マッドマックス/サンダードームは、1985年公開のオーストラリラ・アメリカ合衆国合作映画。荒涼たる砂漠と化した近未来の地球を舞台に子供だけの国の存亡をかけて闘うマックスの姿を描く。前作『マッドマックス2』のヒットを受けて製作されたシリーズ第3作。
マッドマックス/サンダードーム 映画批評・評価・考察
マッドマックス/サンダードーム(原題: Mad Max Beyond Thunderdome)
脚本:23点
演技・演出:14点
撮影・美術:14点
編集:6点
音響・音楽:7点
合計64点
アクションバイオレンスを全面に押し出していた前2作品に対して、ファンタジー的要素が入っている今作。期待したものが見れなかった観客からは酷評され、レビューも肯定的意見より批判的意見の方が目立ちます。監督のジョージ・ミラーがずっと撮りたいと思っていたのは今作だと思えます。なぜならシリーズの中で思想が色濃く出ているのが今作で、わざわざこの複雑な構成をあえて演出した監督の思いが反映されているからです。今作は一人の人間の物語がやがて神話となる過程を描いていて、二作目もそのような演出が既にありました。今作ではより色濃くなったということでしょう。
個人的にはこのシリーズのプロットで、日本の初代天皇の物語を描いてみてはどうだろうか?と思ったりします。
今作品はU-NEXT で見ました。
マッドマックス/サンダードーム あらすじ(ネタバレ)
核戦争で荒廃した近未来の地球。豚メタンガスでエネルギーを製造し、物々交換で市場が成り立っている街、バータータウン。そこに疲れきったマックス(メル・ギブソン)が辿りつく。街を見はらす塔の頂に君臨する地上世界の支配者、アウンティ・エンティティ(ティナ・ターナー)は、屈強な部下たちにマックスを急襲させる。
この“オーディション”をクリアし、エンティティのメガネにかなったマックスは、この街の地下世界を支配する巨人のプラスター(ポール・ラーソン)と、小人のマスター(アンゲロ・ロッシト)の二人組、マスター・プラスターと闘うことをエンティティから命じられる。マックスは、街の中央に設けられた闘技場、サンダードームで相手のプラスターを倒す。しかし、仮面の下のプラスターのあどけない顔を見てとどめを刺すのをためらう。プラスターはエンティティの部下に殺され、マックスは砂漠に追放されてしまう。
砂漠で気を失ったマックスは、一人の少女に助けられる。彼女に連れられて辿り着いた場所には、3歳から16歳までの子供だけの集団がいた。子供たちは、いつの日かパイロットのキャプテン・ウォーカーが救いに来てくれると信じており、マックスをウォーカーだと思い込む。
ある日、数人の子供たちが集団を抜け出し、バータータウンへ向かってしまう。マックスは残された子供たちと共に後を追い、バータータウンで失脚したマスターと手を組んで、エンティティ一一派に立ち向かう。
マッドマックス/サンダードーム スタッフ
監督:ジョージ・ミラー,ジョージ・オギルヴィー
脚本:ジョージ・ミラー,テリー・ヘイズ
製作:ジョージ・ミラー,ダグ・ミッチェル,テリー・ヘイズ
音楽:モーリス・ジャール
主題歌:「ウィ・ドント・ニード・アナザー・ヒーロー」ティナ・ターナー
撮影:ディーン・セムラー
編集:リチャード・フランシス=ブルース
配給:ワーナー・ブラザース
マッドマックス/サンダードーム キャスト
マックス:メル・ギブソン
前作から引き続き元警官の主人公。砂漠でキャメルワゴンに乗りながら放浪していたが、ジェデダイア親子が乗る飛行機に突如襲われ車輛を奪われてしまう。ジュデダイア親子の足取りを追う中でバータータウンに辿り着き、街の支配者であるアウンティに盗まれたキャメルワゴンと食糧等を取り戻す条件としてブラスターの抹殺を依頼される。サンダードームでブラスターと闘うが、止めを刺さなかった為に掟により砂漠に追放される。瀕死の状態に陥っているところをキャプテン・ウォーカーを探しに旅をしていたサバンナに助けられ、彼女が住むオアシスに運ばれた。