エスケープ・フロム・L.A.は、1996年公開のアメリカ合衆国の映画。大地震で陸の孤島と化した近未来のL.A.を舞台に、世界を震撼させる新兵器奪還の密命を帯びて送り込まれたアンチ・ヒーロー、スネーク・プリスケンの活躍を描いたSFアクション。
エスケープ・フロム・L.A. 映画批評・評価・考察
エスケープ・フロム・L.A.(原題:Escape From L.A.)
脚本:29点
演技・演出:17点
撮影・美術:12点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計72点
豪華キャストが集ったB級映画なのですが、遊び心溢れるパンチの利いた映像が楽しめます。CGがかなりお粗末なのは意図したものなのか単に予算不足だったのか?カーペンター作品だけに煙に巻かれる感じですね。ゲームのメタルギア・ソリッドのスネークのモデルキャラクターとも言われているカート・ラッセル演じるスネーク・プリスキンがとても魅力的です。脚本については、SFアクション映画を装いながら、現代政治風刺なのがカーペンターらしい裏設定です。
エスケープ・フロム・L.A. あらすじ(ネタバレ)
2013年。合衆国大統領(クリフ・ロバートソン)の娘ユートピア(A・J・ランガー)は、政府が秘密裏に開発した新兵器ブラックボックスを持ってL.A.に逃亡した。L.A.は2000年に起きた大地震のために陸の孤島と化して以来、現大統領の厳格な管理体制の規律に反する者たちの追放場所となり、凶悪な犯罪者の監獄島となっていた。ユートピアを陰で操っていたのは、L.A.内に君臨するペルーの革命家クエボ(ジョージ・コラフェイス)で、ブラックボックスを手中にした彼は、L.A.島の全囚人の解放を要求して合衆国政府を脅迫する。
万策尽きた大統領とポリス・コミッショナーのマロイ(ステイシー・キーチ)は、15年前、N.Y.の監獄島から当時の大統領を救出した実績のある重犯罪者スネーク(カート・ラッセル)を、L.A.に潜入させる手段を選ぶ。彼らはスネークの体内に殺人ビールスを注入させ、解毒剤と引き換えにブラックボックス奪回を命じた。原子力潜航艇で島に上陸したスネークは、荒廃したハリウッドを進み、クエボと彼のテロ集団“輝く道”に遭遇する。ブラックボックスの正体は、強力なエネルギー破壊装置だった。見かけはただのリモコンだが、人工衛星を連動させることで放射された強電磁波が、生命には無害だが、地上の電波施設を破壊する。しかも、一台の車から国全土までを狙い撃ちすることが可能だった。いわば、これを手にした者は地球を支配したも同然だった。クエボは、ボックスを使っての米国への侵略を狙っていた。
途中、島の案内を買って出るが全く信用のできない地図屋のマップ・トゥ・ザ・スターズ・エディ(スティーヴ・ブシェーミ)、津波に乗るサーファーのパイプライン(ピーター・フォンダ)、残忍な子供たちの集団コリアン・ドラゴン、謎の女タスリーマ(ヴァレリア・ゴリノ)、誰も生かしては帰さないビバリーヒルズの外科医総統(ブルース・キャンベル)、そして当のクエボ自身といった連中がスネークを待ち受けるが、その度に何とか危機を乗り切る。タイムリミットが刻々と迫り、スネークは、かつて自分を裏切り、性転換手術を受けてからはクエボと敵対する組織サイゴン・シャドウを率いるハーシー(パム・グリアー)の力を借りてカイトに乗ってブラックボックスとユートピアを奪い返すと、ヘリで島を脱出した。
大統領とマロイは、体内に注入したのはただの風邪のビールスだった、と明かした。さらに、国家への反逆者として実の娘をも処刑しようとしていることを知ったスネークは、ホログラムを利用したトリックで、彼らを欺く。手にしたブラックボックスで地球全土を目標に据えたスネークは、スイッチをオンにした。次の瞬間、地上の全ての動力施設が止まり、地球は暗黒時代に逆戻りした。
エスケープ・フロム・L.A. スタッフ
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ジョン・カーペンター,デブラ・ヒル,カート・ラッセル
製作:カート・ラッセル,デブラ・ヒル
音楽:ジョン・カーペンター,シャーリー・ウォーカー
撮影:ゲイリー・B・キッブ
編集:エドワード・A・ワーシルカ
配給:パラマウント映画,UIP
エスケープ・フロム・L.A. キャスト
スネーク・プリスキン:カート・ラッセル
スター・マップのエディ:スティーヴ・ブシェミ
パイプライン:ピーター・フォンダ
大統領:クリフ・ロバートソン
タスリーマ:ヴァレリア・ゴリノ
マロイ:ステイシー・キーチ
ハーシー・ラス・パーマス:パム・グリア
ビバリーヒルズ公衆衛生局長官:ブルース・キャンベル
クエボ・ジョーンズ:ジョージ・コラフェイス
ブレイゼン:ミシェル・フォーブス
ユートピア:A・J・ランガー
フッカー:イナ・ロメオ
ダーティ・サージェント:ピーター・ジェイソン
ポリス・アンカー:ジョーダン・ベイカー
高速道路上の女:キャロリーン・フィーニー
下院議員:ポール・バーテル
サイゴン・シャドウ:ジェフ・イマダ
サーファー:ブレッキン・メイヤー
スキンヘッド:ロバート・キャラダイン
テストチューブ:リーランド・オーサー
ナレーター:キャスリーン・ブランチャード
ハーシーの部下:アル・レオン(クレジットなし)