ジョン・ウィック:チャプター2は、2017年公開のアメリカ合衆国の映画。キアヌ・リーヴスふんする元殺し屋の壮絶な復讐(ふくしゅう)劇を描き、銃撃戦とカンフーをミックスしたアクションが話題を呼んだ『ジョン・ウィック』の続編。殺し屋稼業から身を引いて静かに生活していた主人公が、再びし烈な戦いに巻き込まれる。イアン・マクシェーン、ジョン・レグイザモら前作キャストに加え、『マトリックス』シリーズでもキアヌと共演したローレンス・フィッシュバーン、ラッパーのコモンらが新たに参加する。
ジョン・ウィック:チャプター2 映画批評・評価・考察
ジョン・ウィック:チャプター2(原題: John Wick: Chapter 2)
脚本:33点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:7点
合計85点
亡くなった妻が残した犬を殺された主人公ジョンが、ロシアン・マフィアを相手に復讐の戦いに挑んだ「ジョン・ウィック」の続編。前作で大いに注目を浴びた、かなり独特である“殺し屋たちの知られざる世界&ルール”を継承し、また、ジョンはマフィアだけでなく、多数の凄腕殺し屋たちからも命を狙われる。役作りで約3万発の実弾を撃ったというキアヌ・リーブスのハイスピード銃撃アクション(“ガン・フー”と呼ばれる)、前作よりスケールアップした展開など見どころを満載しています。監督は前作に続いてチャド・スタエルスキ。
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ジョン・ウィック:チャプター2 あらすじ(ネタバレ)
前作から5日後。アブラム・タラソフのアジトから愛車を取り戻したジョン・ウィックは、かつての借り(「誓印」)があるイタリア系犯罪組織カモッラの幹部サンティーノ・ダントニオから暗殺の依頼を受ける。今度こその引退を決意していたジョンは断るが、その代償として亡き妻との想い出が残る家が爆破される。ジョンは、ウィンストンの助力を得ようとするも、誓印の掟は絶対だとし、サンティーノの依頼を受けることを勧める。諦めたジョンは、サンティーノより父の跡を継いだ実の姉ジアナの抹殺を要求される。
ローマへやってきたジョンは、当地で準備を行い世界各地の犯罪組織たちを束ねる「主席連合」に就任しようとしているジアナを殺す。カシアンら彼女の護衛らと戦い地下墓地へ逃げ込んだジョンは、今度は口封じを狙うサンティーノの部下アレス率いる一団に襲われる。アレスを振り切り再度カシアンと殺し合うジョンは、偶然コンチネンタル・ホテルに飛び込み停戦状態となる。そしてバーでカシアンと再戦を誓いあったジョンはローマを後にする。
サンティーノはジョンに700万ドルの賞金を掛け、ニューヨーク中の殺し屋に公示する。サンティーノを狙いニューヨークへ戻って来たジョンは、次々と殺し屋らに命を狙われるが返り討ちにしていく。その中のカシアンとは地下鉄での死闘の果てにジョンが勝利する。ジョンは主席連合には属さないニューヨーク地下犯罪組織の王であるバワリー・キングを頼る。ジョンはキングにサンティーノを殺す利益を説き、キングは一丁の拳銃と弾丸7発、そしてサンティーノの居場所の情報をジョンに与える。
美術館へ乗り込んだジョンは、迎撃に現れたサンティーノの部下達を葬っていく。アレスも駆けつけサンティーノを護衛しながら、最期はジョンとの一騎打ちに臨むが返り討ちにされる。美術館を脱したサンティーノはコンチネンタル・ホテルに逃げ込み、ホテル内では殺しをしてはいけない掟を盾にジョンを挑発する。しかし、ウィンストンが止めようとする中、ジョンは躊躇なくサンティーノを射殺する。
焼け落ちた自宅に戻り思い出の品を見つけたジョンはウィンストンから公園へ呼び出しを受ける。ウィンストンはジョンが主席連合によって世界中の殺し屋から命を狙われること、掟を破ったためにコンチネンタルのサービスを今後利用できなくなることを伝える。そして長年の友情に対する餞別として聖印を渡し、暗殺指令を1時間差し止めるのでその間に逃げろという。ジョンは誰が殺し屋かもわからない雑踏の中を愛犬と共に走り去る。
ジョン・ウィック:チャプター2 スタッフ
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:デレク・コルスタッド
原作:キャラクター創造 デレク・コルスタッド
製作:ベイジル・イヴァニク,エリカ・リー
製作総指揮:ジェフ・ワックスマン,ロバート・ベルナッキ,デヴィッド・リーチ,ケヴィン・フレイクス,ヴィシャル・ルングタ
音楽:タイラー・ベイツ,ジョエル・J・リチャード
撮影:ダン・ローストセン
編集:エヴァン・シフ
製作会社:ライオンズゲート,サンダー・ロード・ピクチャーズ,87イレブン・プロダクションズ
配給:サミット・エンターテインメント,ポニーキャニオン
ジョン・ウィック:チャプター2 キャスト
ジョン・ウィック:キアヌ・リーブス
引退した伝説的な殺し屋。「ブギーマン(闇の者)」として恐れられる。ジョナサンの名で呼ばれることもある。前作のラストで助けたピットブル犬と暮らす(名前はない)。かつて引退するためにサンティーノに貸し(誓印)を作ったために、誓印の掟によって彼の依頼を受けざるを得なくなる。さらに中盤ではサンティーノがジョンの暗殺を公示したために、ニューヨーク中の殺し屋たちから命を狙われることとなる。
