ダイ・ハード2は、1990年公開のアメリカ合衆国の映画。ヒット作『ダイ・ハード』(1988年)の続編である。超高層ビルでの活躍を描いた前作から舞台を空港に移し、再び刑事ジョン・マクレーンの活躍を描いたアクション映画。当初は1作目に続いてジョン・マクティアナンが監督する予定であったが、『レッド・オクトーバーを追え!』の撮影の最中であり、スケジュールの調整がつかなかったために、レニー・ハーリンが監督を務めている。
ダイ・ハード2 映画批評・評価・考察
ダイ・ハード2(原題:Die hard 2: Die Harder)
脚本:34点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計80点
前作に負けず劣らず脚本はとても良いように思いましたが演出が独特なところや唐突感があり、ダイナミックに魅せるレニー・ハーリンの良さも適当さも感じる作品に仕上がっています。中盤から後半にかけてのストーリーはなかなかのものですし、マクレーンの不死身具合がもはやギャグのようにも思えるんですが、それが味になってますし、このシリーズの醍醐味だと思います。今作品の展開などは、後のワイルドスピードシリーズなどにも大きな影響を与えてるようにも思えました。
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ダイ・ハード2 あらすじ(ネタバレ)
前作、ナカトミビルのテロ事件からちょうど1年後のクリスマス。ジョン・マクレーンは妻のホリーを迎えに雪の降るワシントン・ダレス国際空港にやってきた。
空港警察から駐車違反切符を切られるハプニングの後、マクレーンは怪しい男2人組を見つけたため刑事の癖で後を追い、空港内の荷物室へ侵入した2人に職務質問したところ、銃撃戦に発展する。やっとのことで1人を倒すがもう1人には逃げられてしまう。男達の装備からただ事ではないと考え、直ちに現場を封鎖して捜査を開始すべきと進言したマクレーンだったが、空港を管轄する空港警察のロレンゾ署長は、ただの物盗りの犯行として相手にせず、むしろ一年で一番忙しい日に泥棒相手に銃撃戦をやったマクレーンを罵倒する。納得がいかないマクレーンは男達の正体を探るため、ロスにいる親友の警官パウエルに死んだ男の指紋情報を送って照会してもらう。その結果、先ほど目の前で死んだ男は、2年前にホンジュラスで航空機事故により死んだとされていた元アメリカ陸軍軍曹と判明する。マクレーンは話にならないロレンゾ署長を無視して管制塔に乗り込むと、知り得た情報を基に管制部長のトルドーに事の次第を話す。だがその時突然、滑走路の着陸誘導灯が消え、計器着陸誘導装置(ILS)も作動不能に陥り、上空の旅客機が着陸できなくなってしまう。
事件を起こしたのは元アメリカ陸軍特殊部隊群のスチュアート大佐と、同じく軍人だった彼の部下達であり、その目的は間もなく護送されてくる南アメリカ、バル・ベルデの麻薬王エスペランザ将軍の奪還だった。空港の管制システムを乗っ取ったスチュアートは、自分達の目的を明かすと共に逃走用の飛行機を要求し、トルドーに余計なことをしないよう警告する。
トルドーはコード・レッド(緊急事態)を政府に連絡すると共に管制機能を復旧させるべく、主任エンジニアのバーンズとSWATを建設中の新管制塔へ向かわせ、管制機能の回復を試みる。しかし、新管制塔へ通じる通路には作業員に変装したテロリストらが待ち受けていた。一方、空港用務員から新管制塔への経路を聞き出したマクレーンだったが、時すでに遅し、テロリストらに待ち伏せされたSWAT部隊は全滅し、バーンズも負傷。ようやく合流したマクレーンの活躍で敵も全滅するものの、結局新管制塔は爆破され機能回復は失敗する。スチュアート大佐は警告に従わなかった上に部下が死んだ報復として、残り燃料がわずかであった英国旅客機ウィンザー114便(ダグラスDC-8-63)に偽の管制指示と誤ったILS情報を与えて地表に激突させ、200人余りの乗客乗員全員死亡という惨事を引き起こす。その上、まだ多数の航空機が上空を旋回しており、その中にはホリーが乗るノースイースト140便(ロッキード L-1011トライスター)もあった。
