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シャレード|パリの名所を舞台に、美しき未亡人が25万ドルの陰謀に巻き込まれるスリリングな“謎解きゲーム

映画 シャレード
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シャレードは、1963年公開のアメリカ合衆国の映画。オードリー・ヘプバーンの華麗なファッションも楽しい、スタンリー・ドーネン監督のコメディータッチの傑作ミステリー。魅力的な音楽はヘンリー・マンシーニ。ジバンシィが提供したヘプバーンの衣装が話題となった。

シャレード 映画批評・評価・考察


シャレード(原題:Charade)

脚本:38点
演技・演出:19点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計93点

思いがけず連続殺人事件に巻き込まれることになった美しい未亡人の運命を、洒落たタッチでスリリングに描写した映画です。映画ファンからも根強い人気を誇る傑作です。
受難のヒロインに、今なお人気が一向に衰えない永遠のスター、ヘプバーンが扮し、軽快で優雅な魅力を存分に発揮したほか、彼女につきまとう謎の紳士を伝説的俳優ケーリー・グラントがこれまた、はまり役の好演を披露しています。ヘンリー・マンシーニの軽快な音楽もドラマを盛り上げるのに効果を発揮しています。サスペンスとユーモアを絶妙のバランスでまぶしたヒッチコック風の鮮やかな演出を見せたのは、かつてミュージカル映画の名手としてならしたスタンリー・ドーネン監督。

映画さながらの紳士だったケーリー・グラント

グラントとヘプバーンはそれまで一度も会った事がなく、撮影前にドーネン監督がパリのビストロで2人を引き合わせました。その時、ヘプバーンは緊張のあまり赤ワインのボトルを倒してしまい、グラントのクリーム色のスーツにかかってしまいました。ヘプバーンは大恥をかき、恐縮して何度も謝りました。その時グラントはさりげなく上着を脱いで、ワインのシミが簡単に落ちるふりをしました。ヘップバーンはグラントの事をとても優しかったと語っています。グラントはシャツ姿で穏やかに食事を始め、これで2人の信頼関係が結ばれ、撮影でも良い雰囲気で一緒のシーンが撮れました。翌日にはグラントからヘプバーンに、昨日のことは気にしないでという手紙とキャビアの贈り物が届きました。ドーネン監督はこの時のことを基に、セーヌ河岸を歩いている時にヘプバーンがグラントのスーツにアイスクリームを付けてしまうシーンを付け加えています。

のちにヘプバーンはグラントについて、「私を助けるときも、それとはわからないように助けてくれました」「私の一生の素晴らしい思い出です」と語っています。


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シャレード あらすじ(ネタバレ)

スキー旅行先で、富豪の夫チャールズとの離婚を決意したレジーナ・ランパート。旅行からパリの自宅に戻ると、家財道具一切が部屋から持ち出されており、夫の姿も見えない。そこへ、司法警察のグランピエール警部が現れ、チャールズの死を告げる。警部によれば、チャールズは家財道具のすべてを競売にかけ、その落札代金25万ドルを持ってパリ脱出のために列車に乗ったが、何者かに突き落とされたという。警察署で夫の遺品(小さなバッグに手帳、櫛、万年筆、レジーナに宛てた未投函の手紙、偽名のパスポート4通)を受け取り、レジーナは警察署を後にする。レジーナは自宅に戻り途方に暮れていたが、そこにスキー旅行先で知り合ったピーター・ジョシュアが現れ、「夫の事件は新聞で知った。何か協力できることはないか」と申し出る。

チャールズの葬儀は寂しいもので、出席者はレジーナと、レジーナの親友でスキー旅行に同行したシルヴィ、そしてグランピエール警部だけであった。途中、ハゲた小柄な男ギデオン、やせた背の高い男テックス、大柄で右手が義手の男スコビーが現れ、チャールズの柩を確認する。レジーナはアメリカ大使館のバーソロミューからの手紙で呼び出され、チャールズの正体が「チャールズ・ヴォス」という男だと知らされる。チャールズは第二次世界大戦中、OSS(CIAの前身)に所属して対ドイツ戦に従事していた。25万ドル相当の金塊の輸送任務にあったが、葬儀に現れた3人を含めたメンバーたちは金塊を盗まれたことにして密かに地中に埋め、終戦後に山分けすることにし、その後、ドイツ軍の攻撃を受けスコビーが右手に大怪我を負い、散り散りになってしまう中、チャールズが独り金塊を掘り返し、持ち去ったのだという。

