インシディアス 最後の鍵は、2018年公開のアメリカ合衆国の映画。本作は『インシディアス』シリーズの第4作目で、時系列的には第3作と第1作の間に位置する作品である。シリーズを通じて登場する霊能力者エリーズを主人公に据え、ある家に巣くう悪霊と幼少期の彼女が体験した恐怖に関係する謎が描かれる。超常現象の専門家エリーズのもとに仕事の依頼が舞い込む。その内容は、エリーズが幼い頃に暮らしていた家に現在住んでいるという男が、不可解な現象に悩まされているというものだった。迷いながらも依頼を引き受けたエリーズは、そこで思わぬ事態に遭遇する。
インシディアス 最後の鍵 映画批評・評価・考察
インシディアス 最後の鍵(原題:Insidious: The Last Key)
脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計85点
監督が代わっても、面白いです。リー・ワネルの脚本が本当に素晴らしいです。今回は、幼少期のエリーズと弟の娘である姪っ子が物語の中心となります。過去の出来事は未来へとつながりエリーズは、最大の謎(敵?)へと向かっていく感じです。エリーズの壮絶な生い立ちが明かされるわけですが、あんなに上品なおばあちゃんになるのは、母の愛でしょうか。
謎解きと家族愛とホラーが見事なまでに融合した素晴らしい作品でした。続きが気になるなぁ
インシディアス 最後の鍵 あらすじ(ネタバレ)
1953年。エリーズ・レイニアは両親や弟(クリスチャン)と一緒にニューメキシコ州で暮らしていた。父親のジェラルドは近所の刑務所で刑務官を務めており、時には死刑の執行を行うこともあった。時折、エリーズは電気椅子で処刑された囚人たちの幽霊を見たと主張したため、母(オードリー)は大いに心を痛めた。その一方で、ジェラルドは娘が自分たちをからかっていると苛立っていた。ある夜、クリスチャンとエリーズが眠りに落ちかけていたとき、エリーズは弟に取り憑こうとしている幽霊の姿を見た。怖くなったクリスチャンはホイッスルを使って両親を起こそうとしたが、いつもある場所にそれがなかった。騒ぎを聞きつけた両親が部屋に入ってきたため、クリスチャンは事なきを得たが、エリーズの悪戯だと勘違いしたジェラルドは彼女を地下室に閉じ込めた。地下室にて、エリーズは悪魔の声を聞き、その声に従って脱出した。キーフェイスと名乗る悪魔はそのままエリーズに取り憑いた。オードリーはエリーズの様子がおかしいことに気が付いたが、悪魔によって絞殺されてしまった。その後、エリーズは悪魔から解放された。妻の死体を見たジェラルドはエリーズの話が真実だったことを知るが、もはやどうしようもなかった。
それから数十年後、年老いたエリーズは超常現象の専門家として活動しており、部下にはスペックスとタッカーがいた。ある日、エリーズの元に助けを求める電話がかかってきた。電話の主はテッド・ガルザと名乗る男で、引っ越し直後から超常現象に悩まされているのだという。いつもの相談だと思っていたエリーズだったが、テッドはエリーズが子供時代に住んでいた家に引っ越したのだと知って驚いた。幼少期を思い出したエリーズは依頼を断ろうとしたが、自らの過去を清算する必要を感じたため、最終的には依頼を引き受けることにした。
テッドが言うには、超常現象が頻発するのは寝室で、どういうわけだかドアが開かなくなるのだという。エリーズは赤外線カメラを持ちながら、夜中に家を巡回することにした。寝室に入ったエリーゼは床に落ちていたホイッスルに躓いた。よく見ると、そのホイッスルは弟が紛失したものであった。さらに、エリーズはジェラルドが刑務官時代に着ていた制服を発見した。そこにあった鍵束を手に取り、エリーズは奇妙な音が発せられている地下室へと向かった。そこには女性の幽霊がいた。幽霊はエリーズを攻撃してホイッスルを奪い取った後、「私を助けて」と叫んでから姿を消した。予想以上に深刻な事態が生じていると確信したエリーズは、スペックスとタッカー及びテッドに自分が子供時代に経験したことを包み隠さず話した。エリーズは洗濯機の近くで幽霊を見たのだが、ジェラルドにはそれが見えなかった。ジェラルドは娘の能力に恐怖を感じており、度々エリーズに暴力を振るうこともあった。さらなる暴力を恐れたエリーズは、そのまま家出してしまったのである。結果として、エリーズはジェラルドとクリスチャンを見捨てることになった。
翌朝、エリーズとタッカー、スペックスの3人はダイナーでメリッサとイモジェンに遭遇した。その直後にやって来たクリスチャンによって、2人はエリーズの姪、つまりクリスチャンの娘であることが判明した。クリスチャンは未だに見捨てられたことへの恨みを抱いており、エリーズの顔を見るや直ちにダイナーを後にした。エリーズはホイッスルの写真をクリスチャンに直接渡したかったのだが、それが叶わぬことを悟ったため、写真をメリッサに託すことにした。
その日の夜、巡回中のエリーズとタッカーはホイッスルの音を耳にした。ホイッスルを鳴らしている人物(?)は地下室にいるようであった。地下室に入ったエリーズは音が壁の奥から聞こえていることに気が付いた。エリーズは何者かとの問答の末に、その人物(?)から「お前の探しているものは壁の奥にあるぞ」と言われた。その途端、壁に見えていたものが実は扉であったことが判明した。そのドアを開けるべく、ルイーズはかつての自分の寝室へと向かい鍵を入手した。エリーズがドアを開けると、そこには首の周りに鎖が巻かれた血まみれの女性がいた。そこへ血相を変えたテッドがやってきた。テッドは女性を監禁し続けてきたのだという。警察に通報されることを恐れたテッドは、エリーズとタッカーを女性ごと部屋に閉じ込め、スペックスを殺害しようとした。しかし、テッドのただならぬ雰囲気に気が付いたスペックスは彼を返り討ちにした。スペックスが警察に通報してくれたおかげで、一同は解放されることとなった。
警察に事件の詳細を報告している最中、エリーズはメリッサの幻覚を見た。怪事件はまだ終わっていなかったのである。
インシディアス 最後の鍵 スタッフ
監督:アダム・ロビテル
脚本:リー・ワネル
製作:ジェイソン・ブラム,ジェームズ・ワン,オーレン・ペリ,リー・ワネル
製作総指揮:チャールズ・レイトン,スティーヴン・シュナイダー,ベイリー・コンウェイ,クーパー・サミュエルソン,ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ
音楽:ジョセフ・ビシャラ
撮影:トビー・オリヴァー
編集:ティム・アルバーソン
製作会社:ブラムハウス・プロダクションズ,ステージ6・フィルムズ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
インシディアス 最後の鍵 キャスト
エリーズ・レイニア:リン・シェイ
スペックス:リー・ワネル
タッカー:アンガス・サンプソン
メリッサ・レイニア:スペンサー・ロック
イモジェン・レイニア:ケイトリン・ジェラード
クリスチャン・レイニア:ブルース・デイヴィソン
ジェラルド・レイニア:ジョシュ・スチュワート
テッド・ガルザ:カーク・アセヴェド
オードリー・レイニア:テッサ・フェレール
キーフェイス:ハビエル・ボテット
ウィットフィールド刑事:マーカス・ヘンダーソン