グラン・トリノは、2008年公開のアメリカ合衆国の映画。誰にも心を開けず、死を待つだけの生活を過ごす孤独な老人と少年とが心を通わせていくヒューマン・ストーリー。「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデミー賞の作品賞と監督賞に輝いたクリント・イーストウッドが、激しくも静かに暴力の否定を訴える。製作・監督・主演をイーストウッドが務め、自身の主演作は「ミリオンダラー・ベイビー」以来となる。脚本は、本作が映画デビュー作となるニック・シェンク。他のキャストでは、「大いなる陰謀」のクリストファー・カーレイ以外は、ほぼ無名な新人たちで固めた。テーマ曲も、イーストウッド自身が手掛けている。
グラン・トリノ 映画批評・評価・考察
グラン・トリノ(原題:Gran Torino)
脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計87点
10年後には、というか今現在の日本でもありえる話だと思います。隣家に外国人一家が移り住んできたり、自治体レベルでもありえる話。良い人もいれば悪い人もいることでしょう。この映画では、イーストウッド演じる老男は、朝鮮戦争での自分の行いに罪を感じ長年生き続けてきている。さらに、最愛の息子たちには面倒な親として毒親扱いされる有様だった。同年代の人にとっては、自分に置き換えられるような話だと思います。
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グラン・トリノ あらすじ(ネタバレ)
妻を亡くしたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)は、二人の息子や孫とも疎遠になった頑固で偏屈な老人だった。朝鮮戦争の帰還兵である彼は、戦場で人を殺した重い記憶から逃れられず、愛犬のデイジー以外には心を開けなくなっていた。妻と交流の深かった神父ヤノビッチ(クリストファー・カーレイ)からの懺悔の誘いも、ひたすら拒み続ける。かつてフォード社の自動車工だった彼の宝物は、ガレージで眠る72年型の愛車グラン・トリノだった。
ひとり暮らしを続ける彼の自宅の隣に引っ越してきたのは、東洋からやって来たモン族の一家だった。その息子タオ(ビー・バン)は従兄たちの不良グループからけしかけられて、グラン・トリノを盗もうとするが、それをきっかけにウォルトと出会う。タオの姉で人懐っこいスー(アーニー・ハー)とも知り合って、孤独だったウォルトの生活にも潤いが生まれた。父親のいない気弱なタオに対して、ウォルトは男としての誇りを教えていく。祖父と孫ほど年齢の違う二人は、次第に心を通わせあっていった。
しかし、不良グループたちは執拗なまでにタオを狙った。タオが傷つけられたことを知ったウォルトは、不良グループのメンバーのひとりを暴力で威嚇する。その報復として、タオの家は銃弾を浴びせかけられ、スーは暴行を受ける。
ウォルトの怒りは爆発した。一緒に戦いに行こうと叫ぶタオを部屋に閉じ込めたウォルトは、単身で不良グループの家へと向かう。彼らを怒らせたウォルトは、銃弾によって蜂の巣にされる。そして不良グループは警察から逮捕された。ウォルトの葬儀がヤノビッチ神父によって行われ、その遺言で愛車グラン・トリノはタオに与えられた。まるで新車のように輝くグラン・トリノには、ウォルトの半生が刻み込まれていた。デイジーを助手席に乗せてタオがハンドルを握ったグラン・トリノは、今日も街を駆け抜けていく。
グラン・トリノ スタッフ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
原案:デヴィッド・ジョハンソン,ニック・シェンク
製作:クリント・イーストウッド,ビル・ガーバー,ロバート・ロレンツ
製作総指揮:ジェネット・カーン,ティム・ムーア,アダム・リッチマン
音楽:カイル・イーストウッド,マイケル・スティーヴンス
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス,ゲイリー・D・ローチ
製作会社:ダブル・ニッケル・エンターテインメント,マルパソ・プロダクションズ,ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ,ワーナー・ブラザース
配給:ワーナー・ブラザース
グラン・トリノ キャスト
ウォルト・コワルスキー:クリント・イーストウッド
タオ・ロー:ビー・ヴァン
スー・ロー(タオの姉):アーニー・ハー
ヤノビッチ神父:クリストファー・カーリー
スパイダー(フォン、タオとスーのいとこでギャングのリーダー):ドゥア・モーア
ミッチ・コワルスキー(コワルスキーの長男):ブライアン・ヘイリー
スティーブ・コワルスキー(コワルスキーの次男):ブライアン・ホウ
カレン・コワルスキー(ミッチの妻):ジェラルディン・ヒューズ
アシュリー・コワルスキー(ミッチの娘):ドリーマ・ウォーカー
マーティン(床屋):ジョン・キャロル・リンチ
トレイ:スコット・リーヴス
デューク:コリー・ハードリクト