オアシスで蘇生後、夢物語を信じてトゥモローランドに向かおうとする子供達に外の世界の現実を突きつけ、オアシスでの一生を過ごす方が得策だと説得するも、サバンナを筆頭とした一部の子供たちが外の世界を知ろうとオアシスを飛び出したため、彼女らを引き止めに向かう過程で再びバータータウンに舞い戻る事となる。オアシスの子供たちからはオアシスを築き上げた後に行方不明となったボーイング機のパイロットである伝説のキャプテン・ウォーカーに間違われた。前作で付けていた左足の補助器具が外れている代わりに、負傷部分を布切れで巻き付けている。また、序盤では長旅のせいでロングヘアになっていたが、オアシスに運ばれた際にサバンナに髪を整えられ、前作と同じ髪型に戻った。
アウンティ・エンティティ:ティナ・ターナー
バータータウンを築き上げ、街を支配する女性で街を一望できる監視塔に住む。バータータウンの電気などのエネルギーを製造する地下施設アンダーグランドを指揮する街の支配者気取りのマスターと対立しており、マスターを守るブラスターの抹殺を狙っており、盗人を追ってやってきたマックスの腕を見込み、サンダードームでブラスターを殺させようとする。マックス達にマスターを奪われてバータータウンが壊滅的打撃を受けるが、再建の為に軍団を率いてマスターを奪還とマックス達の後を追う。
ザ・マスター:アンジェロ・ロシット
バータータウンの電気や乗り物を動かす為のメタン工場がある地下施設を牛耳ている、小人の男「マスター」と巨躯の男「ブラスター」。マスターはバータータウン発展の為の頭脳的役割を果たし、ブラスターは巨体と怪力を生かしてマスターの手足となっていた。ブラスターはサンダードームでマックスと闘い、自慢の怪力を活かした力業でマックスを圧倒するも、マックスに高音の反響音を聞くと激しい頭痛に襲われるという弱点を知られていた為、マックスが吹いた笛の音色で頭痛に襲われた所をハンマーで何度も殴打されて敗北した。しかし子供の様な心を持った知的障害者だった為、マックスは止めを刺すのをやめるが、アイアンバーにボウガンで射殺された。一方のマスターはブラスターの死後、拷問の末に無理やりアウンティ達に服従させられたが、バータータウンに舞い戻ってきたマックスと子供達により救われ、バータータウンから脱出した。その後もアウンティ達が彼を取り戻そうと狙われるが、最後はジェデダイアの小型飛行機に乗り、トゥモローランドに辿り着いた。
ディールグッド:エドウィン・ホッジマン
バータータウンの治安判事の男で街中ではジュデダイアがマックスから奪ったラクダを販売し、サンダードームでは司会を務めた。バータータウンが壊滅した時は品物のラクダを必死になって売りつけていた。
アイアンバー:アングリー・アンダーソン
アウンティの部下の1人で、背中に奇妙な人形の顔の付いた棒を背負ったバータータウンの警備隊の隊長格。他の来訪者の中でも一際異様な雰囲気を放っていたマックスに目を付ける。マスターを連れてバータータウンを脱出したマックス達を異常なまでの執念深さで追跡するも、最後は彼が乗る車両とマックスが乗るキャメルワゴンが正面衝突し、大破した車両の下敷きになり、マックスに中指を突き立てながら絶命した。
ピッグキラー:ロバート・グラッブ
バータータウンの地下施設で豚の世話係をしていた囚人だが、街で飢えていた子供に豚肉を食べさせるつもりで殺した為、「ピッグキラー」の罪名を付けられ重労働を課されていた。マックスに出会って彼から「嵐の予感」を感じ取り、彼がサンダードームで掟を破った為にバータータウンから砂漠に追放された後もマックスが連れていた猿に水をマックスの元に運ばせたりした。最後はマックスに解放され、マックスと子供達と共に地下にある列車車両に乗ってバータータウンから脱出した。そしてジェデダイアの小型飛行機に乗り、トゥモローランドに辿り着いた。
サバンナ・ニックス:ヘレン・バディ
