ランド・オブ・ザ・デッドは、2005年公開のアメリカ・カナダ・フランス合作映画。ジョン・レイグザモ、サイモン・ベイカー、デニス・ホッパーなどの豪華キャスト。『ゾンビ』などのヒット作で世界中にファンを持つロメロが、約20年ぶりにメガホンを取ったゾンビ映画である。残虐性の裏にあるテーマは、過去の作品でロメロが提唱してきた「世界事情(戦争・紛争など)の他方向からのアプローチ」であり、一握りの強者が多数の弱者を力で押さえ込もうとする覇権主義の姿を色濃く取り入れている。作中では明らかにされていないが、時系列上ではゾンビ発生から3年後であり、ピッツバーグで復活した共和党が作った都市が舞台である。
ランド・オブ・ザ・デッド 映画批評・評価・考察
ランド・オブ・ザ・デッド(原題:Land of the Dead)
脚本:34点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:9点
音響・音楽:7点
合計82点
ロメロのゾンビ映画の中では、『ゾンビ』の次に好きなのが今作です。
何がいいと言われたら、キャストが善悪ともに魅力があることですね。ゾンビもキャラが立ってますし、怖さはありませんが、見ていて楽しい娯楽性に富んだ作品だと思います。デニス・ホッパーの小悪党ぶりやジョン・レグイザモの憎めないちょい悪な感じとか、ダリオ・アルジェントの娘アーシア・アルジェントも子供の頃とはまた違った大人の女性を演じてます。
ずっと脇役続きだったサイモン・ベイカーが今作ではすごく魅力的で力強い役なんですよね。『レッドプラネット』の頃は体の線も細くて弱そうなイメージだったのに。
また、今作と同年公開の『ザ・リング2』にも出演しています。
その後、ドラマ『メンタリスト』の大成功で確固たる地位を今では築いています。
ランド・オブ・ザ・デッド あらすじ(ネタバレ)
生きた死者は地球を支配し続けていますが、人類文明の散在する残党は再編成され、米国中に保護された基地を確立しています。街でそのような前哨ピッツバーグ、ペンシルベニア州では、含まれてい封建的な政府を。2 面を川、3 面を民兵が警備する電化フェンスで囲まれているこの都市は、市民が比較的安全に生活できる聖域になっています。都市の障壁の外には、不毛の田園地帯と荒廃した郊外の町の無人地帯があり、生きている人間が長い間見捨てられていましたが、大勢のウォーカーがあふれています。フィドラーズ・グリーンと呼ばれる豪華な高層ビルに住む裕福でパワフルな人々、残りの人口は不平で生きています。街の冷酷な金権政治の支配者であるポール・カウフマンは、ゾンビがはびこる地域を簡単に移動できる装甲兵員輸送車であるデッド レコニングのスポンサーになっています。
ライリー・デンボは、デッドレコニングのデザイナー兼指揮官です。カウフマンとは異なり、ライリーは市民を保護し、市民が安全に入手できなくなった食料や医薬品を提供する彼の仕事で尊敬されています。推測航法の使用、ライリーと彼の乗組員は、必要な物資をあさるためにゾンビがはびこるエリアに足を踏み入れます。彼らはまた、カウフマンの圧政的な独裁政治体制内での強力な物々交換手段を提供するため、デザイナーの衣類や一流ブランドの酒類などの高級品を回収します。ある任務で、彼らは知的な行動をしている多くのゾンビに気付く。これは、そのようなゾンビの 1 人、以前はガソリン スタンドの店員だった「ビッグ ダディ」に特に見られました。ミッション中、新人マイクはゾンビに噛まれ、振り向く前に自殺してしまう。
任務の後、ライリーはデッド・レコニングの指揮から引退する。終末後の都市での過酷な生活にうんざりしていた彼は、車の修理が終わったら、都会の聖域を出てカナダに向かう予定です。彼は街に戻り、チワワのバーを訪れます。そこで彼は、スラックという名の売春婦が、ゲストをもてなすためにゾンビと一緒にゲージに入れられているのを見ます。ライリーとチャーリーはスラックを救います。チャーリーはその後の混乱の中でチワワを殺します。ライリー、チャーリー、スラックが逮捕される。スラックは、マリガンが貧しい人々の間で反乱を扇動するのを助けたとして、カウフマンが彼女に処刑を命じたことを明らかにしています。
