薔薇の素顔は、1994年公開のアメリカ合衆国の映画。過去にトラウマを持つ精神分析医と、様々な精神障害を持つ患者たちが、殺人事件に巻き込まれていく様を描いたサスペンス映画。猟奇連続殺人事件の中に、多重人格、パラノイア、バイ・セクシャル、性的倒錯などのショッキングなテーマを散りばめて描いたサイコ・ミステリー。
薔薇の素顔 映画批評・評価・考察
薔薇の素顔(原題: Color of Night)
脚本:26点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計74点
主演2人の演じるエロティック描写の過激さに、全米配給元であるディズニー傘下のハリウッド・ピクチャーズがクレームをつけ、公開を延期して編集しましたが、アメリカの映倫MPAAの審査で〈NC‐17〉(17歳以下は親の同伴があっても鑑賞できない、成人映画のX指定に次ぐ限定公開)指定に。フィルムの盗難騒ぎまで起き、大幅に再編集した結果、R指定(日本より厳しく、17歳以下は成人同伴でのみ鑑賞可能)で公開されました。日本やヨーロッパで公開されたのは、〈NC‐17〉指定のバージョンになります。カットされたシーンは、VHSやDVDなどの映像ソフトで観ることができますが、現在日本ではどちらも絶版になっています。
役者陣の体当たりな演技にも関わらず、観客からの評価は乏しいもので、その年のゴールデンラズベリー賞のほとんどの部門にノミネートしてしまい、その内「最低作品賞」を受賞してしまった。
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薔薇の素顔 あらすじ(ネタバレ)
ニューヨークの精神分析医キャパ(ブルース・ウィリス)は、女性患者が彼のオフィスがある高層ビルから飛び下り自殺し、血の海に横たわる死体を見て以来、赤い色に拒絶反応を覚えてしまう。ショックから癒えぬ彼は、ロサンゼルスに住む同じ分析医のボブ(スコット・バクラ)を訪れる。彼はセラピー・グループの患者たちを紹介した。情緒不安定な女性サンドラ(レスリー・アン・ウォーレン)、潔癖症の弁護士クラーク(ブラッド・ダリフ)、被害妄想気味のケイシー(ケヴィン・J・オコナー)、妻子を殺された衝撃から立ち直れないバック(ランス・ヘンリクセン)、自閉症の少年リッチーの5人で、ボブはこの中の誰かに命を狙われていると告げる。
数日後、その言葉通りに彼は何者かに惨殺された。同じ頃、キャパはローズ(ジェーン・マーチ)という少女と出会い、その謎めいた美しさにひかれる。一方、患者たちの願いで、彼は5人の治療を引き継ぐことに。事件を追うキャパの周囲には、姿なき殺人者の警告が発せられる。患者たちはそれぞれ秘密を隠しているようで、混乱するキャパはますますローズの怪しい魅力の虜になっていく。
そしてまたもや、ケイシーが惨殺死体で発見された。キャパはボブのカルテから、ローズが多重人格者であり、全くの別人として患者全員と関係を持っていたことを知る。さらにリッチーとローズが同一人物である事が発覚。真犯人は彼女と近親相姦関係にあった兄デイル(アンドリュー・ロワリー)で、彼女と関係を持つ人々に嫉妬したゆえの犯行であった。彼は幼児期の性的虐待から近親同性愛者となり、ローズを男として愛したかったデイルは、彼女をリッチーという人格に仕立てていた。ローズは絶体絶命のキャパを救おうとして兄を殺す。抑圧が生んだ彼女の多重人格は姿を消し、キャパも赤い色が見えるようになった。
薔薇の素顔 スタッフ
監督:リチャード・ラッシュ
脚本:マシュー・チャップマン,ビリー・レイ
原案:ビリー・レイ
製作:バズ・フェイトシャンズ,デヴィッド・マタロン
製作総指揮:アンドリュー・G・ヴァイナ
音楽:ドミニク・フロンティア
撮影:ディートリッヒ・ローマン
編集:ジャック・ホフストラ,トム・ノーブル
製作会社:ハリウッド・ピクチャーズ,シナージ・ピクチャーズ
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ,東宝東和
薔薇の素顔 キャスト
ビル・キャパ:ブルース・ウィリス
ローズ / リッチー:ジェーン・マーチ
マルティネス:ルーベン・ブラデス
ソンドラ:レスリー・アン・ウォーレン
ボブ・ムーア:スコット・バクラ
クラーク:ブラッド・ドゥーリフ
バック:ランス・ヘンリクセン
ケイシー:ケヴィン・J・オコナー