エグゼクティブ・デシジョンは、1996年公開のアメリカ合衆国の映画。強力な神経ガスを持ったテロリスト集団にハイジャックされたジャンボ機内に潜入し、乗客の生命とワシントンDC壊滅の危機を回避すべく奮戦する男たちの活躍を描いた航空パニック・アクション。
エグゼクティブ・デシジョン 映画批評・評価・考察
エグゼクティブ・デシジョン(原題:Executive Decision)
脚本:30点
演技・演出:15点
撮影・美術:14点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計74点
セガールを生贄にした映画として有名な今作。圧倒的強キャラのセガールを物語序盤に退場させたことで、何が起こるか分からない映画だというのを観客に示し、スリラー感のあるアクションパニック映画に仕上がっています。真面目なカート・ラッセルですが、やっていることは荒行そのもので、あらゆるピンチを切り抜けていきます。まぁ、ご都合主義的な娯楽映画に仕上がっていると言えます。キャスト面は1990年代を席巻した軍人役のオールスター勢揃いってな感じで見たことある人が見たことがあるような役を演じています(笑)ハル・ベリーは初々しいですけど、演技についてはまだまだな感じでした。セガールのおかげでカルト映画しつつある作品です。
原題のExecutive Decisionの意味は、直訳ですと”重役決定”なのですが、映画の内容を考えますと重大な決断という意味かと思います。映画随所に重大な決断を各登場人物の立ち位置で迫られるシーンがあります。この映画の醍醐味だと思います。
名探偵ポワロがサブキーワードになっているのは、犯人が名探偵ポワロで有名なデヴィッド・スーシェだからです。犯人捜しの推理がこの映画の重要な要素でもあるので、乗客に紛れているポワロを探せな訳ですね。
今作品はU-NEXT で見ました。
エグゼクティブ・デシジョン あらすじ(ネタバレ)
ワシントンDC行きの747型ジャンボ・ジェット機がハイジャックされた。テロリストの主犯格ハッサンは、先日、イギリスで逮捕された組織のリーダーの釈放を要求する。緊急会議の席上、米陸軍情報部顧問のデイヴィッド・グラント博士は「世界一殺傷力の強いソ連製の毒ガスDZ-5を盗んだ彼らは、ワシントン攻撃を狙っている」と、驚くべき仮説を立てる。
3ケ月前、彼の計画立案で、オースティン・トラヴィス中佐の率いる米陸軍テロ対策特殊部隊がトリエステ郊外で毒ガス奪回作戦を決行したが、失敗に終わっていた。大統領を中心とした危機対処委員会は、グラントの仮説を無視してジャンボ機をワシントンに着陸させ、地上4千万人の命を危険にさらすか、それとも米空域に入る前に同機を爆破し、400名の乗客を犠牲にすべきか、苦しい選択を迫られる。
答えが出ないままトラヴィスは、まだ実験段階にある空中輸送機を大西洋上8000mの地点でジャンボ機とドッキングさせ、秘密裡に特殊部隊のメンバーを機内に送り込むことを提案する。作戦は認められ、トラヴィスはラット、キャピー、ルーイ、ベイカーの腹心の部下たちに加え、全く実戦経験のないグラントを選ぶ。彼は戸惑う間もなく、輸送機を設計したケイヒルを加えたメンバーと共に、輸送機に乗り込んだ。途中、グラントとトラヴィスは3ケ月前の作戦のことで反目しあい、緊張した空気は部下たちにも伝わる。
輸送機は無事、ジャンボ機との接続に成功し、メンバーは次々と乗り込んでいく。ところが、激しい乱気流が発生し、このままでは両機とも大破しかねない。輸送機に残されたままのトラヴィスは、必死に手を伸ばすグラントに、笑顔で「頼んだぞ」という言葉を残し、輸送機を切り離してしまう。トラヴィスを乗せた輸送機は爆発炎上し、地上との連絡は一切絶たれてしまった。一方、米国防総省内では、レーダーから突如輸送機が消えたことから動揺が走る。トラヴィスを失った今、グラントには一度も組んだことのない彼に、不信感を抱くメンバーが残された。
にわか仕立ての6人のチームは、限られた時間内で、テロリストたちに見つかることなく、機内の狭い空間を移動しながら、毒ガスと起爆装置を発見しなければならない。しかも、グラントは起爆装置を持つ人間(=スリーパー)は、武装したメンバーの中ではなく、一般の乗客に紛れ込んで乗っていることに気づく。グラントは、勇敢なスチュワーデスのジーンと連絡を取り、彼女の強力を得て、一歩一歩作戦を進めていく。一方、侵入者の存在に気づいたハッサンも警戒を厳しくする。そして、ついに大統領命令が下され、海軍戦闘機がジャンボ機に迫っていた。グラントたちは機転を効かし、ジャンボ機の機体のランプを利用したモールス信号で爆撃機のパイロットに無事を知らせ、撃墜の危機は回避された。
ジーンの機転でスリーパーを見破ったグラントは、機内に乗っていた警官との連携でスリーパーを倒し、起爆装置は解除された。銃撃戦が開始され、テロリスト一味は全員倒されるが、ハッサンがパイロットたちを射殺したため、操縦する者のいない機は失速する。小型飛行機の操縦経験しかないグラントが操縦桿を握り、ジーンの協力で着陸を試みた。危機一髪、機は無事に着陸に成功し、乗客の生命は救われた。
エグゼクティブ・デシジョン スタッフ
監督:スチュアート・ベアード
脚本:ジム・トーマス,ジョン・C・トーマス
製作:ジョエル・シルバー,ジョン・トーマス
製作総指揮:スティーヴ・ペリー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:アレックス・トムソン
編集:スチュアート・ベアード,ダラス・プエット,フランク・J・ユリオステ
製作会社:ワーナー・ブラザース,シルバー・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザース
エグゼクティブ・デシジョン キャスト
フィル・デイヴィッド・グラント:カート・ラッセル
オースティン・トラヴィス中佐:スティーヴン・セガール
ジーン:ハル・ベリー
ラット:ジョン・レグイザモ
デニス・ケイヒル:オリヴァー・プラット
キャピー:ジョー・モートン
ナジ・ハッサン:デヴィッド・スーシェ
ルイ:B・D・ウォン
チャールズ・ホワイト国防長官:レン・キャリオー
ベイカー:ウィップ・ヒューブリー
アーメド:グランビル・ハッチャー
カーリル:クリストファー・マーハー
エル・サイド・ヤファ:アンドレアス・カツーラス
マヴロス上院議員:J・T・ウォルシュ
サーロウ将軍:チャールズ・ハラハン
ウッド将軍:ケン・ジェンキンス
ジョージ・エドワーズ航空保安官:リチャード・リール
ジャック・ダグラス国務長官:ニコラス・プライア
FBIペリー捜査官:エドモンド・ブラウン
機長:レイ・ベイカー
副機長:マイケル・ミルホーン