やがて政府からの支援としてグラント少佐率いる陸軍対テロ特殊部隊が到着し、トルドーの軽率を窘めると共にスチュアート対策に取り組みだす。かつての教え子でもあるスチュアートのやり方を知るグラントはあえて消極策をとってエスペランザ将軍の着陸を許し、彼らが要求した航空機で高跳びする際に一網打尽にするという。その間に将軍は護送兵達を殺害して、自ら操縦桿を握っていた。作戦に不満のマクレーンは単独行動をとると着陸直後の将軍の護送機に接近し、彼の身柄を抑える。が、直後に将軍の確保に現れたスチュアートらと交戦状態になり、結局、将軍には逃げられ、マクレーンも間一髪で危機を脱する。再度のマクレーンの単独行動にロレンゾ署長が激怒するが、グラントはむしろマクレーンの勇気を称えロレンゾを批判する。
ビーコン無線を使うことでテロリストらを出しぬいて上空の航空機と連絡を取ることに成功した空港側は、管制が乗っ取られたことを伝え、メンフィスやアトランタ等、近隣の空港へ向かうことなどの指示を行う。しかし、ノースイースト140便など、残り燃料が少なく、他の空港へ行けない航空機もまだ相当数残るなど完全な解決に至らない。バーンズの助言により、近くの住宅地がテロリストの拠点となっている可能性が高いことを突き止め、マクレーンはバーンズをともなって現地へ向かう。
テロリストがアジトを設けた教会の外で見張りを仕留めたマクレーンのもとへ、バーンズからの連絡を受けたグラントの部隊も合流し、激しい銃撃戦が始まる。スチュアートらが教会の裏手からスノーモービルで逃げ出したことを察知したマクレーンは、一味からスノーモービルの1台とサブマシンガンを奪って追跡するが、何故かこちらの銃撃は効かず、一方的に迎え撃たれ、またもや間一髪で助かる。一方スチュアートらはそのまま空港敷地内へ入り、準備ができた逃走用のボーイング747F貨物機へと向かい、グラントらの部隊も彼らを拘束するべく同じ航空機へ向かう。
一味から奪ったサブマシンガンのマガジンには空包が装填されていたことに気づき、全てが茶番であると悟ったマクレーンは、満身創痍になりながら何とか空港に帰り着き、空港警察に乗り込む。そしてロレンゾ署長にスチュアート一味とグラントらが空砲で撃ち合っていたことを示し、初めからグラントがスチュアートの共謀者であったことを明らかにする。事態を把握し激怒したロレンゾは空港警察全隊に出動命令を下すとマクレーンに協力し、貨物機の格納庫へと急行しようとする。しかし、ロレンゾの警察部隊はクリスマスの混雑とウィンザー114便の墜落、さらにはノースイースト140便内部からの情報漏洩(後述の「リチャード・ソーンバーグ」の項参照)でパニック状態に陥った群衆と雑踏により組織立って行動できず、またもやマクレーン一人が敵地に乗り込むこととなる。マクレーンは特ダネを探していた地元のテレビクルーに依頼し、報道ヘリコプターで滑走路へと運んでもらう。
