で出演している。原題の意味は「退却なし、降参なし」。
シンデレラ・ボーイ 映画批評・評価・考察
シンデレラ・ボーイ(原題:No Retreat, No Surrender)
脚本:10点
演技・演出:14点
撮影・美術:12点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計50点
僕が中学生の頃でした。修学旅行先で見ていた金曜ロードショーが今作です。当時はヴァン・ダムのことを知りませんでしたので、圧倒的な格闘術を持つ主人公のライバルに釘付けになったのを覚えています。自信満々の表情に加えて、柔軟さをこれでもかと見せつけてくるヴァン・ダム。かかと落としや飛び回し蹴り、ロープ上での股割りアクションが印象的です。今となっては彼の代名詞的なアクションですが、当時はなんかすごいのがでてきた感がすごくありました。
主人公がブルース・リーの霊に特訓されて強くなっていくというストーリー構成は、今作より2年前に大ヒットした『ベストキット』みたいなものにファンタジー(ミヤギさんをブルース・リーに変えただけ)を加えただけのようにも思えます。といってもラルフ・マッチオより今作の主人公カート・マッキニーの方がはるかにアクションができる俳優さんなのでブルース・リー映画のオマージュシーンも見事に演じています。また、タン・ロンが演じるブルース・リーのものまねが上手いんです。ある意味ミヤギさんより面白いキャラクターでした。採点は低めですけど生き生きとした表情のヴァン・ダムと妄想ブルース・リーVSヴァン・ダムが見れるところなど個人的には面白い映画です。
シンデレラ・ボーイ あらすじ
ロサンゼルスに住む少年ジェイソンは空手道場を経営する父の影響で自身も空手をやっており、なおかつブルース・リーの大信奉者である。
ある日、父の経営する道場が犯罪組織が支配し全米展開をはかる悪徳空手道場の傘下に入ることを勧誘されるが父はこれを拒否、彼らの手下で凄腕のロシア人空手家クラシンスキーと戦って敗れ、道場を取られてしまう。
ジェイソン一家はシアトルヘ引っ越し、新しい生活を始める。ジェイソンはそこでケリーという美しい少女と知り合うが、ケリーの兄で全米空手チャンピオンのイアンの門下生で彼女に好意を寄せる不良少年から嫌がらせを受けたうえ、練習試合で屈辱的に敗れ、おまけに父からは空手を禁じられてしまい、失意のどん底に。
そんなある夜、彼のもとに憧れのブルース・リーの霊が現れ、特訓を授けてくれるという。リーの特訓のもと、ジェイソンは懸命に練習に打ち込み、そのかいあって、ジェイソンの腕前は次第に上達していく。
その頃、例の悪徳空手道場がシアトル進出を図ってくる。彼らの次のターゲットになったのはイアンであった。イアンは彼らの策略にはまり、エキシビションマッチを開催することになる。試合当日、3対3での試合のはずが悪徳道場側の選手はクラシンスキー1人で、イアン側の3選手は反則も辞さないクラシンスキーに次々と倒され、イアンも敗れてしまう。
観戦していたジェイソンはたまりかねて試合に飛び入り参戦、「武とは暴力を止めることである」というリーの教えを胸に、クラシンスキーと最後の対決に挑む。
シンデレラ・ボーイ スタッフ
監督:コリー・ユン
脚本:キース・ストランドバーグ
原案:ン・シー・ユエン,コリー・ユン
製作:ン・シー・ユエン
音楽:フランク・ハリス
撮影:ジョン・ヒューネック,デヴィッド・ゴリア
配給:ニューワールド・ピクチャーズ,大映
シンデレラ・ボーイ キャスト
ジェイソン・スティルウェル:カート・マッキニー
イワン・クラシンスキー:ジャン=クロード・ヴァン・ダム
R・J・マディソン:J・W・フェルス
ケリー・レイリー:ケイシー・シレノ
イアン・レイリー:ロン・ポーネル
ブルース・リー(霊):タン・ロン
トム・スティルウェル(ジェイソンの父):ティモシー・D・ベイカー
ニューヨークのギャング(クラシンスキーのボス):ジョー・ヴァンス
ディーン・ラムセイ:デール・ジャコビー
フランク・ピーターズ:ピート・カニンガム
スコット:ケント・リパム