子供達の部族「最後の部族(The Lost Tribe)」の長老となる若い女性。砂漠で倒れていたマックスを見つけ、伝説のキャプテン・ウォーカーだと思い込み、彼女が住むオアシスに運んだ。マックスが自分がキャプテン・ウォーカーでも無く、核で世界が終わり、トゥモローランドも存在しないと失望させると、オアシス以外の外の世界をどうなっているか確かめるために、マックスの制止を無視して数人の子供達と一緒にオアシスから出て行ってしまう。最後はジェデダイアの小型飛行機に乗り、トゥモローランド(廃墟のシドニー)に辿り着き、そこでグループのリーダーとなって子孫たちにマックスの事やマックスが無事にトゥモローランドに辿りつけるよう灯りを灯し続けることを語りかけた。
スレイク:トム・ジェニングス
子供達の部族「最後の部族(The Lost Tribe)」のリーダーの若者。サバンナ達が彼らが住むオアシスに住む。マックスが伝説のキャプテン・ウォーカーだと信じていたが、実際は人違いで外の世界の現実を突きつけられるや、サバンナと対立してオアシスでの定住を説き始める。オアシスに留まり、オアシスを飛び出したサバンナ達を探しに行くマックスを見届けた。彼が持っている長柄の杖は実はボルトアクション式の狙撃銃で、マックスがオアシスを飛び出そうとするサバンナを制止する際、威嚇目的で2発放った。
ブラックフィンガー:ジョージ・スパーテルズ
アウンティの部下の1人で地下施設のガレージで車両整備の主任を務め、マックスのキャメルワゴンの点検を行っていた。バータータウンを脱出したマックス達を追う際、アウンティの乗る車両に同乗、列車の連結を外してマスターとサバンナ達を引き離そうとするも、マックスにあっさりとマスターを奪い返されてしまった。
ザ・コレクター:フランク・スリング
バータータウンの貿易と物々交換を担当していた男。マックスが所持していた大量の武器を預かった。バータータウン壊滅の際、一人放心状態となっていた。
ジェデダイア:ブルース・スペンス
小型の飛行機に乗り、盗んだ盗品をバータータウンで取引している男。息子にジェデダイアJr.がいる。砂漠でマックスが乗っていたキャメルワゴンを奪い、バータータウンに売り付た。マスターを連れてバータータウンから逃げてきたマックス達が彼の住処に辿り着いた事でマックスと再会。命と引き換えに飛行機でマスターとピッグキラー、そしてサバンナ達を乗せてトゥモローランドに飛び立った。
ジェデダイアJr.:アダム・コックバーン
ジェデダイアの息子。父親の小型の飛行機の操縦も出来る。最後は飛行機でトゥモローランドに辿り着く。
スクルールーズ:ロッド・ズァニック
子供達の部族「最後の部族(The Lost Tribe)」の少年。目元に黒のアイシャドウを入れている。オアシスでマックスの猿の面倒を見ていた。サバンナ達とオアシスから出て行く。バータータウンから脱出の際はフライパンを武器に、追ってきたアウンティ達の迎撃に参戦、キャメルワゴンを奪うなど活躍を見せる。最後はサバンナ達と共にトゥモローランドに辿り着いた。
ザ・ブラスター:ポール・ラーソン
バータータウンの電気や乗り物を動かす為のメタン工場がある地下施設を牛耳ている、小人の男「マスター」と巨躯の男「ブラスター」。マスターはバータータウン発展の為の頭脳的役割を果たし、ブラスターは巨体と怪力を生かしてマスターの手足となっていた。ブラスターはサンダードームでマックスと闘い、自慢の怪力を活かした力業でマックスを圧倒するも、マックスに高音の反響音を聞くと激しい頭痛に襲われるという弱点を知られていた為、マックスが吹いた笛の音色で頭痛に襲われた所をハンマーで何度も殴打されて敗北した。しかし子供の様な心を持った知的障害者だった為、マックスは止めを刺すのをやめるが、アイアンバーにボウガンで射殺された。一方のマスターはブラスターの死後、拷問の末に無理やりアウンティ達に服従させられたが、バータータウンに舞い戻ってきたマックスと子供達により救われ、バータータウンから脱出した。その後もアウンティ達が彼を取り戻そうと狙われるが、最後はジェデダイアの小型飛行機に乗り、トゥモローランドに辿り着いた。