ブロークダウン・パレスは、1999年公開のアメリカ合衆国の映画。高校の卒業旅行先の異国で理不尽で苛酷な運命を体験したふたりの少女の姿を描いたサスペンス。監督は「バッド・ガールズ」のジョナサン・カプラン。脚本は本作がデビューとなるデイヴィッド・アラタ。
ブロークダウン・パレス 映画批評・評価・考察
ブロークダウン・パレス(原題: Brokedown Palace)
脚本:37点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計86点
メガホンをとったのは、「告発の行方」「不法侵入」など社会派サスペンスの巨匠、ジョナサン・カプラン。本作は、麻薬がらみのトラブルによって多数の外国人がタイで投獄されている事実をもとに作り上げられました。“犠牲者”を演じるのは「ロミオ+ジュリエット」のクレア・デインズと「ホワイトアウト」のケイト・ベッキンセール。大の親友である高校生二人が劣悪な環境の中でお互いが犯人だと疑い始め、精神的に追い込まれていく姿をリアルに演じきっています。
かなり入念な取材の元に製作された映画だけあって、犯罪の手口が映画の伏線のように巧妙に描かれています。巧妙な手口とも・・・東南アジアへの海外旅行、他人ごとではない。
ブロークダウン・パレス あらすじ
オハイオ州の高校3年生のアリス(クレア・デインズ)とダーリーン(ケイト・ベッキンセール)は大学が始まる前の夏休み、卒業旅行でタイのバンコクを訪問。ふたりはそこでハンサムなオーストラリア人の青年ニック・パークス(ダニエル・ラペーン)と出会い、彼と観光名所めぐりをする。その夜、彼はダーリーンをベッドに誘い、いつもは彼女よりもてていたアリスは嫉妬と悔しさを抱えてひとりゲストハウス帰った。
翌朝、ダーリーンは彼が言うままに3人で香港へ行くことをアリスに提案。ひと足早く立った彼を追ってふたりは空港に向かうが、そこで思わぬ事件が。荷物の中からヘロインが発見されたのだ。検挙されたふたりは裁判にかけられ、なんと懲役33年という判決を受ける。タイの厳しい司法制度、そしてタイとアメリカ両国の麻薬をめぐる微妙な関係が原因だった。ふたりは“ブロークダウン・パレス”と呼ばれる悪名高いタイの刑務所に投獄された。
絶望するふたりの前にアメリカ人弁護士ヤンキー・ハンク(ビル・プルマン)が現れた。アメリカを追放処分された彼は同国でタイ人の妻と暮らしていた。調査を始めた彼はニックが実は麻薬の売人でふたりを密告した当人だと知る。さらに友人のアメリカの麻薬捜査局員ロイ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)から情報を得て、ふたりはニックのオトリに使われたことが分かった。だが、ふたりの荷物に麻薬が入っていたのは事実で無実であろうがふたりが刑務所から出られる可能性は低かった。
ハンクは困難な状況を乗り越えて再度裁判をやり直す権利を勝ち取るが、前途にはまだ、予想もし得ない事態が待ち受けていたのだった……。
ブロークダウン・パレス スタッフ
監督:ジョナサン・カプラン
脚本:デイヴィッド・アラタ
製作:アダム・フィールズ
製作総指揮:A・キットマン・ホー
音楽:デヴィッド・ニューマン
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
編集:カーティス・クレイトン,ドン・ジマーマン(クレジットなし)
配給:20世紀フォックス
ブロークダウン・パレス キャスト
アリス:クレア・デインズ
ダーリーン:ケイト・ベッキンセイル
“ヤンキー”・ハンク:ビル・プルマン
ロイ・ノックス:ルー・ダイアモンド・フィリップス
ニック・パークス:ダニエル・ラパイン
ダグ・デイビス:トム・アマンデス
ヨン・グリーン:ジャクリーン・キム
ベス・アン・ガーデナー:エイミー・グレアム
ビル・マラーノ:ジョン・ドウ
ジャグリット:ケイ・トン・リン
密使:ヘンリー・O
ウィライ:ビューロー・クオ
モントレー弁護士:ジョーニー・ガンボー
ジャマイカ人:バーニ・ターピン
イギリス人:アマンダ・デ・キャドネット
ボーイ:レンシー・パディラ
メガネの看守:ソンスダ・チョティカスパ
ジェイソン:ポール・ウォーカー(クレジットなし)
ファーブ:チャド・トッドハンター
タイ語通訳:ユサナ・カウダン