スチュアートやグラント、エスペランザたちを乗せ、貨物機は滑走路へと動き始める。マクレーンは離陸を阻止すべくヘリコプターから貨物機の主翼に降り立ち、補助翼の可動部に脱いだ上着を挟んで操作不能にする。これに気付いたスチュアートとグラントも主翼に降りてきた結果、たちまち大格闘に。グラントを倒したものの、軍隊格闘の達人であるスチュアートには歯が立たないマクレーンは逆に翼から落とされてしまう。布を取り除き機内へと戻るスチュアート。だがマクレーンは落とされる直前、とっさに翼の燃料バルブを開いていた。滑走路に残された彼は、漏れ出た燃料へめがけてライターで点火する。炎は滑走路の燃料を導火線のように伝い、飛び立つ直前の飛行機へ引火。スチュアートやエスペランザを始めとするテロリスト集団は断末魔の悲鳴を上げ爆死する。
そして航空機爆発の残火が着陸誘導灯の代わりとなり、上空に残っていた航空機が続々と着陸、無事に全機助かる。マクレーンはホリーと無事を確かめて抱き合い、駐車違反を取り消したロレンゾが見送る中、用務員マービンが運転するカートで現場を後にする。
ダイ・ハード2 スタッフ
監督:レニー・ハーリン
脚本:ダグ・リチャードソン,スティーヴン・E・デ・スーザ
原作:ウォルター・ウェイジャー『ケネディ空港/着陸不能』
製作:ローレンス・ゴードン,ジョエル・シルバー,チャールズ・ゴードン
製作総指揮:マイケル・レヴィ
音楽:マイケル・ケイメン
撮影:オリヴァー・ウッド
編集:スチュワート・ベアード
配給:20世紀フォックス
ダイ・ハード2 キャスト
ジョン・マクレーン:ブルース・ウィリス
ロサンゼルス市警察の刑事(階級は警部補)。前作のナカトミビルのテロ事件の活躍によりナカトミビルの英雄としても知られている。妻のホリーを迎えるためにダレス国際空港にやってくるが、早々に自家用車が駐車違反でレッカー移動され、更には1年前と同様に孤立無援の状態でテロ事件に巻き込まれる不運に見舞われる。
ホリー・マクレーン:ボニー・ベデリア
ジョン・マクレーンの妻で、ロサンゼルスにあるナカトミ商事で働くキャリア・ウーマン。クリスマス休暇に家族のいるワシントンD.C.に向かうが、テロリストによる事件に巻き込まれ、不幸な事に同じ飛行機には1年前の事件で怒りを買ったレポーターのソーンバーグが乗っており、辟易させられる。その後、空港がパニックに陥った際はそれを起こした張本人がソーンバーグであることを知り激怒、隣の席の老婦人が手荷物に入れていたスタンガンを使って彼を気絶させた。
スチュアート大佐:ウィリアム・サドラー
テロリストのリーダーで、元アメリカ陸軍特殊部隊所属の大佐。指揮官としても個人としても優秀だが、警告を無視した空港側に対して実際にウィンザー114便を墜落させて大量の人間を殺害するなどの目的のためならば冷徹冷酷に行動を起こす。反共主義者として東側との対立が激しかった時代に協力関係にあったエスペランザの奪還を目論んでおり、その過程でマクレーンには部下達を殺害された上に度々計画を狂わされて煮え湯を飲まされたために苛立ちを見せるが、結果的には計画通りに事が運び、そのまま逃走しようとしたところで再度マクレーンの邪魔が入る。その後、軍隊格闘の達人としてマクレーンを圧倒し、逃亡用の飛行機から落とすことに成功したが、最後は彼が燃料バルブを開けたことには気付かずに飛行機を爆破されて爆死する。
ラモン・エスペランザ:フランコ・ネロ
南米の国バル・ベルデの独裁者で、麻薬王。国の内外に狂信的な支持者を持ち、「将軍」と敬称で呼ばれている。また、強力な反共主義者としてかつてはアメリカ国務省からの援助を受けており、スチュワートらアメリカ陸軍とも交友関係を築いていたが、自身もパイロットとしての経験もあり、実際に強奪した輸送機や逃亡用の大型飛行機を操縦している。時世の変化によって麻薬王としてアメリカに拘束され、そのままアメリカ国内で追訴されることとなるが、護送中に一瞬の隙を突いて乗員を殺害し、更には輸送機を乗っ取って空港へ降り立つ。その後、マクレーンに襲撃され、それでもスチュワートの助けで危機を脱するが、その際に腕を負傷し、仲間であるバークの手当てを受ける。その後は逃亡用の飛行機の操縦を担当し、スチュアートや彼の仲間達を乗せて一度は離陸したが、最後はマクレーンの機転によって飛行機を爆破されてスチュアートや彼の仲間達と共に爆死する。
