インシディアス 序章は、2015年公開のアメリカ合衆国の映画。今回は時間をさかのぼり、亡き母の声をもう一度聞きたいと願いながら、悪霊に狙われてしまった少女と彼女を救おうとする父親の闘いを軸に、エリーズと後に助手となるスペックス、タッカーとの出会いが描かれる。本作は『インシディアス』シリーズに属する作品で、第1作の前日譚となっている。なお、本作はリー・ワネルの監督デビュー作でもある。
インシディアス 序章 映画批評・評価・考察
インシディアス 序章(原題:Insidious: Chapter 3)
脚本:37点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計84点
本作でエリーズを演じるリン・シェイが主演となります。おばあちゃんが主演というのも今日の映画界では非常に珍しいように思いますが、リン・シェイはおばちゃまって感じで上品で好きです。今作は、恐怖も感動も得られる素晴らしい作品です。前作もそうなんですが、脚本が本当に素晴らしいです。脇役のキャラクターも立ってますし、ミステリーがシリーズを通して感じ取れ、完結したと思ってもしていない(してあげない)という次作へのフリも面白いです。このシリーズにすっかりハマってしまいました。
インシディアス 序章 あらすじ(ネタバレ)
ある日、エリーズ・レイニアをクイン・ブレナーが訪ねてくる。優秀な霊能者を求めるクインに対してエリーズは依頼を断ろうとするが、1年半前に亡くなった母リリーと交信したいという事情を聞き、彼女に協力することを決める。その場でリリーに呼びかけ始めるエリーズだが、危険な存在を感じたために交信を中断すると、「1人でお母様を呼び出そうとするのはやめなさい」と忠告する。しかし、自室で何かの気配を感じたクインはそれがリリーであると思い込み、忠告に従わず呼びかけてしまう。
演劇学校のオーディションに挑むクインが不安な気持ちでいると、自分に手を振る人影を見つける。オーディションの後、帰路についたクインは自分に手を振る男を見つけて道路の真ん中で立ち止まってしまい、後ろから来た自動車に撥ねられ重傷を負う。臨死体験の末に一命を取り留めたクインだが、事故から3週間が経ち自宅で療養するようになると、部屋で奇妙な現象に遭遇し始める。クインはそれがリリーの霊の仕業だと思っていたが、父ショーンは相手にしなかった。
その頃、エリーズはクインの身に何かが起き始めていることを察知していた。悩んだ末にクインを助ける決断をしたエリーズが自宅でリリーに呼びかけると、クインに取り憑く何かが現れ足跡を残している。エリーズは足跡を追った先でその何かと遭遇し、恐怖から心が折れてしまう。
クインはビデオ通話をしていた友人のマギーから「隣に男がいる」と言われ、部屋に見知らぬ何かが立っていることに気付く。それはクインをベッドから投げ落とすと、部屋を閉め切り明かりを消してクインに覆い被さるが、ショーンが駆けつけ大事には至らなかった。クインは傍にいる何かがリリーではないと気付き、酸素吸入用のマスクを付けた男だったとショーンに話す。
助けを求めてエリーズの家を訪ねるショーンだが、「“あちらの世界”との交信は二度としない」と断られる。エリーズは1年前に自殺した夫と話すために“あちらの世界”へと行った際、初めて訪れた闇の世界で悪魔に目をつけられ、霊との交信を続ければ自らの命が危ないと確信していた。話すだけという約束でクインに会ったエリーズだが、彼女のためにマスクの男(息のできない男)との交信を開始する。“あちらの世界”でランバート邸に辿り着いたエリーズは、黒いドレスを着た悪霊に絞殺されそうになり、これ以上の交信はできないと去っていった。
クインの弟アレックスはスペックスとタッカーの動画をショーンに見せ、彼らに除霊を依頼することを提案する。ブレナー家に到着したスペックスとタッカーがクインにカメラを装着した頃、エリーズは同業者のカールと会って弱音を吐くが、彼の言葉に自信を取り戻す。一方、ブレナー家では家中の電気が消え、モニターにはクインが立って移動する映像が送られてきた。映像を頼りにクインを探しに行くと、カメラを外していたクインが背後から現れて3人を襲い始める。クインは自殺を試みるが、間一髪でショーンとスペックスが押さえ込んで未遂に終わる。
手に負えないと言い出すスペックスとタッカーをショーンが怒鳴っていると、エリーズがやってきていた。エリーズはスペックスとタッカーに役割を与えると、クインの魂を連れ戻すため再び“あちらの世界”へと向かう。夫ジャックの霊に会い動揺するエリーズだが、正体は息のできない男だと見破るとクインの魂を連れて体への帰還を目指す。弱ったクインの魂は体に入る寸前で再び捕まってしまうが、エリーズがリリーの助力を得ることに成功するとクインの魂は力を取り戻し、無事に体への帰還を果たすことができた。
「いつも傍にいる」というリリーの言葉を親子に伝えたエリーズは帰り際、スペックスとタッカーに自分と組んで活動することを提案し、2人は承諾する。自宅で夫ジャックも自らの傍にいることに気付くエリーズだが、直後には不穏な気配を感じて身を強張らせていた。
インシディアス 序章 スタッフ
監督:リー・ワネル
脚本:リー・ワネル
製作:ジェイソン・ブラム,オーレン・ペリ,リー・ワネル
製作総指揮:スティーヴン・シュナイダー,ブライアン・カヴァナー=ジョーンズ,チャールズ・レイトン,ピーター・シュレッセル,リア・ブーマン,ザヴィエル・マーチャンド
音楽:ジョセフ・ビシャラ
撮影:ブライアン・ピアソン
編集:ティム・アルバーソン
製作会社:ブラムハウス・プロダクションズ,エンターテインメント・ワンステージ6・フィルムズ
配給:フォーカス・フィーチャーズ,ソニー・ピクチャーズ
インシディアス 序章 キャスト
ショーン・ブレナー:ダーモット・マローニー
クイン・ブレナー:ステファニー・スコット
タッカー:アンガス・サンプソン
エリーズ・レイニア:リン・シェイ
スペックス:リー・ワネル
マギー:ヘイリー・キヨコ
カール:スティーブ・コルター
アレックス・ブレナー:テイト・バーニー
息のできない男:マイケル・リード・マッケイ
黒いドレスの悪霊:トム・フィッツパトリック
ドクター・ヘンダーソン:トム・ギャロップ
リリー・ブレナー:エーレ・キーツ
ダニエル:コルベット・タック
ジャック・レイニア:エイドリアン・スパークス
オーディションの審査員:ジェームズ・ワン