一方、デッド・レコニングの副司令官チョロ・デモーラは、カウフマンへの奉仕にもかかわらず、フィドラーズ・グリーンのアパートを拒否された。報復として、チョロはデッド・レコニングを乗っ取り、フィドラーズ グリーンを破壊すると脅す。カウフマンはライリーに近づき、彼とチャーリーとスラックにデッド・レコニングを回収するよう命じます。マノレッティ、モータウン、ピルズベリーが監修。
途中、マノレッティはスラックにゾンビに噛まれたことから殺される。デッド・レコニングに追いついた後、ライリーは一人でビークルに近づく。チャーリー、スラック、ピルズベリーは、モータウンを制圧し、彼女を置き去りにした後、彼の後を追う。ライリーがカウフマンの下で働いていることに気付いたチョロは、ライリーとチャーリーの両方に銃を突きつけます。彼は火に準備として推測航法「フィドラーズグリーンでのミサイルを、ライリーは、小型のデバイスを使用して、非アクティブに推測航法を」s 兵器システム。その後、彼はデバイスを破壊します。意識を取り戻したモータウンは発砲し、ライリーとチョロ (銃声の 1 つで重傷を負った) の両方をほぼ殺します。彼女はゾンビに噛まれ、スラックに殺されます。ライリーはチョロに北に逃げて合流させるよう説得するが、チョロはカウフマンに対処するためにフィドラーズ・グリーンに戻ることにした。相棒のフォクシーが同行する。途中、チョロはゾンビに噛まれ、カウフマンを一人で殺すために立ち去ります。ライリーは再びデッド・レコニングを引き継ぎ、フィドラーズ グリーンに戻ります。
他の場所で、ビッグ・ダディ (ゾンビの大きなグループを集めた) は、水中を安全に歩けることを知り、ゾンビを川を越えて人間の都市に導き、境界フェンスのセクションを突破します。国境警備隊は絶望的に数を超え、その地位を放棄します。かつて安全だった街のエリアにゾンビが押し寄せた結果、かつてゾンビを寄せ付けなかった電化フェンスは、今ではゾンビと人間を閉じ込めるための壁になっています。街が破壊されるのを見て、カウフマンはお金を持って走り、駐車場でゾンビ・チョロに遭遇します。2 人が奮闘する中、ビッグ・ダディは爆発するプロパンタンクで両方を殺します。
ライリーたち一行は街に到着したが、跳ね橋に出くわす。ライリーは橋を落とすために立ち去りますが、ゾンビの小さなグループがデッド・レコニングを攻撃し始めます。ライリーたちはゾンビを始末し、かわすことに成功する。橋を渡った後、彼らはゾンビに殺される人々を無力に目撃します。彼らを救うには遅すぎると悟った彼らは、ミサイルで慈悲深く彼らを殺します。その後、ほとんどの貧しい人々がマリガンによって安全に導かれ、攻撃を生き延びたことが明らかになりました。ライリーとマリガンは、自分たちのグループと別れて、善意の別れを告げます。ビッグダディとゾンビが街を離れ、生き残った人間を温存するのを見て、ライリーは彼らを放っておくことを決定し、ゾンビも同じことを行い、彼らも行く場所を探している. 残りの花火 (以前はゾンビの注意をそらすために使用されていましたが、群衆の注意をそらすことができなくなったため、今では役に立ちません) を照らしながら、ライリーのグループはカナダに向けて出発しました。
ランド・オブ・ザ・デッド スタッフ
監督:ジョージ・A・ロメロ
脚本:ジョージ・A・ロメロ
製作:マーク・キャントン,バーニー・ゴールドマン,ピーター・グルンウォルド
製作総指揮:スティーヴ・バーネット,デニス・E・ジョーンズ,ユージン・クラーク
音楽:ラインホルト・ハイル,ジョニー・クリメック
撮影:ミロスラフ・バシャック
編集:マイケル・ドハティ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ,UIP
ランド・オブ・ザ・デッド キャスト
主要人物
チョロ・デモーラ:ジョン・レグイザモ
