マッド・ハイジは、2022年公開のスイス映画。児童書『アルプスの少女ハイジ』をB級バイオレンス映画化。愛するペーターと家族を失ったハイジは、血塗られた戦士へと変貌を遂げる。復讐の鬼と化したハイジは、邪悪な独裁者を血祭りにあげ、母国を解放することができるのか?2022年9月7日にブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で初上映され、観客賞を受賞した。
マッド・ハイジ 映画批評・評価・考察
マッド・ハイジ(原題:Mad Heidi)
脚本:25点
演技・演出:15点
撮影・美術:14点
編集:7点
音響・音楽:6点
合計67点
幾度となく映像化されてきたヨハンナ・シュピリの児童書『アルプスの少女ハイジ』。高畑勲と宮崎駿による1974年の日本版TVアニメは、日本やヨーロッパを含む世界各地であらゆる世代を超えて愛され続けている。このスイスが誇る名作を、同国出身の監督とプロデューサーがB級エログロバイオレンスバージョンにアレンジした、“スイス映画史上初のエクスプロイテーション映画”が誕生!世界19カ国538人の映画ファンによるクラウドファンディングで、約2億9000万円もの資金集めも話題を呼んだ。アニメ版おなじみのシーンの数々を再現するなど、日本へのリスペクトも随所に感じられる。独裁者マイリ役には『スターシップ・トゥルーパーズ』の主人公ジョニー・リコ役で知られるキャスパー・ヴァン・ディーン。そして『グラディエーター』『パイレーツ・オブ・カリビアン』のデヴィッド・スコフィールドが“アルムおんじ”ことハイジのおじいさんに扮するなど、B級を超えた豪華なキャスティングにも注目!
マッド・ハイジ あらすじ
アルプス山脈にあるマイリズチーズ社の社長にしてスイス大統領でもあるマイリ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、自社以外のチーズを法律で禁止していた。マイリに反対するデモが行われるが、軍により多数の犠牲者を出し鎮圧される。20年後、アルプス山麓の山小屋に暮らすハイジ(アリス・ルーシー)は、ペーター(ケル・マットセナ)と交際中。ハイジを育てたおじいさん(デヴィッド・スコフィールド)は、ペーターには悪い噂があると反対するが、ハイジは聞く耳を持たない。しかし、ヤギのチーズを闇で売りさばいていたペーターは、クノール司令官(マックス・ルドリンガー)に、見せしめに処刑される。追われる身となったハイジは山小屋までたどり着くが、クノールの部隊に包囲され、おじいさんは山小屋もろとも炎に包まれる。ハイジは捕まり、矯正施設に入れられる。ハイジは同房の少女クララ(アルマル・G・佐藤)と仲良くなるが、施設長ロットワイラー(カーチャ・コルム)と副官ルッツ(レベッカ・ダイソン=スミス)に目をつけられ、先輩女囚から虐められる。ハイジは隙をついて施設長を殺害し、脱走。クノールはハイジを追跡し、20年前のデモでハイジの両親を殺したのは自分だと告げる。追い詰められたハイジは断崖絶壁から飛び降り、クノールはハイジは死んだと報告する。かろうじて生き延びたハイジは、廃墟と化した教会にたどり着く。その頃マイリは世界征服を目論み、人を凶暴なバケモノと化すウルトラチーズを開発していた。ハイジが教会でスイス伝統の武器ハルバードを見つけると、母なる大地の守護者ヘルヴェティアが現れる。ハイジの復讐心と愛国心を見抜いたヘルヴェティアは、ハイジを戦士に育てるべく訓練を施す。ハイジはマイリズチーズ社を襲撃するが、人間兵器ニュートラライザーに敗れ、捕らえられる。目を覚ますと、スイス相撲シュヴィンゲン大会会場だった。闘技場に引き出されたハイジの前に、再びニュートラライザーが現れる……。
マッド・ハイジ スタッフ
監督:ヨハネス・ハートマン,サンドロ・クロプフシュタイン
脚本:ヨハネス・ハートマン,サンドロ・クロプフシュタイン,グレゴリー・D・ウィドマー,トレント・ハーガ
原作:ヨハンナ・シュピリ(『アルプスの少女ハイジ』)
製作:ヴァレンティン・グルタート,テロ・カウコマー
音楽:マリオ・バトコビッチ
撮影:エリック・レーナー
編集:ヤン・アンデレッグ,クラウディオ・シア,イサイ・オズワルド
配給:ハーク/S・D・P
マッド・ハイジ キャスト
ハイジ:アリス・ルーシー
アルムおんじ:デヴィッド・スコフィールド
マイリ大統領:キャスパー・ヴァン・ディーン
フロイライン・ロットワイラー:カーチャ・コルム
ペーター:ケル・マツェナ
クララ:アルマル・G・佐藤
クノール司令官:マックス・ルドリンガー
チーズマスター・カリ:ヴェルナー・ビアマイヤー
Dr. 発汗:パスカル・ウリ
ルッツ:レベッカ・ダイソン=スミス
メイリの従者:ミロ・モアレ
ヨーデル歌手:イブ・ウートリッヒ