ドリームガールズは、2006年公開のアメリカ合衆国の映画。黒人女性ヴォーカルグループを主人公に据えたブロードウェイミュージカルの映画化作品。トム・アイン原作・作詞によるブロードウェイ・ミュージカルの『ドリームガールズ』が原作。またこの映画はジェニファー・ハドソンの歌手・女優ともにデビュー作である。
ドリームガールズ 映画批評・評価・考察
ドリームガールズ(原題: Dreamgirls)
脚本:37点
演技・演出:18点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計90点
トニー賞に輝いたブロードウェイの傑作舞台を映画化。実在の女性R&Bグループ《ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス》をモデルにした物語になります。映像、音楽、演技陣の見事なアンサンブルによって、伝記ドラマという以上の、原作舞台に勝るとも劣らぬ逸品となりました。歌姫ビヨンセ演じるディーナのライバル的存在、エフィに扮したジェニファー・ハドソン(本作でアカデミー助演女優賞に輝いた)の熱唱と、エディ・マーフィの存在感は特に必見です。
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ドリームガールズ あらすじ(ネタバレ)
1962年。デトロイトのヴォーカルトリオ「ドリーメッツ」は音楽業界に打って出ようとしている野心家・カーティス(ジェイミー・フォックス)にスカウトされた。彼女たちはソウル界のローカルスター、ジミー・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスとしてツアーに参加するようになる。だが一番の歌唱力を誇るエフィー(ジェニファー・ハドソン)はいつまでも脇役でいることに不満だった。
マネージャーのマーティー(ダニー・グローバー)を追い出したカーティスはドリーメッツを独立させて売り出そうとする。その名も「ザ・ドリームズ」として。ようやくリードシンガーになれると思ったエフィーだが、カーティスはディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)をリードにする決断を下した。テレビ向けに一番の美人であるディーナをフューチャーしようというのだ。しかも今までエフィーと付き合っていたカーティスは私生活でもディーナに鞍替えしていた。グループの活動に支障をきたすようになったエフィーはついにクビを言い渡された。
こうして新メンバーになったザ・ドリームズは瞬く間に人気を獲得していく。それから8年の歳月が流れディーナは世界的なスーパースターとなり、カーティスと結婚していた。一方でカーティスの子を産んだエフィーはマーティーの協力を得てクラブシンガーとして再出発を始めていた。やっとの思いで出したエフィーの新曲を盗んでザ・ドリームズに歌わせてしまうカーティス。怒ったエフィーやマーティーらはカーティスのレコード会社に乗り込み、怒りをぶつけた。そして独善的なカーティスに対する不信感を抱えてきたディーナも、ついに離婚を決意するのだった。
こうしてバラバラになってしまったザ・ドリームズの解散コンサートが地元で行われる。最後の曲でエフィーが現れ、四人になったザ・ドリームズは感動的なパフォーマンスを繰り広げるのだった。
ドリームガールズ スタッフ
監督:ビル・コンドン
脚本:ビル・コンドン
原作:ドリームガールズ:トム・アイン
製作:ローレンス・マーク
製作総指揮:パトリシア・ウィッシャー
音楽:ヘンリー・クリーガー
作詞:トム・アイン
撮影:トビアス・シュリッスラー
編集:ヴァージニア・カッツ
配給:ドリームワークスSKG/パラマウント,パラマウント/UIP
ドリームガールズ キャスト
カーティス・テイラー・ジュニア:ジェイミー・フォックス
モータウン・レコードの創設者、ベリー・ゴーディ・ジュニアが基とされる。劇中のレインボー・レコードがモータウンに相当する。冒頭でドリーメッツのマネジャー(実際にはプロデューサーのような立場)となる。もともとは中古車販売業の経営者。離婚歴がある独身。黒人の音楽を白人に奪われてきた歴史にうんざりしている。頭の回転が速くマネジメント力に優れており先見の明もあるが、自分の意見を優先しすぎて強引な言動をすることがある。
ディーナ・ジョーンズ:ビヨンセ・ノウルズ
ソロ歌手としても知られる、スプリームス(シュープリームス)のメンバー、ダイアナ・ロスが基とされる。スプリームスは劇中のザ・ドリームズに相当されよう。ザ・ドリームズ(冒頭でドリーメッツとして活動していたが、程なくして改名)のメンバー。エフィから「3人の中で一番キレイだが歌唱力は私の方が上手い」と言われている。基本的に謙虚な性格で、カーティスからリードボーカルを指名された際にも一度は断っている。カーティスのプロデュースでザ・ドリームズとしてヒット曲を出し、人気歌手の仲間入りを果たす。
エフィ・ホワイト:ジェニファー・ハドソン
スプリームスのメンバー、フローレンス・バラードとソウル歌手のエタ・ジェイムスからインスパイアされている。
ザ・ドリームズのメンバー。率直な意見を言う性格なためよく愚痴をこぼしたり時に周りと衝突することがある。パンチのあるパワフルな歌声で歌唱力についてかなりの自信を持っており、人を褒めることはあっても歌唱力の評価だけは基本的に譲らない。カーティスを愛するようになる。ドリームメッツ時代ではリードボーカルを務めていたが、その後カーティスによりリードボーカルから外されて不満を持ち始める。
ローレル・ロビンソン:アニカ・ノニ・ローズ
スプリームスのメンバー、メアリー・ウィルソンからインスパイアされている。ザ・ドリームズのメンバー。よく笑顔でいて、朗らかな性格で揉め事は嫌い。場の雰囲気を和ませる緩衝材のような存在感を持つ。時々わがままなエフィの言動に振り回される。ジミーのバックコーラスになった後彼と付き合うようになる。
ミシェル・モリス:シャロン・リール
スプリームスのメンバー、シンディ・バードソングが基とされる。エフィと入れ替わりで加入するザ・ドリームズの新メンバー。ちなみに加入後に放送されたテレビ番組のディーナの物語では、「同じ街で育ったディーナとローレルとミシェルの3人」と紹介されており、エフィはいなかったことにされている。加入した後、いつしかC.C.と恋愛関係になる。
C. C. ホワイト:キース・ロビンソン
モータウンの歌手でソングライターのスモーキー・ロビンソンからインスパイアされている。エフィの兄。これまでにドリーメッツの振り付けや作曲作曲を担当。その後はカーティスとタッグを組み、ジミーやザ・ドリームズの曲を手がけるようになる。自身が作った楽曲に強いこだわりを持つ。
ジェームス・“サンダー”・アーリー(通称:ジミー):エディ・マーフィ
“ジミー”アーリーはリトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、サム・クック、ジャッキー・ウィルソン、ウィルソン・ピケット、マーヴィン・ゲイ等のソウル・R&Bシンガーからインスパイアされている。デトロイトが誇るソウルシンガー。女好きで妻がいるにも関わらず、仕事で共演するコーラスの女性たちに惚れやすい。いつからかストレスを感じるとヘロインを使用するようになる。
マーティー・マディソン:ダニー・グローヴァー
ジミーのオリジナルのマネージャー。ジミーの女癖の悪さに手を焼かされるが、売れてない歌手たちには強気な態度で厳しい意見を言う。ジミーを育ててきたのは自分だと自負しているが、マネジャーとしての素質があるカーティスに嫉妬するようになる。
ウェイン:ヒントン・バトル
キャデラックのディーラーで、後にレインボーのレコード・プロデューサーになる。カーティスの部下。なお、バトルはかつての舞台でC. C. 役を演じている。