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ティファニーで朝食を|ある日、同じアパートに越してきた青年作家と友情が芽生え、やがて恋に変わっていく…。

ティファニーで朝食を
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ティファニーで朝食をは、1961年公開のアメリカ合衆国の映画。オードリー・ヘプバーンが自由奔放な女性・ホリーを演じるラブストーリーの名作。トルーマン・カポーティの同名中編小説の原作とは異なり、映画は主人公と語り手の作家との恋を中心に描いている。この作品で清純派であるヘプバーンが清純でないホリーを演じたことで、映画の中の女性像をすっかり変えてしまった、アメリカ人の既存の価値観をことごとくひっくり返したと言われている。

ティファニーで朝食を 映画批評・評価・考察


ティファニーで朝食を(原題: Breakfast at Tiffany’s)

脚本:36点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計91点

“銀幕の妖精”ことオードリー・ヘプバーンが際立った美しさを見せた名作。大都会ニューヨークで同じアパートの別の部屋に住む男女が、大都会の厳しい現実の中、交流を深めていく模様をしっとりと描写しています。おしゃれでロマンティックと思われがちですが、何よりも切なく哀しいムードが見る者の心を打つ、感動の逸品です。ヘプバーンが歌った“ムーン・リヴァー”(アカデミー歌曲賞受賞)も、映画音楽史上名だたる名曲になりました。また本作の大ヒットによってニューヨーク5番街の一宝石店、ティファニーの名が世界的になったというエピソードも有名です。

ミスター・ユニヨシは日本人・アジア人差別との批判について
日本人のファンも多い今作ですが、ここ近年においてユニオシの描写はアジア人差別だと強い批判を受けています。出っ歯にメガネの日本人というキャラクター描写もさることながら演じたのが白人のミッキー・ルーニーだったことも、批判の対象になっています。この件について、当の日本人は映画のキャラクターだからなのか寛容に受け止める人が多く、あまりこの映画を批判する人はいません。ですが、ブルース・リーは、公開当時から批判していて、彼の自伝映画『ドラゴン ブルース・リー物語』でもブルースがこの映画を観て激怒する姿が描かれています。作品の原作は奥さんのリンダ・リーなので当時恋人だった彼女にも印象的だったことが伺えます。ブルースが怒るのは無理もありません、黒人差別も酷かったですがアジア人差別も酷い時代で、彼はまさにそれを覆すために頑張っていたからです。
ブルースは、メディアで目にする特定の人種に関する描写は社会の中でその人種がどのように扱われているかの表れであり、その描写はさらに社会へ影響を及ぼすものでもあって、メディアの中の表象と社会における扱われ方は相互に影響しあう側面があることに気づいていました。「馬鹿にしてもいい」という常識が人々に共有され、馬鹿にされ続けるアジア人を目の当たりにし怒りを覚えたのがブルースでした。実際は、ブルースだけではなく多くのアジア人が怒りを覚えていたことが近年に爆発しているのではないかと思います。

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ティファニーで朝食を あらすじ(ネタバレ)

ホリー(オードリー・ヘップバーン)はニューヨークのアパートに、名前のない猫と住んでいる。鍵をなくす癖があり、その都度階上に住む日本人の芸術写真家ユニオシ(ミッキー・ルーニー)の部屋のベルを鳴らすため、ユニオシはカンカンだ。そんなホリーの念願は“ティファニー”のようなところで暮らすことだ。

ある日、ホリーのアパートにポール(ジョージ・ペパード)という青年が越してきた。作家ということだが、タイプライターにはリボンがついていない。室内装飾と称する中年女がいつも一緒にいて、夜半に帰って行く。ポールはホリーの自由きままな生活や天真爛漫な性格に興味をおぼえ、ホリーもまた、兄に似ているポールに惹かれたようだ。ある夜、ポールの部屋の窓から、しつこい男から逃げてきたホリーが入ってきた。彼女は“ティファニー”のことや、入隊中の兄のことを語った。そうして時計が4時半になると固い友情をかわした2人は寄り添って眠りにつくのだった。

ある日、不審な男がアパートの前をうろついていた。男はテキサスから来たホリーの夫だという。しかしホリーは自由を選び、夫はひとりでテキサスに帰っていく。一方、親友付き合いをしてはいるが、ホリーへの恋心を募らせるポールは、パトロンの女と手を切り、新しい小説を書き始める。ついに彼の短編が50ドルで売れた。お祝いにホリーはポールを“ティファニー”に誘った。しかしティファニーでポールに買えるホリーへのプレゼントはなく、ポールはお菓子のおまけの指輪にイニシャルを彫ってもらうことにした。ポールは自分の気持ちをホリーに伝えるが、ホリーは金持ちとしか結婚するつもりはないと言いはり、二人は別れた。

しばらくして金持ちのブラジル人ホセと結婚するとホリーから連絡が入り、ポールは久しぶりに彼女の元を訪ねるが、ホリーは麻薬密輸の罪で逮捕されてしまった。彼女はそうと知らずに麻薬密輸のメッセンジャーとなっていたのだ。保釈が認められたホリーだが、迎えに来てくれたポールからホセからの別れの手紙を渡されてしまう。ポールから真剣な想いを伝えられても、頑なに心を開かないホリーに、ポールは「君は自分のカゴの中にいつも逃げ込んでいる」と、ティファニーでイニュシャルを刻印したおまけの指輪を投げつけて去っていく。その指輪を指にはめ、初めて自分の本当に気持ちに気付いたホリーは、彼の後を追いかけ、二人は土砂降りの雨の中、固く抱き合うのだった。

ティファニーで朝食を スタッフ

監督:ブレイク・エドワーズ
脚本:ジョージ・アクセルロッド
原作:トルーマン・カポーティ
製作:マーティン・ジュロウ,リチャード・シェファード
音楽:ヘンリー・マンシーニ
主題歌:ヘンリー・マンシーニ(作曲)ジョニー・マーサー(作詞)「ムーン・リバー」
撮影:フランツ・プラナー,フィリップ・H・ラスロップ
編集:ハワード・スミス
配給:パラマウント映画

ティファニーで朝食を キャスト

ホリー・ゴライトリー:オードリー・ヘプバーン
ポール・バージャク:ジョージ・ペパード
2E:パトリシア・ニール
ドク・ゴライトリー:バディ・イブセン
ユニオシ, I.Y.:ミッキー・ルーニー
O・J・バーマン:マーティン・バルサム
ホセ・ダ・シルヴァ・ペレイラ:ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ
メグ・ワイルドウッド:ドロシー・ホイットニー
サリー・トマト:アラン・リード
ティファニーの店員:ジョン・マッギーヴァー

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