本作の実質的な主人公。傭兵部隊の副隊長兼暗殺者。富裕層が多数暮らすフィドラーズグリーンでの暮らしを夢見てカウフマンの元で積極的に汚れ仕事をこなしてきたが、カウフマンから冷淡にあしらわれたことで報復を決意し、デッド・リコニング号を奪ってカウフマンを脅迫する。デッド号を取り戻しに来たライリーと対立するが、危うくモータウンに殺されそうになったところをライリーの機転により、腹部を撃たれるも一命を取り留める。その後、ゾンビの襲撃で街が壊滅状態に陥っていることを知ると、ライリー達とは別に街を脱出しようとするが、途中でゾンビに噛まれたことから最期を悟り、せめてもの意趣返しとしてカウフマンへの復讐を果たすために仲間と別れ、フィドラーズグリーンへと向かう。その後、逃げようとしたカウフマンの前にゾンビ化して現れ、彼を道連れにしてビッグ・ダディの手によって爆殺された。
ライリー・デンボ:サイモン・ベイカー
本作の狂言回し的存在。傭兵部隊の隊長。デッド・リコニング号の設計者でもある。絶え間なく続くゾンビとの戦いや壁に囲まれたスラムでの生活の閉塞感から、傭兵を辞めて街を出て人=ゾンビの居ない地域への移住を決意していたが、チョロの脱走によってカウフマンにチョロの殺害とデッド・リコニング号の奪還を命じられる。身の上話を極端に嫌うのは、ゾンビ化した実弟を自らの手で殺めた過去を持つためである。
スラック:アーシア・アルジェント
売春婦。マリガンの協力者であったために囚われ、賭け勝負の「ゾンビの餌」となるところをライリーに救われる。兵士としての訓練も受けており、銃器の扱いは巧い。
チャーリー・フック:ロバート・ジョイ
顔面半分に火傷を負っている射撃の名手。火傷の原因でもある火事から救ってくれたライリーに恩義を感じており、護衛役を務める。天国の存在を語るなど純粋な性格。
ポール・カウフマン:デニス・ホッパー
本作のヴィラン。街の支配者。傭兵達を雇って街にフェンスを築き、隔離された安全な地帯を作り出した。自らを「支配する責任ある立場の人間」であると称し、権力者として君臨する。富裕層にはゾンビ発生前と変わらぬ快適な生活を提供する一方、下層民はスラムへと押しやり過酷な生活を強いている。ゾンビの襲撃によって街が壊滅状態に陥ると、次々に喰い殺される富裕層の住人達を見捨てて逃げようとするが、最期はゾンビ化したチョロと共にビッグ・ダディの手によって爆死させられた。
ビッグ・ダディ:ユージン・クラーク
チョロと並ぶ実質的な主人公。自然に自我に目覚めた黒人男性のゾンビ。大柄な体躯でスキンヘッド。サークル型の髭を生やしている。ガソリンスタンド「ビッグ・ダディ・ガス&リペア」の制服であるツナギを着ており、これが呼び名の由来。普段は同名のガソリンスタンドの事務所を住処としており、ベルの音が鳴ると人間時代の記憶や習慣から給油場に現れ給油ノズルを手に車を探す仕草をする。『死霊のえじき』のバブとは違い、人肉を喰わなくても理性を保てる上、仲間のゾンビに対して慈愛の精神を持つ。ピッツバーグ近隣の街ユニオンタウンに住むゾンビ達のリーダー的存在で、唸り声を言語の様に用いて他のゾンビに指示を出せる。花火を用いた陽動に引っ掛からない、仲間のゾンビ達を物陰に突飛ばし銃撃から守る、バリケードの脆い箇所を見つけて仲間に壊させる、小銃で人間を銃撃する、川底を歩いて渡る、炎を武器として利用するなど高い知性を持つ。非常に仲間想いな性格で、圧倒的な武力で思いのままにゾンビを蹂躙する傭兵達の姿に怒り、復讐のため仲間のゾンビ達を率いて街を襲撃する。なお、復讐が目的であるためカニバリズムは一度も行わない。
人間
プリティー・ボーイ:ジョアンナ・ボーランド
ライリーの部下の1人で、デッド・リコニング号の操縦を担当する女性兵士。チョロの脱走に強制的に加担させられたが、ライリーによってデッド・リコニング号が制圧された際には即座に投降し、以降はアンカーと共にライリー側につく。
アンカー:トニー・マンチ
ライリーの部下の一人で、花火の打ち上げを担当する兵士。プリティー・ボーイと同じくチョロの脱走に強制的に加担させられたが、ライリーによってデッド・リコニング号が制圧された際には即座に投降し、以降ライリー側につく。
フォクシー:トニー・ナッポ