グラント少佐:ジョン・エイモス
アメリカ陸軍のテロ対策特殊部隊の隊長(階級は少佐)。部下からの信頼は厚く、マクレーンが単身飛行機に乗り込みエスペラントに急襲した際は余計なことをと非難するが、教会への突撃の際はマクレーンとも打ち解けている。スチュアートの教官を務めていたという経歴もあって彼を良く知る適任者としてテロ発生後の空港に派遣され、ウィンザー114便を墜落させる報復が起こった後はスチュアートの危険性を良く知っていると述べるが、同時に空港の近くのアジトを急襲して一網打尽にするという策を計画する
カーマイン・ロレンゾ署長:デニス・フランツ
空港警察の署長。よそ者のマクレーンに自分の空港を嗅ぎ回られたことで反目し、最初のマクレーンの忠告を無視するなどの彼を邪険に扱い、更には起こす行動が全てテロリストの予見通りで不要に損害を重ねる結果を招いてしまう。グラントの裏切り発覚後はマクレーンに協力し、ラストシーンではクリスマスプレゼントとしてマクレーンの駐車違反切符を破いて無効にし、マクレーン夫妻を笑顔で見送った。
レスリー・バーンズ:アート・エヴァンス
空港のチーフ・エンジニア。管制機能に精通しており、新管制塔の起動やビーコン無線による航空機との交信などを思い付くが、新管制塔の起動の際にテロリストに襲われたところをマクレーンに助けられ、以降は恩返しのために彼に協力する。その後、スチュワートらのアジトを突き止める活躍を見せる。
トルドー:フレッド・トンプソン
空港の管制部長。現場の最高責任者としてテロの解決及び空港機能の奪還に奔走し、更にはロレンゾを黙らせた上でマクレーンの忠告を聞く。
マーヴィン:トム・バウアー
空港の施設管理人。長年勤務した経験から空港の構造に精通しており、マクレーンに近道などを教えてサポートするが、中盤ではテロリストのスクランブルが解除されたトランシーバーを荷物室で見つける。終盤では一刻を争う中でマクレーンを署長室へ運ぶなどの活躍をする。
ビトー・ロレンゾ刑事:ロバート・コスタンゾ
空港警察の制服警官。空港の緊急車両用スペースに駐車したマクレーンの車(ホリーの母とマクレーンの義母の新車)をレッカー移動させる。終盤ではカーマインの弟であることが判明する。
リチャード・ソーンバーグ:ウィリアム・アザートン
アル・パウエル:レジナルド・ヴェルジョンソン
サマンサ・コールマン:シーラ・マッカーシー
ガーバー:ドン・ハーヴェイ
ベーカー:トニー・ガニオス
トンプソン:ピーター・ネルソン
オライリー:ロバート・パトリック
シェルドン:マイケル・カニンガム
バーク:ジョン・レグイザモ
カーン:トム・ベリカ
オズボーン・コクラン:ジョン・コステロー
ミラー:ヴォンディ・カーティス=ホール
ショックリー:マーク・ブーン・Jr
マルキー:ケン・ボールドウィン
テルフォード:パット・オニール
二等軍曹:ジェイソン・ロス=アジキウェ
ノースイースト機コーパイ:スティーヴ・パーシング
スチュワーデス1:シェリー・ビルシング
スチュワーデス2:カーラ・タンバレリ
老女:ジーン・ベイツ
ウィンザー114便の機長:コルム・ミーニイ
軍用機機長:ヴァンス・ヴァレンシア
軍用機コーパイ:ギルバート・ガルシア
レンタカーガール:ローレン・リザラー
案内係:コニー・ライロ・シーマン
ロリンズ:チャールズ・ラニアー
管理人:ビル・スマイリー
荷物係:ドウェイン・ハーグレイ
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