カモッラ
サンティーノ・ダントニオ:リッカルド・スカマルチョ
イタリア系犯罪組織「カモッラ」の幹部。かつてジョンの仕事の手助けをした貸しがあり、その際の「誓印」のメダルを所持している。父の後を姉のジアナが継いだことをよく思っておらず、「誓印」の掟によってジョンに彼女を暗殺するように命令し、最初に拒否した時は彼の家を爆破する。初めからジョンを生かすつもりはなく、ジアナ殺しが成功すると、部下のアレスに口封じのために襲わせ、さらに700万ドルの懸賞金を掛けてニューヨーク中の暗殺者に彼の命を狙わさせる。劇中では主席連合の一員となることでニューヨークの裏社会を牛耳る野望を抱いているとジアナから語られるのみだが、未公開シーンでは主席連合の特権を利用してオーレリオから「金貨」を強奪したり、掟を無視した強引な裏社会の「改革」を行おうとしてウィンストンに苦言を呈されるなどの場面がある。
アレス:ルビー・ローズ
サンティーノのボディガードで暗殺者。唖者であり、手話で会話する。サンティーノの忠実な部下としてジョンの命を狙う。
ジアナ・ダントニオ:クラウディア・ジェリーニ
カモッラのボスでサンティーノの姉。「主席連合」の12人の代表の1人でジョンの旧友でもある。自分を殺しに現れた彼を見てすべてを悟り、自ら命を断つ。
カシアン:コモン
ジアナのボディガードで暗殺者。ジョンの旧友でもあり、暗殺の腕はほぼ互角。敬愛していたジアナを殺されたためジョンの命を狙う。互いの力量を知り尽くしており、プロの殺し屋の礼儀として苦しまずに殺してやると誓い合う。
コンチネンタル
ウィンストン:イアン・マクシェーン
コンチネンタルの代表であり、「コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク」のオーナー兼支配人。ジョンの親友で、彼に敬意を払い、彼を軽く見る者に忠告を行う。コンチネンタルの代表として殺し屋の世界で絶大な力を持ち、掟を破った者には容赦しない。
シャロン:ランス・レディック
「コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク」のコンシェルジュ。ジョンに強い敬意を払っている。ジョンがローマに行く際、ホテルとして犬を預かれない為、個人として預かる。
ジュリアス:フランコ・ネロ
「コンチネンタル・ホテル・ローマ(本店)」のオーナー兼支配人。ジョンの旧友で、再会を喜ぶ。ニューヨークのウィンストン同様にホテル内での殺しを禁じている。
ルシア:ヨウマ・ジャキテ
「コンチネンタル・ホテル・ローマ」のフロント。
ソムリエ:ピーター・セラフィノウィッツ
「コンチネンタル・ホテル・ローマ」のソムリエ。ただしテイスティングするのは銃等の武器である。
アンジェロ:ルカ・モスカ
イタリアに店を構える裏社会の仕立て屋。ジョンの要望に応えて内芯に防弾素材を使ったスーツを仕立て、着弾時の衝撃までは緩和できないと忠告する。演じるモスカはシリーズの衣装デザイナーを務めている。
ニューヨーク
バワリー・キング:ローレンス・フィッシュバーン
地下犯罪情報組織の王。彼を含む組織のメンバーは、普段ホームレスのふりをして活動している。実はジョンとは面識があり、下っ端時代に殺されかけるも、見逃してもらった過去を持つ。その過去によって自らは王になれたとジョンに言う。日本語版の公式サイトによれば、元コンチネンタルの会員で凄腕の殺し屋。その後、主席連合やコンチネンタルのどちらにも属さない独自の組織を立ち上げたという。バワリーはニューヨーク市の地区の一つ。
アール:トビアス・シーガル
バワリーの手下。普段は地下鉄の駅でホームレスのふりをしている。
オーレリオ:ジョン・レグイザモ
自動車修理工場のオーナー。前作にも登場したジョンの旧友であり、冒頭で全損したマスタングを修理のために引き取る。未公開シーンでは、主席連合の座に就いたサンティーノが部下を伴って来襲し、裏社会の通貨である金貨を強奪されてしまう。
ジミー:トーマス・サドスキー
前作にも登場したジョンの友人の警察官。
チャーリー:デヴィッド・パトリック・ケリー
未公開シーンにのみ登場。裏社会の掃除屋。
バイオリン奏者:ハイジ・マネーメーカー
バイオリンの路上演奏者で殺し屋。ジョン暗殺の公示を受け、不意打ちで彼に重傷を負わせることに成功するが、返り討ちに遭い死亡する。演じるマネーメーカーは監督チャド・スタエルスキーの妻であり、プロのスタントパーソンである。
スモウ:YAMA
力士の殺し屋。大柄な体格を生かし、銃で撃たれても怯むことなくジョンに挑む。だが、頭を2度撃たれたことで死亡する。
その他
ヘレン・ウィック:ブリジット・モイナハン
ジョンの亡くなった妻。
アブラム・タラソフ:ピーター・ストーメア
ロシアン・マフィアのボス。前作に登場したヴィゴの弟で、ヨセフの叔父。ジョンのマスタングをアジトに保管していたため、彼が取り返しにくると予想しており、そのためにはアジトを放棄しても良いと考えている。ジョンを軽く見る部下を叱責したが、全て倒され自身も平和的に解決される。
オペレーター:マーガレット・デイリー
主席連合に仕える「管理部」のオペレーター。