チャールズが持ち去った25万ドルの在り処は妻のレジーナが知っているに違いないと信じた3人がレジーナの前に現れ、「金をよこせ」と脅迫する。ピーターは3人の脅迫からレジーナを守ろうとするが、彼も3人と旧知だった。レジーナの信頼を得たピーターが金を独り占めすることを危惧したスコビーは、彼女に電話を掛けて彼の正体を知らせる。レジーナはピーターをホテルの電話で呼び出し、彼は4人と共に金を盗み出したカーソン・ダイルだと告げる。同じころ、レジーナの甥ジャン=ルイを人質にした3人は、彼女とピーターを呼び出して金の在り処を聞き出そうとする。ピーターは「3人の誰かがチャールズを殺して金を独り占めしようとしている」と語り、3人は疑心暗鬼に陥る。5人はそれぞれの部屋を探索するが、途中でスコビーが殺される。

金の在り処を探す中でレジーナとピーターは親しくなるが、バーソロミューから「ダイルに兄弟はいない」と知らされたレジーナは再びピーターに詰め寄る。ピーターは彼女に、自分の正体が泥棒のアダム・キャンフィールドだと告げる。その夜、電話で呼び出されたギデオンが殺され、テックスが行方不明となる。レジーナはテックスが犯人だと疑うが、テックスは「金の在り処を教えろ」とアダムに電話をかけてきたため、アダムは彼女が金の在り処を知っていると考え、2人はチャールズの遺品を確認する。翌日、アダムはテックスの部屋からチャールズのメモ帳を見付け、レジーナを連れて公園に向かう。そこにはテックスも来ており、金の手掛かりを探していた。アダムと別れたレジーナはシルヴィと出くわし、その日が切手市の日だと聞かされ、遺品の手紙の切手が金の正体だと確信する。

遺品である25万ドル相当の切手を手に入れたレジーナは部屋に戻るが、そこではテックスが殺されており、「ダイル」というメッセージを残していた。レジーナはバーソロミューに電話を掛け、パレ・ロワイヤルで落ち合おうとするが、アダムに見付かり逃げ回る。レジーナはバーソロミューに合流するが、追い付いたアダムから、彼の正体こそが戦争で死んだはずのダイルだと聞かされる。バーソロミューは正体を認め、金を手に入れようとレジーナに銃口を向けるが、彼女を劇場で追い詰めるもののアダムに救われる。レジーナは25万ドルの返却にアメリカ大使館へ。しかし、応対室のイスに座っていたのはアダムだった。彼は大使館員のブライアン・クルークシャンクだと名乗り、その証明にレジーナに結婚を申し込む。

シャレード スタッフ

監督:スタンリー・ドーネン
脚本:ピーター・ストーン
製作:スタンリー・ドーネン
音楽:ヘンリー・マンシーニ
撮影:チャールズ・ラング・Jr
編集:ジム・クラーク(ジェームズ・クラーク名義)
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ

シャレード キャスト

ピーター・ジョシュア:ケーリー・グラント
レジーナ・ランパート:オードリー・ヘプバーン
ハミルトン・バーソロミュー:ウォルター・マッソー
テックス・ペンソロー:ジェームズ・コバーン
ハーマン・スコビー:ジョージ・ケネディ
レオポルド・W・ギデオン:ネッド・グラス
シルヴィ・ゴーデット:ドミニク・ミノット
エドアルド・グランピエール警部:ジャック・マラン
フェリックス氏:ポール・ボニファス
ジャン=ルイ・ゴーデット:トーマス・チェリムスキー

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