チョロの仲間の一人で、髭を生やしている。デッド号でチョロの面倒を見たり、チャーリーに銃を向けたりする。ライリーによってデッド・リコニング号が制圧された際にはチョロについてデッド号を降りる。チョロと二人で安全な場所を求めて旅立とうとしていたが、チョロがゾンビにかまれた為、街へ戻ろうとするチョロを見送り、いずこかへと去った。
マウス:マックス・マケイブ
チョロの仲間の一人。金髪でスケートボードを持っている。ヘッドホンで音楽を聴いて警戒しないなど、能天気な性格。物語の中盤でゾンビの群れに襲われ死亡する。
ピルズベリー:ペドロ・ミゲール・アルセ
サモア出身の巨漢。チョロ殺害に向かうライリーへの援軍としてカウフマンが付けた3名の内の1人。実際にはカウフマンからチョロとライリーの両方の始末を命じられていたが、叛意してライリーに協力する。
モータウン:クリスティナ・ブリッジ
本名はモニカ。チョロ殺害に向かうライリーへの援軍としてカウフマンが付けた3名の内の1人である女性兵士。カウフマンの命令通りチョロとライリーを抹殺するべく、邪魔なスラック達を殺そうとするが、ピルズベリーの裏切りで気絶させられる。意識を取り戻した後、物陰からチョロを狙撃しようとした直後にゾンビに襲われ、スラックに介錯される。
マノレッティ:サシャ・ロイツ
チョロ殺害に向かうライリーへの援軍としてカウフマンが付けた兵士達のリーダー。デッド・リコニング号へ向かう途中の軍の前線基地にてゾンビに噛まれた後、ゾンビ化を危惧したスラックの手で介錯される。
マリガン:ブルース・マクフィー
スラム住人の反体制指導者。かつてはライリーと共に傭兵部隊で働いていた。スラム住人に危険を押し付けながら贅沢三昧を続けるカウフマンら、富裕層への決起を呼びかける。カウフマンによって逮捕・投獄されるが、ゾンビ襲撃時には支持者によって脱出し、ゾンビ達の去った街の新しい代表者となった。
チワワ:フィル・フォンダカーロ
スラムの盛り場を取り仕切っている小男。ライリーに車を売ったが、カウフマンの命令により反故にした。酒場での混乱時にライリーを殺害しようとしたが、チャーリーに射殺された。
マイク:ショーン・ロバーツ
ライリーの部下の1人。序盤の物資調達作戦時にライリーの命令を無視して独断行動に走ったチョロが原因でゾンビに噛まれ、自分の行く末を悲観し、銃を咥えて自殺する。
ブルーベイカー:アラン・ヴァン・スプラング
軍の前線基地の司令官。チョロにデッド・レコニング号を渡せと命令した。ビッグ・ダディ率いるゾンビの群れに襲われて死亡する。後でライリーたちが来る頃にはゾンビ化していたため、ライリーに射殺される。
ゾンビ
未知の力で動き出したヒトの屍。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』でペンシルベニア州ピッツバーグの共同墓地の遺体がゾンビ化したのを皮切りに、世界は死者が死因に関係なくゾンビ化するよう変質した。 知能が低く鈍足だが、脳を破壊されない限り不死身で痛覚も無く、怪力。人肉に執着し生きた人間を襲う反面、共食いはしない。噛まれた人間は毒で死に、結果としてゾンビになる。 ピッツバーグの近隣の街ユニオンタウンではビッグ・ダディをリーダーとするコミュニティが形成されている。
ブッチャー:ボイド・バンクス
エプロンを着て肉切り包丁を持った肉屋姿のゾンビ。
ナンバー9:ジェニファー・バクスター
顔の右顎付近がえぐれた女ゾンビ。野球のユニフォームに身を包み、木製バットを持っている。
タンバリンマン:ジャスミン・ゲリョ
生前はタンバリン奏者だったゾンビ。
ブレイズ:トム・サヴィーニ
『ゾンビ』でピーターに射殺された暴走族のブレイズがゾンビ化した姿。
見世物小屋のゾンビ:サイモン・ペッグ、エドガー・ライト
ペッグもライトも、ロメロが『ショーン・オブ・ザ・デッド』のファンであったことから、ゲスト出演が実現した。当初は台詞付きの役が考えられていたが、「ゾンビ役がやりたい」という希望が受け入れられ、ゾンビ役での出演となった。
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