フライトは、2012年公開のアメリカ合衆国の映画。旅客機の緊急着陸を成し遂げたものの血液中から検出されたアルコールにより英雄から一転、糾弾される主人公の機長の苦悩を描く。本作品は2000年1月31日にカリフォルニア州アナパカ島沖で発生したアラスカ航空261便墜落事故に影響を受けているとされている。
フライト 映画批評・評価・考察
フライト(原題:Flight)
脚本:35点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計87点
デンゼル・ワシントンが熱演し、第85回アカデミー賞で主演男優賞にノミネート。急降下していく旅客機を操り、多くの乗客の命を救った奇跡の機長。彼は英雄かそれとも?
ロバート・ゼメキス監督(「フォレスト・ガンプ/一期一会」)とデンゼル・ワシントンという、アカデミー賞受賞経験のある2人が組み、最近は非実写作品ばかり手がけていた同監督にとって久々の実写作品になったことでも話題になった一本。序盤の見せ場となる航空機の着陸シーンは精密に作った飛行機のセットを使い、最新映像技術も駆使し、圧倒的な見せ場となりました。ワシントンは善か悪か分からない、一筋縄ではいかない機長役を巧みに演じ、特に目から発せられるオーラは迫力。ジョン・グッドマンも脇役ながらいい味を出しています。
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フライト あらすじ(ネタバレ)
フロリダ州オークランド発アトランタ行きの旅客機に乗り込んだウィップ・ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)。一流の操縦テクニックを誇る彼は、この日も激しい乱気流を鮮やかに切り抜け、機体が安定すると副操縦士に任せて眠ってしまう。だが突然の急降下が、ウィトカーの眠りを破る。機体は制御不能、車輪を出し、燃料を捨て、あらゆる手段で速度を落とそうとするが、降下は止まらない。緊迫するコックピットでウィトカーは、機体を逆さまにする背面飛行を決行。高度は水平に保たれ、前方に草原が現れた。ウィトカーは機体を元に戻し、決死の不時着陸に挑む……。アトランタの病院で目覚めたウィトカーは、パイロット組合幹事のチャーリー(ブルース・グリーンウッド)から、102人中生存者は96人だと告げられる。高度3万フィートからのそれはまさに奇跡の着陸だった。しかし密かに付き合っていた客室乗務員のトリ―ナ(ナディーン・ヴェラスケス)が亡くなったと聞き、ウィトカーはショックを受ける。見舞いに来た友人のハーリン(ジョン・グッドマン)が、興奮して世の中の騒ぎをまくし立てる。マスコミがウィトカーの偉業を称え、彼は一夜にしてヒーローとなったのだ。翌朝、チャーリーに呼び出されたウィトカーは、弁護士のラング(ドン・チードル)を紹介される。フライト・レコーダーから、事故の真相は機体の故障だと解明されるはずなのに、なぜ弁護士が必要なのかと声を荒げるウィトカー。実は調査委員会で、ある重大な疑惑が浮上していた。事故後、乗務員全員に行われた検査の結果、ウィトカーの血液中からアルコールが検出されたのだ。それが事故の原因と特定されれば、ウィトカーは過失致死で終身刑となる。一方、10人のパイロットに挑戦させた事故のシミュレーションでは、全員が地面に激突、全乗客が死亡、ウィトカーの神の腕が証明される。だがマスコミが疑惑を嗅ぎつけ始める中、ある客室乗務員はウィトカーを命の恩人だと感謝しながらも、彼に有利な証言を断り、副操縦士はTVのインタビューで思わせぶりな発言をするのだった。心の拠り所だった一人息子にも罵られ、次第に追いつめられていくウィトカー。そして全てが白日の下にさらされる公聴会の日がやって来た……。
フライト スタッフ
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ジョン・ゲイティンズ
製作:ローリー・マクドナルド,ウォルター・F・パークス,ジャック・ラプケ,スティーヴ・スターキー,ロバート・ゼメキス
製作総指揮:シェリラン・マーティン
音楽:アラン・シルヴェストリ
撮影:ドン・バージェス
編集:ジェレマイア・オドリスコル
製作会社:パークス/マクドナルド,イメージムーバーズ
配給:パラマウント映画
フライト キャスト
ウィップ・ウィトカー:デンゼル・ワシントン
事故機の機長。元・アメリカ海軍パイロット。
ヒュー・ラング:ドン・チードル
パイロット組合がウィップに用意した敏腕弁護士。
ニコール・マッゲン:ケリー・ライリー
薬物依存症の女性。入院先でウィップと出会う。
ハーリン・メイズ:ジョン・グッドマン
ウィップの親友。ドラッグの売人。
チャーリー・アンダーソン:ブルース・グリーンウッド
パイロット組合の代表。ウィップの古くからの友人で、海軍の同じ部隊にいたが、パイロットは引退している。
エレン・ブロック:メリッサ・レオ
NTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)調査班リーダー。
ケン・エヴァンス:ブライアン・ジェラティ
事故機の副操縦士。敬虔なキリスト教徒。
マーガレット・トマソン:タマラ・チュニー
事故機の客室乗務員。ウィップとは古くからの付き合い。
カテリーナ・”トリーナ”・マルケス:ナディーン・ベラスケス
事故機の客室乗務員。ウィップの恋人。
男性患者:ジェームズ・バッジ・デール
ウィップとニコールが入院先の病院で出会ったガン患者。頭髪がなくなっている。
ディアナ:ガーセル・ボヴェイ
ウィップの元妻。